「造物主のお遊び」
僕は人形作りの天才。自立して考えて動ける人形を作り出せるのさ。
いろんな人形を作りだしたから、僕の工房は人形まみれ。
でも、1000を超える人形を作ったからかさすがにアイディアが枯渇してきたな。
「というわけで、なにかたまには自分以外が考えたアイディアを試してみようとおもうよーん」
「あなたさまは素晴らしい造物主でございますから、あなたさま以上のアイディアなんてでるはずが――ブグゴハァ!?」
はーい、余計なことを言う不良品は壊しちゃおうねー。
バラバラになった人形を片付けさせて、ほかの人形に意見を出させることにした。
「キャタピラーで動き回ってミサイルをばらまくんですよ、かっこいいに決まってすよ、ゲフゥン!」
「ちょっと少年趣味すぎるかな、却下」
「ゴミや塵を吸う機能をつけらブラックホールマンとか、ガビッ!?」
「誰が掃除ロボのアイディアを出せといった」
「頭が8つあるサメの人形なんていかがで――グベラッ!」
「そんなに頭いるかい??」
……意外と斬新なアイディアは出てこないな。
もしかして、僕が作った人形だから僕の思考から外れられないのだろうか?
まぁいいや、半分ひまつぶしだし、次。
「燃えながら飛び回る人形とかいかがでしょうか」
……ふむ、ある意味、自壊しながら動く人形といったところか。
難易度は相応にありそうだが、実現できれば新たな技術開発ができるかもしれない。
よし、それを採用してみよう。
†
――よし、完成した。
これは自身の周囲に薄い霧状の発火剤をばらまき炎をまとう人形だ。
同時に、自分を難燃性の粘液で守ることで火から自分を守るよーん。
ほかにも発火剤の生成装置や火力を上げるための薬剤まで完備している。
一番の利点は燃やしてできた灰を糧に、それらの薬剤を自己生成する点だな。
ある意味、永久機関に近いともいえるかな?
まぁ、さすがにこれを使うと被害が大きくて、自分たちまで燃えちゃいそうだから、奥深く封印しておこう。
よーし、いい気分転換になった。また明日からなにかつくっていこー、っと。
†
――造物主がどこかへ行ったあと、作成された人形の瞳に光が宿る。