大魔王の憂鬱
メ「あいつ知らない?」
エ「むぐむぐ……まってれば来るよ。メフィストも食べなよ」
アス「はむはむ……甘くてとっても美味しい〜」
メ「本っ当に甘い匂いね」
アラ「いいなぁ二人とも。私も闘り合いたい……」
ベルゼブVision
剣と剣がぶつかる音――
弾丸が飛び空気が裂かれる感触――
口に拡がる血の味――
莫大な魔力の臭い――
視界に見据える奴――
五感全てで、今この瞬間の"闘い"を楽しんでいる!!
「っと、今日は随分張り切ってんな」
「楽しいんだよ、お前と闘り合ってんのが!!」
弾丸を放つ、それと同時に火球を飛ばす
「ほっ、せいっ、フェイントか。珍しいな、お前がフェイントなんて」
涼しい顔であいつも弾丸と水球を撃ってくる
「勝つ為だったらなんでもするぜ?卑劣な事以外ならな!」
銃の弾丸を俺の『炎』を撃つ!
「『バニシングバレット』!」
「おっと!?」
銃撃に見せ掛け魔術で強襲
「だぁぁぁりやぁ!!」
避けたとこを、斬る!!
「!!」
隊長の剣が、地面に突き刺さる
「はぁ、負けか」
「ふっ、勝ちだ」
残念そうに剣を拾う隊長。その割に笑ってやがる……俺の勝ちに変わりないが、こいつには中々追い付いた気がしない
「これで俺の25勝25負3引き分けか……うん?お前もか」
「次も俺が勝つぞ」
少なからず勝利の余韻がとれても、未だに余韻に浸っっている
「ふっ、はははぁ!」
「何だ?」
いつもの奇行か?
「いや、お前にしてはやたら喋ってるなってさ」
「……そうか?」
「今更もどしても手遅れだぞ」
「……///」
忘れてた……。闘ってるとどうも喋っちまう……
『言魂は己を映す鏡だ』
…………ちっ、何で俺律儀にあの野郎の言葉を守ってんだ?あんな奴の……
「なぁ隊長」
「なんだねベルゼブ君」
えーと、弾丸は……後8発か。こんだけあれば殺れる
「怒るなって、無言で銃口向けんなよ」
言葉と裏腹に余裕の表情。自分の剣を腕で回転させてる
「それで、何だよ」
「……俺を助けた時の事、覚えてるか?」
「『ステイアラート』に攻められた時だろ、覚えてるさ」
「……そうか」
それだけ聞けりゃいいや、俺が負けたと知っている奴がいれば……
『ハァーッハッハッハ!!』
……ちっ、あの野郎の高笑いが耳に残ってやがる。嫌でも思い出すぜ、カゲロウ……
魔力講座 その1
『魔力って?』
過ゼ「……」
過エ「……」
ゼ「いきなり沈黙かよ!」
エ「え、えっと、魔力について説明すればいいんだよね?じゃあ過去のわたし、説明してね!」
過エ「めんどう」
エ「即答!?」
ゼ「過去の俺だと知らないよな、だが敢えて聞いてみる。答えろ、過去の俺」
過ゼ「………知らん」
ゼ「うん、何かベルゼブとキャラ被ってる。主に沈黙が」
エ「じ、じゃあ私が説明するね」
ゼ「よろしく頼む」
エ「魔力って言うのは、誰でももとから持ってる力の源の事。種族によっては『神通力』や『オーラ』なんて言われてる場合もあるね」
過エ「……」
過ゼ「……」
ゼ「そ、それで?」
エ「え、えっと、魔力には『属性』があって、火・水・風・土の基本属性や光・闇の特殊属性、後は時・空の次元属性に分けられてるんだ」
ゼ「土?地じゃなかったっけ?」
エ「その辺は結構曖昧なんだよね。土が基本で地が上位属性だったり、土も地も同じだったりって」
ゼ「へぇー……俺も知らなかった」
エ「私やゼレカみたいに沢山の属性が使える人でも、元々の属性は一つだったんだよ?ちなみに、私は水属性」
ゼ「俺は……闇だな、うん?」
エ「どうしたの?」
ゼ「二人とも居ない」
エ「……」
ゼ「……」
エ「じゃ、じゃあ今回はこれで終わりにしよっか」
ゼ「そ、そうだな。今度は二人にもちゃんと喋らせるか」