11/11
エピローグ
(13年前、最初のオープン日の一週間前)
レイとラズは、レストランの開店準備を進めていた。
「ねぇラズ。二人が歳をとって、もし先に僕が君の前からいなくなったら、どうする?」
レイは冗談めかしてラズに尋ねた。
「やめてよ、レイ。あなたがいなくなる想像なんて、できるわけないじゃない。
でも、そうなったら……レストランは閉めちゃうかもね?」
ラズは、笑いながら、軽口で返した。
「ははっ、二人でせっかく作ったんだから、簡単に閉めないでよ。」
レイも、本心じゃないラズの言葉を聞き流した。
「そうだ、その時は、僕はこの席の木漏れ日になって、光としてずっと君を見守ることにする。
僕の名前の通りにね。」
ラズは少し不思議な顔をしながら、レイのどこか真剣な眼差しを受け止めた。
「そうしたら、君はこの店続けるしかなくなるだろ?」
レイの言葉に、ラズは胸が熱くなるのを感じた。
そのとき、頬を伝った涙の意味は、まだわからなかった。
ラズは、準備に戻ったレイの横顔を、ただ目に焼き付けるように見つめていた。
P.S.
すべてのシャルル クレアな恋人たちへ
Fin.(一緒)
第2部
シャルル ラポーレ ラズ ― 幸せの証明 ―
掲載中




