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前世と前前世と今世の俺

3人の世代の記憶が融合…

全部自分なので大丈夫でしょう^^;

そう、俺は前世賢者だった。


そしてついでに前前世も思い出した。

地球で日本の大学生だった。


地球では勉学に励むも志し半ばで早世。

賢者の時代も、その余りある能力を乞われてひたすら大陸の国々に尽力した。

結果早世した…


いや、ひどくね。

長生きさせてくれよ。

今世は好き勝手に生きていくわ!



前前世日本人、川村正志

前世賢者、ユリウス・グランハイム伯爵

今世、平民アロイス


平民上等! (しがらみ)がない方がいい。



さて長々自己紹介したが、こんなところでぐずぐずしてらんない。

今の体だと魔力もわずかだから、使える魔法も制限があるだろうし…

どうしたもんか、


よし!


『異空間収納、開示』


うっ、またごっそり魔力が持ってかれた。

ごっそりと言っても、後から知ったが収納の消費魔力は1だ。

だが今の俺には魔力1でも消費はキツイ。


でもなんとか開いてくれてよかった。

そして助かった。

前世の記憶と能力の引継ぎがあるのなら、収納品も引き継いでるんじゃないかという思惑はラッキーなことに当たってくれた。


収納品目を見ていく。

食べ物と言いたいところだがそれよりも先に目当ての物を探っていった。

あった!

【隠れ家】

タッチすると小屋の様な小さなサイズの家が出現した。

これは大きくはないが、中を魔力の量によって空間を広くカスタマイズ出来る代物だ。

更にいいのが、隠微が付与されていて任意で隠すことが可能な上、魔獣除けの魔石符と結界の魔石符が嵌め込まれているので安心で安全な超便利品なのだ。

ありがたい、これでしばらくゆっくり休もう。




・・・・・・・・・・・・・・・・・




ユリウスの物だったが収納が引き継がれた時点で持ち主認定され無事家の中に入ることができた。

ちなみに、他の人間は俺が登録しない限り入室は出来ない。


中に入ると魔力が少ないのだろう、最小限の設備だ。

いや、最小限でも、本来は魔力が不足だったと思う。

多分入ってすぐの、ドアの横壁に設置された大きい魔石が、今の俺の魔力では足りない分、補ってくれているはずだ。

早急に、外壁の魔石も含めて魔力充填が出来るようにならないと…


キッチン、風呂、トイレ、奥の部屋に寝台がある。

うん、これだけでも充分だし、思ったより中は広い。

下手したら俺の実家よりも広くて清潔で快適である。


キッチンにあるテーブルに、収納していたシチューの鍋を出した。

時間停止なので百年前のものにもかかわらず熱々なのが嬉しい。

深皿にいっぱい盛って食べる。

美味い!

気が付いたら鍋の中が空っぽになっていた。


ありがとうユリウス。ありがとう前世の俺。

そう言えば、言葉遣いが微妙に変化してるな自分。

(僕)から(俺)に変わってるな。

まあ、早世したとはいえ、大人の前世が二つも記憶にあるから無理ないか。

それを言ったら、性格も微妙に変わったかも…

自信なげで気弱なアロイスが、マイペースで恐いものなしの俺になっとるし。


それは、力のあるユリウスと、身分のない平等な世界で育った正志の記憶が混じり合ったのかもしれない。


腹ごしらえを終えた後、収納内からポーションを出し怪我を完全に回復させた。

風呂に入る為だ。

風呂用の魔石を使って湯をため、ゆっくり浸かった。


いちいち感動するが、風呂は良い!

日本人だった前前世の自分が吠えている。

熱い湯に四肢を伸ばすとじんわり疲労が解けていく。

はあ、やっぱこれだよな。

てか、アロイス風呂に入るの初めてじゃね。

水を絞った布で体を拭く。井戸水を被る、川に入る、そんな記憶しかない。



そうかアロイス、今世は快適に過ごそうな。

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