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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

好きな人にストーカーされてます

作者: タケ・タカシ

お味噌汁とご飯、魚に漬物、なんでこんなに日本食って美味しいのかな…

そんなことを考えているとじっ、と俺の体全体を舐めまわすような視線が目の前から刺さる。

三鷹尚くん、大学内のスクールカースト上位にいる男女共にモテる、そんなイケメンで優しい尚くんが俺を見ている。と、いうかここ最近ずっとだ。

こんな根暗で低身長でスクールカースト外のブサ男の何が気になるんだろうと思っていたんだけど、もしかしたら、尚くんはブス専で、俺、が好き、で、そして俺のストーカーなのかもしれない。


理由はちゃんとある。

昨日も道を歩いていたら尚くんがこっちをじーっとこっちを見ながらスマホを向けて多分動画?を撮りながら同じ道を歩いていたし、食事の時も、図書館にいる時だって一緒で、講義の時だって…チラチラとこっちを見てる。

帰り道付けてくる、とかいう事は無いけど、でも、大学では絶対に俺の近くに居て、俺をずっと見ている。

流石にトイレが一緒だった時はびっくりして咄嗟に個室に入ったけど。

でも、そんな事されても全く嫌じゃない、なんなら嬉しい、というか俺も尚くんが、好き、だから早く話しかけて欲しいって思ってるのに、中々話しかけてくれなくて、ずっと俺のストーカーしてるだけ。


とにかく、食べ終わったから行かなきゃ。

かなりの重さがある鞄を肩に回して廊下にでるとまた尚くんが先に出てじっと俺を見てた。

う、嬉しいけど、そんなに見られると恥ずかしい。

バッと後ろを向いて歩き出すと尚くんもまた、歩き出した。

あぁ、また、まただ。

好きな人からストーカーされるのは嬉しい。

この時間がずっと続けばいいのにって思うけど、早く付き合いたいなとも思う。


汗をダラダラ流しながらまだ着いてきているのかな、と思って後ろを向けば、居なかった。

また何処かに隠れているんだろう。

早く、話しかけて欲しいな。


___________________


ど、どうしよ、鞄の中に入ってた大事な大事な物が無くなってる!

あ、あれが無いと俺、息、できないのに。なんで、?

無くしたことによる焦りと何処に落ちたかの心配をしていれば後ろから誰かの手が肩に乗せられた。


「……ねぇ、これ、君のだよね」

「えっ、、」


後ろを向けば全身を舐め回すような目で此方を見る尚くんが俺の『大事な物』を差し出していた。


「え、う、、う、う、うん、」

「…これさ、」

「あ、えっと、あ、!ご、ごめん、もう行かなきゃ」

「えっ?」


突然話しかけられた事による驚きで腰を抜かしそうになりながら大事な物を受け取って走った。

あぁ、やばい、初めて話した。

初めて話しかけてくれた、やっと、ストーカーを辞めて俺と、付き合ってくれるのかな。

そうなったらどうしよう、俺、え、エッチな事とかやっぱりするのかな、胸から飛び出そうなぐらい鼓動が早い。


早く家に帰ろう



_____________________






「おーい!尚!」

「……………………あ、あぁ、洋介か」

「?どした」

「いや、なんでも」

「…………またあいつ?」

「………………」

「あのさ、尚の優しいとこ俺好きだけどさ、程々にしろよ」

「うん、だね」

「俺がさ、ガツンと言っちゃおうか?」

「いや、いいよ、なんか逆恨みされたら怖いし」

「そ、?」


「………………ぅ、、わ、、これ、」

「……うわぁ?!!!」

「そ、その手、どした?!??なんでそんなドロっとしたのが、」

「……………………洋介、俺、吐きそう」

「は、早く手、洗いに、!や、やべぇってそれ」


そう言いながら焦った様子の洋介に引っ張られて手洗い場に着くと急いで手をゴシゴシと洗う。

何度も、何度も何度も、手の皮が剥がれるぐらい洗う。


「お、おい、その辺に、」

「………………」

「な、なぁ、」


洋介の呼び止めに答えず、冷たい水で手を洗っているから手が赤いのか擦りすぎて赤くなっているのか分からないぐらいまで洗って、自分の綺麗なハンカチで念入りに拭いてからハンカチを捨てた。


「さっき、」

「お、おう」

「あの人が落とした物を拾って、」

「……それで?」

「…………俺の盗撮写真だったから問いただそうとしたら逃げたんだ」

「……」

「それで、追いかけたくもなくて、」

「………嫌な感触して、手、見るの、嫌で、」





「なぁ、洋介」


「俺、やっぱりストーカーされてたんだよ」


あの時だって、そうだ、あの帰り道後ろから視線を感じたから振り向いたらあの人が居て、鼻息が荒くしながらずっと着いてきたから、何かされた時、言い訳されないように動画を撮った。

俺が何処に行っても後ろから着いてきて、ずっとこっちを見てくるからあまりの気持ち悪さに引いた目で見ていた。

なんでこんなことになったのか。

あの人と面と向かって話したのもさっきが初めてだ。


もう、あの人、いや、


あの気持ちの悪いストーカー、早く消えればいいのに。


__________________













「ど、どうしよ、尚くんと話しちゃった、」


はぁ、はぁ


「初めて、尚くんが話してくれた」


はっ、はあ、はぁ


「なおくん、、なおくん、、」


はぁ、、ぅっ、


「早く会いたいなぁ、俺の、、尚くん♡」


ふぅ、っ……ぅ、あっ!

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