20歳の私が風俗で働きはじめた理由
短大2年生で20歳を過ぎた頃、私は風俗嬢をやることにした。
私にはその時、夢があり、大学に編入して臨床心理士になりたかった。
世間から信頼できるような心理資格を取って、心理カウンセラーとして働きたかった。
しかし、学費はどうやって工面すればいいのか、わからなかった。
親には頼れない。
奨学金をさらに借りる選択肢も、私にはなかった。
すでに奨学金で200万円、叔父から200万円を借りているのに、さらに借金を抱えることは怖くてできなかった。
お昼働きながらの選択肢は、考えられなかった。
一人暮らしをしながら学費まで貯めるとなると、いったい何年後に大学に編入するためのお金が貯まるのか、果てしなく遠い夢になると思った。
なので、私は自分の体を売ることと引きかえに、自分の夢を買うしか思いつかなかった。
容姿には自信がなかったので、水商売という選択肢はその時はなかった。
自分の魂までは汚しはしない。
覚悟を決めて、私は、あらゆる風俗店を3年間、転々とした。
最後に行き着いた風俗店は、ソープランドだった。
ソープランドの仕事は、無我夢中になってやり、楽しい瞬間もあった。
しかし、お客さんの中で彼氏ができ、他のお客さんの接客が苦痛になり、辞めた。
私はその時、貯金額が600万円はあったが、約1年間何も仕事をせずに遊びほうけていたら、あっという間になくなってしまった。
その時、23歳。
彼氏とはすでに別れていたが、風俗は世間への後ろめたさが強く苦痛だったので、もう復帰したくなく、次は、日暮里の小さなキャバクラに思い切って面接に行くことにした。
受かる自信は全くなかったが、無事に受かり、水商売の世界で初めて働くことになった。
その時私は、自分の容姿が世間から受け入れられたような気がして、嬉しかった。
水商売でキャバ嬢として働き始めてから、私には何か知恵のようなものがついてきたように感じる。
その知恵が、私が生きる上で、
「このままでは割に合わない」と私に囁くようになっていくのだった。
それとともに、臨床心理士の夢は消えていった。




