夫がベビーシッターと不倫して警察沙汰になった話
私達夫婦のオープンマリッジや、ベビーシッターを四六時中雇うという生活は、一見、優雅に見えるが、その裏では、生優しいことばかりではなかった。
夫が雇ったベビーシッターの女性を、愛人にしたとき、私の生活は一気に崩れた。
後になって、彼女がいくつもの嘘を重ねていたことを知る。
年齢を2歳逆サバ読みし、「20歳」と言っていたが、本当は高校卒業したての18歳。
母親と不仲で、行く場所がなく、誰にも頼れないという話も嘘だった。
実際には、母親と頻繁に連絡を取り合い、会って近況報告までしていた。
その事実を、私は彼女の母親本人から直接知らされることになる。
彼女は、仕事で忙しい夫に家事や雑用を押しつけ、生活の面倒を見させていた。
私は限界だった。
これ以上この人を家に置いておくのは無理だと、はっきり伝えた。
その瞬間、夫は彼女の「追い出されたら死ぬ」という言葉を信じ、
私ではなく、彼女を選んだ。
話し合いの席で、夫は私にこう言った。
「彼女は生活全般はできないけど、息子の対応は上手だ。
君は生活全般はできるけど、子育てが下手だ。」
その言葉で、私は人間としての価値を否定された気がした。
母親として失格だと、夫に宣告されたのだ。
こうして私は、家から追い出された。
数ヶ月、私は別宅に引きこもり、息子を夫と彼女に任せた。
罪悪感と無力感で、毎日が地獄だった。
それでも、「夫が選んだのなら仕方ない」と、自分に言い聞かせていた。
だが、息子の口から聞いた一言で、すべてが崩れた。
「夜、二人が喧嘩してて、うるさい。」
私は背筋が凍った。
危険だと直感し、慌てて息子を引き取った。
その後、久しぶりに元の家の郵便受けを確認しに行った。
すると、家の周囲に、窓から投げ落とされた私のコレクションが散乱していた。
壊れ、割れ、踏みつけられていた。
恐る恐る家の中に入った私は、言葉を失った。
壁一面に、赤い文字で殴り書きがされていた。
「子供を児相に預けてたくせに、今さら母親ヅラするな!
人の金で浮気して、ゴミ女!死ね!!」
私の部屋は徹底的に破壊されていた。
大切にしていたコレクションは無残に壊され、
リビングもキッチンも、彼女の私物とゴミで埋め尽くされ、
家は完全なゴミ屋敷になっていた。
恐怖と怒りで手が震え、私は警察を呼んだ。
これは明らかな器物損害だった。
事情聴取は行われたが、夫は刑事から
「被害届を出すと、彼女が逆恨みする可能性がある」
と説得され、被害届を取り下げた。
守られたのは、私ではなかった。
その後、彼女は「夫にレイプされた」と主張し、
夫の長年のアシスタント女性を巻き込み、
慰謝料1000万円を請求してきた。
「払わなければ、週刊誌に告発する。」
夫は本気で怯えていた。
私は、すべてが茶番のように思えた。
私たちは弁護士に相談し、連絡を断った。
すると彼女は、あっさりと姿を消した。
何よりも私を傷つけたのは、壁に書かれたあの言葉だ。
「児相に預けていたくせに、今さら普通の母親になれると思うな」
そして、あの時、夫が彼女の肩を持ち、
私を切り捨てたという事実。
オープンマリッジには、曖昧さを許さない細かな規則が必要だ。
それを怠れば、弱い立場の人間が壊される。
数年経った今でも、あの時の傷はうずく。
私は今でも問い続けている。
「私の子育ては、本当に間違っていたのだろうか」と。
だが今は、はっきり言える。
子育てが下手だからこそ、児童相談所やベビーシッターなど、
外部の手を借りる選択は、決して間違いではない。
あの時の私は、
生き延びるために、必死だっただけだ。




