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転生したら天使のように優しい令嬢になったけどごめんなさいそんなに性格良くないので期待しないでください  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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属性が違う

気がつけばすっかり夏の気配が濃くなっていて、夏休みも近い。今日は空き時間が長く、久しぶりに一人で図書館で過ごしている。文明社会の記憶をきちんとメモに書き出してまとめ、この浮ついた世界を壊すことのないものを考えてみたい。ウイリアムと話せば、きっと開発できるかどうかとか有意義な会話ができると思うけど・・


ひと通り書き出して、それ以上スムーズにアイテムを思い出せなくなったから、今度は可愛らしさと優しさの伸ばし方と、意地悪の減らし方を書き出してみる。


(可愛らしさ)

 顔、性格、しぐさ。もう思い浮かばない。大体、人によって可愛いと感じる部分は違うよね?

 上目使いで見上げたって、可愛いと思ってくれる人もいれば、あざといと判断する人もいるだろう

 鼻に指を突っ込んでも可愛いと思ってくれる人、いるのかしら・・


(優しさ)

 優しいって思うこと・・ジュードの優しさとテオの優しさも違うのよね。

 私の優しさってなんだろう?


(意地悪の減らし方)


 意地悪かもしれないと思ったらやめておくぐらいしか思い浮かばないわ。心で黒いことを考えるのは、この世界でも変わっていないもの精神的に物足りないと意地悪したくなるのかしら?


 難しいなあ・・と考えることに疲れてきたから、立ち上がり窓を開けて初夏の風を入れる。座り直して改めて考えようとしていると、ふわっと背中に気配を感じた。


 これはきっとテオ。


「可愛らしさ、優しさ、意地悪の減らし方・・?」

「うん」見上げるとやっぱりテオで


「どれもこれも大したことなくて、改善策を考えてるの。テオみたいに飛び抜けてる長所がないのよね」

「僕の飛び抜けてる長所って何?」

「顔と剣術は飛び抜けてるでしょう?」

「顔については周りの判断に頼るけど、剣術はそうだね」

「私にはそういうのが無い。せめて性格だけでもも思ったのにそれもなんだかなあって感じ」


 世間話のつもりで話していたけれど、テオに後ろから抱きしめられた。


「ん?」

「アリスは僕の顔、好き?」

「ふふっ」

「ちゃんと答えてみようか」

「好きよ。笑ってる顔も、真剣な顔も、悪いこと考えてるときの顔も、怒ってる顔はあまり見たくないけど好きだし、困っているときの顔も好き」

「・・・」

「テオが歳を重ねてシワが増えてもすごく素敵だろうし、なんなら禿げてもかっこいいと思うわ」

「・・・」

「中身も優しくて強いから、きっと素敵なおじいちゃんになると思う」


「アリス・・それ・・」


「うん?」妙に掠れた声なので不思議に思ってテオの顔を見ようとしたら、頭をがっちり固定されて頬と頬をくっつけられた。


「なに?」

「いや、なんでもない」


 言いながら私の頬にすりすりと頬を寄せてくる。その頬が私の頬の温度より高くて温かい。


「テオがウイリアムみたいになってる」そう言って笑うと「ウイリアムの気持ち、よくわかるんだよね」と言うので


「お手」と手を出してみたら、私を固めていた腕を離して、私の手にテオの大きな手を重ねてぎゅっと指と指を絡ませてきた。


「犬ならこんなことしないわ」

「犬じゃないからね」


 絡まった手からテオの顔に目を移すと、片方の眉をあげて「犬になってほしい?」となんだか色香を漂わせて訊かれる。


「犬になるってなんなの?」

「そりゃ上にのしかかって顔中舐めて」

「ストップ!テオが言うとなんかおかしい」

「想像した?」

「してない!」


「お散歩連れて行ってくれる?ご主人様」

「行きません!」


「僕に首輪つけてみる?」

「つ、つけません!」


「今ちょっと想像した?」

「し、してない」

「したな」

「・・・」頭にくる浮かんだイメージを必死に掻き消す。犬耳生えてるイメージだなんて言えない。首輪は赤くて無駄にセクシーで自分の頭を疑ってしまう。


「アリスはお爺さんになった僕の側にいてね。きっと可愛いお婆ちゃんになるから」

「外見は無理でもせめて中身は可愛いお婆ちゃんになっていたいんだけどなあ」

「大丈夫、僕の側にいたら中身も可愛いお婆ちゃんになるから」

「なにその自信」

「楽しく笑ってアリスらしくいればいいだけだよ、簡単だろう?」

「・・すごく簡単なことのように聞こえた」


 満足げに笑うテオを見て、悩むのが馬鹿馬鹿しくなる。ふっと体の力を抜いたとき


「意地悪なアリスも好きだよ」


 耳に息がかかるように囁かれる


「っ!」耳元で好きって言うのはやめて欲しい。心臓に悪いから。


「アリスは耳が弱いよね」笑いながらまた耳元で囁くので、手でぎゅっと耳を覆って隠した。


「今度耳に囁いたらペナルティね」

「なにそれ」

「テオとは口きかない」


 ああ・・こういうところが意地悪なのか。自分で気がついて嫌になる。


「アリスのそういうところ、好きだよ」やめて、トゥンクってなるじゃない。


「意地悪で嫌になるわ」

「本当に口をきかれないと困るけど、僕には最高に可愛い意地悪だよ」そう言って優雅にふわりとわらうけれど、テオの手は私の手を耳から剥がしにかかっている。


「テ、テオも意地悪」

「僕のこういう意地悪は嫌い?」


 嫌いじゃないから困ってる


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