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会議します

アラ「『ブレイズグリッター』♪」


バ「『ブリリアントジェミニ』」


ゼ「カッコイイな……」

ゼレカVision



「うぉ、やべぇぇ!!」


全力疾走だ!!俺!


何でこう毎回毎回忘れてるんだよ!


さっきエレスに話したばっかだろ!?


思い付く限りの悪態を吐きつつ足を加速させる


十…九…八…間に合え!!


バタン!


勢いよく空撃隊舎の扉を開ける


「はぁ………はぁ………ぎりぎり……セーフ……だよな?」


一応、後三秒程残ってるはず……だから遅刻とは言わせない!


「あれ……?」


メフィストの小言も、ベルゼブのため息も聴こえてこない?どういうことだ?


それ以前に……


「誰も居ない」


はぁ……なんだよ、全力疾走の意味無かったじゃん


「ま、いっか」


俺の設置した冷蔵庫からミルクティーのペットボトルを取り出す


これが美味いんだ!


キャップをあけて口をつける


コク、コク


「…っぷ、身体に染み渡るぜ!」


どうせ誰も居ないんだ、寛がせてもらおう


「なんて事、出来ないよなぁ……」


嫌でも書類が目に入る。嫌でも!!あー、面倒。そもそもなんでこんなに書類あるの?え?隊長ってだけで全部俺の仕事ってわけでもないっしょ


「はぁー、悩みは多そうだ」


自分のイスに深く腰掛けながらもう一杯ミルクティーを口に運ぶ


「!!けほっ、けほっ……」


盛大にミルクティーを吹き出す寸前だった、というか出かけた


「あははは♪全く気付かなかったね」


「まさかこんなに無防備なんて」


エレスとアスタノトが空中浮遊していたのだ。それに、罠に獲物が引っ掛かったかのように満足そうな笑みを浮かべている。


「けほっ……真面目に気付かなかった」


口の端から零れたミルクティーを拭う。もう苦笑しかない


「それに、私達だけじゃなくてアラクネにも気付かなかったみたいですね」


「…………ん?」


アスタノトのその言葉に先日の記憶が蘇る


「……」


居た、やはり簡易ベッドで寝ている。それも楽しそうに


「ゼレカ、あんまり寝顔見ちゃダメだよ」


エレスにお叱りを受けた。心なしかいつもより強い口調な気がする


「ま、まあ、アラクネはいいとしてだ、ベルゼブとメフィストは?」


「お兄ちゃんもメフィストも魔会議です」


してやったり、みたいな顔。確かに『魔界会議』を縮めて呼びやすいな……魔会議


「そっか、じゃあ三人だけで会議始めるか」


魔会議の事は臆面にも出さないけどね


「うん」

「はい」


今回のメンバーは俺、エレス、アスタノトだけか……うん、何しよ


「とは言っても、何も議題がない上にこの書類の量だ。どうするよ?」


自分の目の前を差す、つかふたりが見えねえ


「う〜ん、私は何も」


「私はありますよ」


「ホントに?言ってみて」


「ふっふっふ、それは……」


『それは?』


いつになく迫力のあるオーラでタメている


「『名前変更』だ♪」


「……ん?」


聞き覚えがない単語だな?


「名前変更?」


「早い話が『空撃隊』という名前を変えましょうよ、って事です」


あー……それはわかるかも。正直ダサイ


「そうだね、マローニのネーミングダサイし」


おっと、エレスが目を輝かせながら賛同してる


「んー、まあ、一応満場一致ってことで」


「やったぁ♪」


「じゃあ早速考えようよ」


眼鏡を掛けて書類に目を通していく


名前はふたりに任せておけばいいだろう


メフィストだと『ザ☆死霊の巣窟』、ベルゼブだと『糸』とか考えそうだもんな。メフィストは名前付けると『ザ☆』をいれて、ベルゼブは……多分『絆』っぽい事言いたかったんだろうけど意味不明になる。確かこの前は『汁』って真顔で言ってたもんな……なんだよ汁って!!アラクネは起きたら聞いてみるけど。案外アラクネはネーミングセンスがあるからな。


なんて、平和な事考えて書類捌いてたら物騒な単語が聴こえてきた


「『生殺し隊』とか?」


「あぁ〜、でももうちょっと捻って『生き地獄隊』なんてどう?」


「あぁ!」


……おや?聞き間違いか?


「ん〜、それならいっそ『蛆掃除』なんて♪」


「『大丈夫、お兄ちゃんに寄ってくる蛆虫は掃除しておいたよ……?』って言ってね♪」


「あははは!」

「うふふふ!」


……ヤンデレな妹に愛される兄、か


そろそろ突っ込みどころか?


コンコン


「どうぞー」


会話に夢中になってるふたりを余所に返事する。誰だろうか?


カチャ


「し、失礼します……」


「おう、バルチスか。何だ?」


何か窶れたか?


「何だ?じゃないですよ!!危ないんですよ!?手伝ってくださいよ!!」


「落ち着け、順を追って話せ」


興奮気味のバルチスを宥める


「簡単に説明しますね。どうせ長いと聞いてもらえなさそうなので」


「まあな」


「それで、わけのわからない悪魔達がうろついているんです」


「……は?なんでそれを先に言わないんだ!」


よくある逆ギレだよね、実際そんな慌ててないよ俺


「言おうとしましたよ!」


「まあわかった。それで…」


「アルフォートさんに付いてきてほしいんです」


……?


「なんだって?」


「アルフォートさんが居ればなんとかなります」


「ん?そうか、じゃあ今…」


「了解した」


いつの間にか小柄で中性的な顔をした、銀髪の少年が隣に居た。というかアルフォートだ


「早いな……」


「近頃主は我を呼ばないのでな。勝手に外に出た癖なのだ。バルチス、早く行くぞ」


「あ、うん」


「ちょっと待てバルチス」


「はい?」


「参考までに今、頭に浮かんだチームの名前は?因みにカッコイイのな」


「チーム……ですか?『セイクリッドブレイブ』とか?」


「ああ……そう、そういうのがいいんだよなぁ……」


ちらっと後ろのふたりを見遣る


「主、もう良いのか?」


「ああ。じゃあ頑張れよ」


「承知」


「はい!」


カチャ


さて、どんな名前が出たのか


「名前、決まった?」


「う〜ん、二つまではしぼれたんだけど悩み中」


「何と何?」


「『悪魔戦隊』と『みなぎる力溢れる隊☆』ですよ」


「却下」


『ええ!?』


「名乗れないよ俺」


「いい名前だと思ったんだけどな……」


「ね〜」


ネーミングセンスの問題か?悪魔が全員こうってわけないよな?


「はぁ……なんかカッコイイチーム名ないもんかね……」


「『アークテスタメント』」


「ん?」


なんか後ろの方から声が聞こえたぞ


「なんて、どう?」


ベッドの上でアラクネがニコニコしていた


「『アークテスタメント……『一人の誓い』、か」


「アーク…テスタメント?うん、いいね」


「響きがカッコイイ……」


ふたりともビックリしてるな。それにしても……


「いつから起きてたんだ?」


「んー、いい名前がないって当たりかな。ふわぁ……」


寝起きであんな名前よく考えつくな。『アークテスタメント』ね……


「じゃあ決まりでいいか?」


「今度からは『空撃部隊』あらため」


「『アークテスタメント』ですね♪」


やれやれ、名前は決まったけど、まだ俺の仕事は山積みだよ


「あっ、もう正式に名前変更でいいよね?」


「うん」


早速次の書類には『アークテスタメント』と書き込みか。カッコイイなおい!






―――

―――


「よかったのかバルチス」


「え、何が?」


「これから戦う相手は並の悪魔ではないだろう。主の力を…」


「フォートが居てくれるし、よっぽど強い『魔王』じゃなきゃなんとか勝てるよ」


「……ふっ、杞憂だったか?」


「僕は、彼女の為に強くなったんだからね。それぐらい当然さ。だから……待っててくれアラクネ」

デ「HAPPY BIRTHDAY!」


エ「何がですか?」


ゼ「誰か誕生日だっけ?」


デ「俺こと作者が。つか昨日。すっかり忘れてた」


ゼ「お前かよ!」


エ「おめでとうございます」


デ「どうも、ありがとうエレスさん」


ゼ「で?」


デ「ふふふ……というわけで、本当は一周年で載せようと思ったんですけど、未来を見せましょう」


ゼ・エ「?」


デ「以下ネタバレ注意です」









―――

――



「はぁ……くっ……」


「はっ……どうした?息が、上がっているぞ」


「ふんっ、お互い様だろ?」


自分で言うのもなんだが、お互いに限界であるのはわかってる


俺もあいつもこの空間も、後一撃が限度だろう……


「……まさか、ここまで追い詰められるとはな」


長考が終わったかのように一言呟くと、空中で剣を構えた


俺も、左手に剣を構える


この一撃で終わる……


そう直感した


「俺と『お前』の使命だからな。いや、意地って言ったらいいか」


「俺と貴様の意地だと?」


「『好き』を好きに、『愛』を愛して、『喜び』を喜ぶ。同じ人を好きになり、同じひとを大切に思うから、俺達は今こうしているんだ」


全ての迷いを振り払い、一対の『翅』を広げる


今も昔も織り込んで、『俺』の全てを……なにもかもぶつける!!


「『好き』か……もう一度、家族全員で笑いたかった……」


一際あいつの『翅』が大きく、輝きを増した


あいつも迷いを振り切ったってことか……


「決着をつけようぜ」

「終焉にしようか」


「だが勝つのは……」

「もちろん勝者は……」


『俺だ!!』


白と黒、善と悪、光と闇、正と負、陽と陰……斬り崩す『混沌』と斬り上げる『混沌』


大して速くもない速度で一直線に翔ぶ


エレス……カナ……皆……


「『魔天煉帝剣』!!」


「『天魔終焉刀エンデモニック・ソウルコスト』!!」


「はあぁぁぁぁ!!」

「だあぁぁぁぁ!!」

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