大魔王の憂鬱 接触
ベ「……今回から俺の過去編だ。時間的にアークテスタメント……あの頃はまだ空撃だっけか?まあその直後の話だ。前回のメフィストの過去話の続きって思ってくれれば良い」
俺が今までに敗北を経験したのは三人
一人目は俺を含めた他の大魔王とは明らかに『格』の違う大魔王、ストレ。俺がまだ成り立てのガキだったつうのもあるだろうが、初めてあいつを目視瞬間に死を覚悟した。目標にするには遠すぎる存在だ
二人目はつい最近知り合った、隊長。俺以外に銃を使い、大魔王でもないのに実力は大魔王のそれと同等。目標と言うには近すぎて異質すぎる
三人目は現在してる大魔王では最も強いカゲロウ。俺達の数少ないガキの頃からの知り合いであり、俺の師匠兼兄貴みてぇな奴だ。闘い方やら覚悟やらを教えられた俺の目標の人
「ねぇ、お兄ちゃん聞いてる?」
「ああ聞いてる」
悪い、ちょっと考え事してた
「嘘、聞いてなかったでしょ。だってまだな〜んにも言ってないもん♪」
……謀ったな
「悪い。それで、何だ?」
「嬉しいんだ、また皆と一緒に居られて。エレスはいっつも死んだ様に暗くて、メフィストはいっつも震えてて、アラクネはいっつも後悔しててさ、また昔みたいに戻りたかったんだ……」
「アスタノト……」
そうか、こいつはこいつで悩んでたのか。なのに、俺はこいつの気持ちを無視して守ろうと……
「ごめんな」
「えっ?」
不思議そうに顔を上げるアスタノトを、優しく撫でてやる。いつ以来だっけな……こういう兄貴らしい事してやんの
「お前の気持ち、考えずに無視してた」
兄貴らしい事か……そのままアスタノトを抱き寄せる
「お前の為にしてた事が、逆にお前を苦しめてたのか」
「ううん、お兄ちゃんのせいじゃないよ。お兄ちゃんは、私を守ってくれてる」
こいつ……いつの間にかこんなに成長してたんだな。こんな女っぽくなってよ……
「アスタノト……」
静かに、ゆっくりと、唇にキスをする
唇、やわらけぇ……。その感触に負けて、舌を入れる
アスタノトもそれを待っていたのか舌を絡めてくる。蕩ける程絡み合い、口の端から唾液が垂れる。勿体ない気がして指で掬いとった
「んぅ、今日は随分積極的だね」
「そうだな……」
「ねぇお兄ちゃん。じゃあ、もうちょっと先へいこう?」
「……やり方とかわかんないぞ」
返事もさせないままブラウスの中に手を入れていく。肌を這わせながらまだ未発達な胸を弄る
「んっ!」
妹の矯正に、更に興奮する。もっと聞きたい、もっとナかせてやりたい、そんな気持ちが抑え切れない!!理性を捨てて、スカートに手を…
「ハァーッハァッハァ!取り込み中良いかな?」
髪と目が黄緑色のカマキリみたいなのが堂々とした仁王立ちで佇んでた
「……」
「ふぁっ、カゲロウさん」
カマキリ、もといカゲロウが部屋に来ていた。俺に返事も聞かずに。だが、それで一気に理性を取り戻した
「近親相姦か?いいぞ!もっとやれ!ハハハハハ!!我はじっくり観賞させてもらうぞ!」
「はい。さっ、早く続きしよ?」
「……/////」
俺の元々の魔力属性は火。だから火で熱いと感じる事なんて滅多にないわけだが、顔から炎が出てると錯覚する程熱い!!つーか俺、今カゲロウが来なかったら何してた!?恥ずかしい事だよな!!?////
「あっ……、そ、その、カゲロウ、用事があって来たんじゃないのか?///」
「フハハハハ!!近親相姦の後で良いぞ?その程度の用件だ!!」
「い、今言えよ!//」
もう頭の中が真っ白……
「ふむ、今日は中々に喋るな。言魂は己を映す鏡だと教えただろ?まあ!我には喋らないという選択肢はないがな!!ハァーッハッハッハ!!」
全く、なんでこの人は自分の言葉を実行しないんだ?
「それで、何の用だ?」
カゲロウのバカっぷりに頭も落ち着いた。その分アスタノトは不満そうにしてる
「おお、そうだ。実はな、天使が現れたぞ」
「……はっ?」
過エ「はぁ……火の属性を説明するわ」
エ「が、頑張ってね」
過ゼ「……」
ゼ「おい過去の俺、お前も応援しろよ」
過ゼ「…………がんばれ」
過エ「火は、攻撃性に優れているわ。防御にも向いているから一番オーソドックスな属性よ。火にだけ持っている特徴は『増殖』。……これでいい?」
エ「おつかれ様」
ゼ「説明ありがとう」
過ゼ「………頑張ったな」
過エ「………ふん」
ゼ「およ?少しは距離が縮まったか?」
エ「良いことだね。次回もお楽しみに〜」