監視と新しい索敵とダンジョン情報
休息と称して、気ままにルグランの街を過ごしている。
露店を巡り、武器屋武具店、ポーションや調合薬の店、などなど冷やかし歩いた。
途中、治療院に併設した、指圧のコーナーがあり、ウィルが離れて行った。
アケルも最近、指圧に感化されているらしく、私もと、ついて行った。
その後、冒険者の区域を見て周った後、市民区に向かった、エマはパン屋、セラとジェミは洋品店に行きたいと言ってきたからだ。
パン屋では、焼きたてを待って、ごっそり買った、エマはシナモンロールを買いだめしていた。
洋品店で、俺達全員の服を、そろそろ買い替えようと、こちらもごっそり購入する。
そうしているうちに、いつの間にかエマとジェミが居ないことに気が付いた。
「あれ?エマとジェミは?」
「先に帰ると言ってましたわ。
パン屋さんで見た、新作パンを見て閃いたパンを、今から作るそうですわ」
「そっか、魔道オーブンを空間テントにも設置させられたもんな」
「ふふ、そうですわね。
(ありがとう、ジェミ、エマ)」
二人だけになった俺達は、どちらともなく手を繋いで歩いている。
やっぱり仲間の前では恥ずかしいので。
今日のセラは街の女の子の様に、薄青いフワフワのワンピースに白いオーバー、同色のリボンと可愛い超俺好みの恰好だ。
寄り添って二人、本屋を覗いたり、花屋で小さいブーケを買ってセラに渡したり、デートっぽいことを満喫する。
市民区なら、荒っぽい奴も居ないし、デートには持ってこいなのだ。
早いものでもう12月、カフェでミルクティーを二つ買って、ふうふう言いながら、飲んでいる。
煌めく琥珀の様な金の瞳の超絶美少女が、楽しそうにこちらを見ている。
うん、俺も楽しいよ、付けてる奴さえ居なければ。
「セラ…」
「ええ、そろそろ帰りましょうか。
赤ではなく、緑の点なのでしょう?」
「うん、索敵がそう判断してるけど、なんか鬱陶しいよな」
「そうですわね、もしかしたらカーマイン伯爵家の手の者かもしれません」
「ああ、一度誘われて断ったところか、このルグランを治める領主だな。
関わりたくないから帰ろうか」
どちらにしても、そろそろ夕方、帰って美味い夕飯でもたらふく食いたい。
特に何かするでもなく、ただ監視していただけのようだが、はっきり言って感じが悪い。
宿にゆっくり帰り、カフェで買った持ち帰りのケーキをみんなに手渡した。
さて、のんびり過ごして、体調も万全である。
ダンジョン攻略についてそろそろ話を進めよう。
11階層から20階層ボス部屋までの情報を告知する。
では、階段情報だ。
11階層は、幽霊系が出る。
ゴースト、スペクター、レイス、が出るそうだ。
広い広い遮る物のない洞窟に、大量に、わんさか出て来るらしい。
人の怨念や何かでの幽霊の方ではなく、あくまでも、瘴気の生んだ実体の無い?魔物だという。
ミスリル武器や聖魔法、光魔法が有効だそうだ、倒すと魔石ではなく、アクアマリンを落とすという。
12階層は、街になっていて、街の中にスケルトンが無造作に出て来るらしい。
群れで襲われると、これまたやっかいかもしれない。
カーネリアンを落とすという。
13階層は、石畳と石壁の通路で、ゾンビが出てくる。
耐毒や耐病が必要かもしれない。
火魔法や聖魔法が有効で、倒すと紫水晶を落とすという。
14階層は、夜の森になっていて、デュラハンが出る。
歩兵タイプと首のない馬に乗ったタイプと出てくるらしい。
倒すと、ターコイズを落とす。
15階層はミイラが出る。
全て巨大な石のレンガで出来た部屋や通路で、ミイラは石棺に入っているらしい。
それってピラミッドの内部なの?と突っ込みを入れたい。
倒すとラピスを落とすらしい。
16階層は夜の草原になっていて、バンシーがでる。
幽霊というより邪妖精の類だとおもうのだが、鋭い爪で敵を切り裂くらしい。
倒すとガーネットを落とすという。
17階層は屋敷の内部の様な場所らしい。グールが出る。
こいつはなんでも、一見普通の人間のような姿で出てくるという。
ということは、鑑定必須だ。
倒すとトパーズを落とすという。
18階層は夜の街だ。ヴァンパイアが出る。
こいつにニンニクが効くかは分からないが、十字架は効かないだろう。
倒すとルビーを落とすらしい。
19階層は、ワイトが出る。
場所はまた廃墟だという。
ワイトはネナジードレインというレベルを吸収する能力があると聞いた。
結界があれば大丈夫だと思うのだが、嫌な敵だ。
倒すとシトリンを落とすという
20階層はあのリッチが出て来る。
城内のような場所らしい。
だが、ボスはリッチキングだ。
倒すとエメラルドを落とすらしい。
ボスの宝は不明だ。
うん、11階層から20階層ボス部屋までの敵は、アンデット系なんだな。
で、魔石ではなく、宝石を落とすのか…
正直あまり行きたくないと思ってたら、ウィル他、女子も全員嫌がっている。
そうだよな、嫌だよな。
ミスリルの武器はあるけど、聖魔法や光魔法が使えるのは俺だけだし、火魔法は俺とウィルだけ。
宝石を落とすと言っても、それがどのくらいの品質で、値が付くのか分かんないしな。
ワイトのネナジードレインもやだし、リッチが多数の上、リッチキングとか、超嫌だわ。
もう一つ嫌な理由は、1階層から10階層までは、途中の5階層に、帰り用の転移の魔法陣があったのに、11階層から20階層は、ノンストップで突破しないと、転移で帰れない。
途中離脱したら、また一階層ごと戻って行かないと帰れないし、次回チャレンジする場合、また11階層から始めないとならないのだ、そりゃあ、嫌になるよ。
取り合えず、階層情報を把握したところで、いったん棚上げになった。
俺は此処ルグランにいる合間に、グランツ領の開拓村や、伯爵邸にも、転移で通っている。
開拓村には、冬の必需品、暖かいオーバーや毛布、ショール、など、大量に持って行った。
先日ルグランの街歩きをした時、冒険者区にある古着屋で、大量の冬の衣服を買っておいたのだ。
これを安く販売しようと思う。
販売場所の集会所には、お茶やクッキーや串焼きを大量に配り、食べたり飲んだりお喋りしながら、ゆっくり買い物をして貰っている。
セラの実家のロラン伯爵邸では、馬車の空間カスタマイズを依頼されており、改造したりしていた。
その際、魔力が大量にいるので、代わりに魔石を付けて代用して貰うことにした。
魔石はミノタウロスキングのでっかい魔石を使ったので、広々とした居住空間、風呂付きが出来た。
狸親父とミカエラ様が大喜びしていた。
他にもテントの空間改造も頼まれてて、テント20張り分も作らされた、騎士団用だったので、騎士達に超感謝されまくった。
こちらの魔石は、ミノタウロスやミノタウロス戦士やミノタウロスソーサラーの魔石だ。
これも、普通の魔物の魔石よりも十分デカいので、十分に使える。
伯爵邸で使うと思ったので、大きい魔石を売らずに取っておいたのだ。
ルグランでは、ダンジョンにまだ行かない代わりに、ギルドの練習場で、新しく得た風魔法の練習を、エマ、セラ、ジェミにしてもらってる。早く中級になれるように、頑張ってほしい。
そうすれば、飛行の訓練が出来るので。
俺はというと、転移で2人運べないか、時々試している。
2人運べれば大分楽なんだけどなあ。
後は、ダンジョンへ転移出来るかやってみた。
階層へ転移すると危ないので、隠微で姿を消してから、2階層へ降りる階段の途中の踊り場へ転移出来るかやってみた。
出来た!すごいぞ。
そして、ルグランの街に転移出来るか試したら、出来た!
おお、これなら、アンデッド階層も怖くない?
いや、仲間を、一人づつしか運べないうちは、やめといた方がいいのかな?迷うな。
その代わり俺は、面白いことが出来るようになった。
それは、索敵の点に、マークを付け、名前も付けられるようになったのだ。
例えば、索敵を開始して、後を付けている奴がいるとする、それが敵認定の赤い点でも、敵ではない緑の点でも、どちらでもいい、その点に、例えば、≪追跡者≫とか、名前を付けられるようになった。
一度付けてしまえば、どこで会っても、あの時の追跡者だと分かるのだ。
一応、仲間達の点に、それぞれの名前を付けてマークしておいた。
これって識別だよな。
それでだ、俺を付けてる奴は3人居た、名前を付けて、こちらも監視している。
その点は、ル1、ル2、ル3、と名付けた、それらは貴族区に入って行ったので、セラの言う通り、ルグランの領主、カーマイン伯爵家の者なんだろうと思う。
何の目的かは分からないが、金カードになった冒険者を、隙あらば囲い込みたいのだろうなあ、面倒くさい。
俺はもっと力があった方がいいだろうなあ。
セラ達にも、力を付けてやりたいし、自身でも頑張ってほしい。
全員が金カードを、やはり目指した方がいいと思う。
それには、嫌だけどアンデッド階層に挑戦してみるか!




