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同盟〜メフィスト〜

メ「笑顔が一番!」

メフィストVision


現在よりも前の時間




「それじゃあ改めて、『今の』同盟を破棄して『新しい』同盟を結ぼうと思うんだけど、異論はない?」


「ええ」

「うん」

「もちろん♪」

「……同じく」


そこまで聞いて私は安心した。また、誰かとのつながりが無くなってしまうと思って不安でしょうがなかったわ……


私は今まで、ずっと孤独だった。私という存在を神聖化して常に祈りの対象にされてきたから。魔王になっても、それは変わらなかった。だから、ここでつながりが断ち切れてしまうのが怖かった……


だから、嬉しい……のかしら?


「それじゃあ同盟の為に、もう一つ提案があるんだ」


「何?」


「お互いの世界が危なくなった時に助け合える組織を造りたいの」


「……それなら、なんだったかあっただろ」


「『空撃隊』だっけ?」


確かそんな名前だったはず間違ってたら恥ずかしい……///


そう聞いたら、エレスナーグが苦虫をかみつぶした顔で笑った


「あはは……皆の所に帰ってない?」


その言葉だけで意味がわかった


「まさか……」


「うん、自然解散しちゃったよ」


自然解散か……戻って来てないよね


「何処行ったのかな……」


「……まあ、その内戻ってくるだろ」


私の自問にベルゼブが答えてくれた


「……何だ?」


「ううん、ありがと」


「……///」


『じ〜っ』


みんなが面白そうに私っベルゼブを見た。何か変なところあった?


「……そ、それで、その組織とやらはどうすんだ?」


「ふふふ、私達がそれのメンバーだよ」


「私達が?」


確かに妥当かな


「そうすれば実質五人でそれぞれの国を守れるし、お互いの状況もわかっていいことづくめだよ」


「そうだね♪」


「でも、それだと統率が難しいわよ?」


アラクネがまともな事を言った様に思えるけど、あんた普段作戦なんて考えてないでしょ!


「まあそうなるよね。だから、私は推薦したい人がいるの」


「推薦て、誰を?」


普通ならここは大魔王であるベルゼブだろうけど、どうもそうじゃないみたいね


「それは…」


コンコン


扉を叩く音が聴こえた


カチャ


「エレス、終っ…」


見知らぬ黒い服のフード男が入って来た。どこかで聞いたことが…


カキンッ


ある。と思うが先か、ベルゼブがとんでもない速さで斬りかかった。その速さはこいつが『幻影』と呼ばれる理由であるかのように速く、重い一撃だったが、それを覆すかのように驚く事があった。のに……


「よう、あんたが来るのを待ったぜ」


「はぁ……だろうと思った」


黒服のフードはその斬撃を目視してから剣で防いでいた


「とりあえず、後でな」


「必ずだぞ」


……今の、頭では理解してたのに身体が追いつかなかった。


「っと、つーか今まずかった?」


男は申し訳なさそうにエレスナーグに確認した。とても今の離れ業をやってのけた男ようには思えない


「ちょうどよかったよ♪彼が私の推薦したかった人よ。ゼレカ、自己紹介してあげて」


「お偉いさんの前で緊張するな……ゼレカ・ハヅキです。一応皆さんとはどこかで顔は合わせています」


フード男がフードをとった。そして、その男はちょっと前に見たことがあった


「あっ!あんたはこの間の……」

「ああ、私を助けてくれた……」


アラクネも私と同じような反応、ってことは会ったことがあるんだわ。そういえばエレスナーグがどうこうって……


「どうも」


「それで、どうかな?ゼレカの強さは私が保証するけど」


「ん?何の話し?」


「ゼレカが私達の隊長になるかならないかだよ」


「へぇ……えぇっ!?」


当の本人は今事を知ったようなリアクションをとっていた


まあ、助けてくれたのは事実だし


「私はいいと思うわよ」


さっきのやり取りを見て、強いっていうのはわかった。強さは申し分ないわ


「私も賛成。あなた、すごくかっこよかったわ」


「私も、ゼレカさんなら安心できるね♪」


「……興味ない」


「だって、引き受けてくれる?」


「引き受ける以外の選択肢があるならぜひ教えてもらいたいよ……はぁ、わかったよ、上手くやれる自信はないけどやってみるよ」


やれやれ、なんて呆れ顔をしたものの、決まったみたい


「……なら、早速仕事だぜ、隊長」


皮肉タップリの顔でベルゼブが剣を構える


「結局こうなるのかよ、いいけどさ。エレス、報告は後ででいい?」


「いいよ。それに、闘うなら見れるように闘技場使って」


「はいよ、つーわけで行くぞ」


「ふ……今度は俺が勝つ」


「やってみろよ」


「それじゃあ私達も見に行こう」


「うん♪」


「はぁ、私も闘いたいな……」


「後でいくらでも闘えばいいでしょ」


何気なく皆で居られる時間。それがどうしようもなく楽しい……


『お前は、そうなる運命だったのさ』


貴方に言われた言葉が、今だに心に刺さってる。でも、運命だけが全てじゃないよ。届かない言葉に想いを馳せて

メ「篭の中の鳥は、何を想うのか……」


ベ「偉く詩的だな」


メ「あら、聴いてたの?」


ベ「……たまたま耳に入ったんだよ」


メ「じゃあ、どうだと思う?」


ベ「何がだ」


メ「何を想ってるのか、ってやつよ」


ベ「……難しい事はわからんが、篭の外の世界を思ってるんだろ」


メ「そうだよね…」


ベ「だが、俺の想ってる鳥は外なんかじゃなく、自分に会いに来た鳥を想ってるんだろうな」


メ「え……?」


べ「笑ってろってんだよ。お前がしんみりしてると調子狂う」


メ「……ふふっ、あははは!」


ベ「……何だ」


メ「別に、ただありがと」


ベ「……ふんっ///」

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