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転生したら天使のように優しい令嬢になったけどごめんなさいそんなに性格良くないので期待しないでください  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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仮面ティーパーティ

次はジュードだ。


ジュードへの先入観を取り除いて、良いところを書き出す。ジュードへの先入観・・「私が大好きだった人」「助けてくれた人」「私との婚約を破棄しない人」「お互いに知りたいと思ってる人」「強くなろうと約束した人」「スキンシップが多い人」「頬を触ってくる人」


この中に先入観ある?大好きだったっていうのだけ記憶がないからわからないけど、後は全て現実にあったこと。じゃあ内面は?「優しい」「嫉妬深いかも」「強くなろうと努力している」

・・どうしよう、婚約してるのにジュードのこと全然見てない。以前の私はジュードのどこを好きだったんだろう?記憶を無くしたからって、あまりにもジュードに関心が無い自分に驚く。

よし!ちょっと好きを意識して動いてみよう。


「ジュード!今日二人でランチ食べよう?」朝、教室に向かうときに一緒になり誘った。


「ねえ、ジュードはどうして私と婚約していたいの?」

「は?」

「私と婚約破棄しない利点なんてある?」

「は?」

「あ、しまった。いつもと同じになった」

「は?」

「えーっと・・ジュードは私のこと好き?」一応上目遣いは意識した。


「え」ジュードの頬に赤みがさしてる。


「記憶を無くす前の私はジュードのことが大好きで追いかけ回してたんでしょ?」

「う、うん」

「ジュードは私のことを好きだった?」

「う、うん」

「そんなに追いかけ回されて嫌じゃなかった?私がしつこいから仕方なく婚約してくれたのかな?」

「そっ・・んなことない」

「私達、キスしたことあるんでしょ?」

「!!」もはやジュードの顔が耳まで真っ赤だ。


「ねえ、ジュードは私と同じぐらい私を好きでいてくれたのかな?」

「う・・」


畳み掛けるように質問したから、今度はジュードが答えてくれるのを待つ。


「正直、今ほどアリスのことが好きだったとは言えない」

「うん」今は結構好きってことよね


「アリスはいつも僕のそばにいたから、それが当たり前だと思ってた」

「うんうん」

「自分からアリスのそばにいようと動いたことはなかったかもしれない」

「うん」

「アリスが僕のことを忘れて、僕から離れて行ってしまうかもしれないと思ったら怖くなった」

「うん」

「今のアリスは僕を追いかけたりしないからたまに寂しく思うけど、前よりずっとアリスのことが大事で・・」

「うん」

「好きだ」ジュードの黒い瞳から照れが消えて強く私を見る。

「ありがとう」


□  □


(テオ)

 アリスが僕に余裕の微笑みをむけるようになった。アリスをからかうのが楽しかったのに、少し近づいて肌に触れても「ふふっ」余裕で笑うのだ。焦ったりジタバタしたり、赤くなったり、怒ったりするのがたまらなく可愛いのに。あのマスクのせいで。


 どうすれば僕からあの呪いのマスクのイメージが消えるのか考えた。時々あれを着けてアリスの前に行く?って考えたけど、さらに滑稽になる気がしてならない。ならばと今日は作戦決行の日だ。アリスをサロンに誘う。


「テオ、話ってなに?」

「先にお茶にしようか」

「あ、うん」お茶を二人でいくつか用意する。


「他にも誰か来るの?」

「何人か来るよ」


 コンコン


 わざわざドアを開けに行く。ドアをあけると呪いのマスクを着けたアーサーらしき人物が入って来た。


「ええっ!?」


 視界が悪いであろうアーサーの腕を掴んで椅子まで誘導して座らせる。


「もしかして・・お兄様?」

「そうだよ」返事と同時にまたノックの音。


 開けると今度はできるだけブサイクな顔を描いたマスク姿のウイリアム、たぶん。席に誘導しながらアリスを見ると大きな目を開いて固まっている。


「だ、だれ?」

「当ててみて」

「この髪はウイリアム?」

「当たり」


「この前、アリスもマスクを着けるって言ってたのに着けてないね」

「あ。で、でも今日は持ってきてないわ」

「ちゃんと用意してきた」と手渡す。アリスのはできるだけ呪いのマスクと同じものを作ってもらった。シャーロットに。


 コンコン


 また開けるとマスクをしてないシャーロットが入ってきた。


「ごきげんよう」我が妹ながら優雅な微笑みをたたえている。


「シャーロット!まさかこのマスク作ったの?」

「ええ。面白そうだったから」

「うう」

「私の分も作ってきたの。一緒に着けましょう?」

「うう」


 僕以外のみんながマスクを着けた。シャーロットのだけ生地がサテンでキラキラしている。呪いのマスクなのに。


「さあ、この画を脳裏に焼き付けて、アリス。僕はこの前着けたから今日は遠慮しておくよ」


「お兄様やウイリアムはともかく、シャーロットまで・・」


「すごい状況だね」

「このマスク着けてるとお茶を飲みにくいね」

「こんな滑稽なものを着けてもいかに優雅でいられるか修業している気分だわ」

「あ、少しマスクを持ち上げるとお茶を飲めるよ」

「お前、鋼のメンタルだな」

「あら、ウイリアム上手ね。私のマスクは持ち上げなくても飲めるわ」

「どうして俺のもそういうふうに作らなかったんだ」

「だってお兄様ができるだけ滑稽にって」

「滑稽さで言ったらウイリアムのが一番だろ?」

「冷静に見て、アーサーが一番ね」

「う、うそだ」

「顔が描いてあるウイリアムのほうはもうそういう人物に見えるの」

「あ、クッキーも食べられるよ」

「俺、ウイリアムの凄さを知った」

「私はアーサーの面白さを知ったわ。何その顔」

「その顔って、マスクだろ?!」

「もう、アーサーが今後マスクの人にしか見えないかもしれない」


「くっ」黙って聞いていたアリスが崩壊した。


「アリスが壊れたわ」

「そんな笑う?」

「すごい苦しそう」


「みんな外していいよ」声をかけるとウイリアム以外はみんな外す。アリスは笑いながらむしり取っていた。


「どう?アリス。まだ僕を見てもマスク姿が思い浮かぶ?」

「テオ」困ったように眉を下げて僕を見る。


「うん、もう浮かばないよね」

「せっかく封印したのに」

「封印されたくないから」


 もそもそとマスク越しにクッキーを食べ続けるウイリアムを全員で眺めながらお茶をした。


□  □  □


なんてこと!テオのほうが1枚も2枚も上手だった。呪われたティータイムの映像がテオのマスク姿を上書きしてしまった。


そりゃあテオの顔を見るたび笑うより、綺麗な顔を見るほうがいいかもしれないけど!


何よ・・ちょっとムカつくわ。



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