朗読様 ーあるプレイリストについてー
僕があのプレイリストを作ってから何ヶ月もの月日が経った。早く、短い、密度の高い季節であった気がする。僕の生活と共に、あの幸せな時間を閉じ込めたプレイリストが紡がれていった。
もうこれ以上ないと思っていた、僕の幸福の時間が増える時、僕の世界は少し広がる。昨日、あの人に教えてもらった曲が、プレイリストに入った。偶然だった。人から教えてもらった曲なんて、殆ど入っていないのに。そしてまた、僕の生きる時間が少し伸びた。
ーーLife。生命、生活、日常、活力……
僕はいつもプレイリストをかけながら、この季節の終わりを描く。何度も、恐ろしい疑似体験をする。何気ない真昼の烈日の下、追憶とか、走馬灯とか、そんな感じを想う。曲と曲の合間にせせらぐ川の流れが、ふと永遠なんかを想像させる。
ーーImage。肖像、象徴、観念、記憶……
夜が段々と深まる。周りにあるだけの街の明かりは、麻薬のように僕を酔わせる。風が公園の木々を揺らす。ひどく遠くから届くこの光も揺らいでる。僕と一緒に冷たくなってゆく。
ーー真夜中まで、あと一曲なんて……