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転生したら天使のように優しい令嬢になったけどごめんなさいそんなに性格良くないので期待しないでください  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


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俺を見るな

(テオ)


雪が溶け、長い冬が終わると学園の冬休みも終わる。今日から学年ラストの学期だ。この休みの間、どうやってアリスで遊ぶか考えていた。

僕はアーサーが好きなのだから、アリスを好きなふりをして周りがそれを疑うことをそらさなくてはならないわけだ。でも、アリスには僕がアーサーを好きだと思われていたほうが面白いわけだ。


・・・なるほど。



(アーサー)


 まだ寒くて息が白くなる朝、馬車を降りたらテオがいた。


「おはよう」朝から麗しいな、おい

「お前、なんでいるわけ?」

「会いたかったから」


 そう満面の笑みで答える。俺に向かって。


「っ!」アリスが俺の横で息を飲んだ。


 なんだこれ?と不思議に思いつつ、テオがアリスの教室まで送るのだろうと思い、俺は1人で自分の教室に行こうとしたら、アリスに「お兄様も一緒に来て」と言われる。


 なぜだ。


 可愛い妹のためだ。理由はわからないがテオがアリスをエスコートするのを後ろから眺めながらついていく。アリスはテオに懐いていたけど、最近のことはよくわからない。

 教室の前でアリスと分かれ、しばらく進んだところでテオが「後ろ振り返ってアリスが見てるか確認してくれ」と言うから振り返ってみると、アリスが教室にも入らずこちらを見ていた。思わず手を振ってからテオに「見てた」と伝える。


「そっか」とニヤニヤ笑うので「一体なんなの?」と呆れていたら「アリスが可愛くて」と角を曲がったところで立ち止まり、廊下の壁に手をついて震えている。


 その様子を周りにいる令嬢が心配そうに眺めている中、「置いてくぞ」と声をかけると、真っ赤な顔をして口元を押さえながらついてきた。なんでそんなに色気が溢れてるんだ?


「お前楽しそうだな。アリスに構うのは自由だけど、傷つけたりしたら許さないから」

「わかってるよ」

「わかってるならいいけど」

「あ、今日の昼はアリスとイレーヌ嬢とお前の4人で食べようよ」

「いいけど、何その人選」

「イレーヌ嬢のこと気になってるんじゃないのか?」

「相手にされてないけどな」

「へえ?」


 周りの令嬢でテオに落とせない子なんてほぼいない。イレーヌとテレサぐらいだ。この二人とは仲良くしているが、それだけだ。


(アリス)


 並んで歩くお兄様とテオ、テオの方が少し背が高い。お似合いなんだけどな。


 教室に入ってしばらくするとジュードが来た。ジュードに会うのは誕生日以来だ。ジュードに会いたくて冬休みが辛かった・・なんていうこともなく。ひたすら本を読んで、この世界を1人で生きていくなら何をすればいいのか考えていたら冬休みが終わった。


 ジュードにランチを誘われたけれど、テオとお兄様と約束したと話す。「アーサーも?珍しいね」テオだけなら怒るだろう場面で、お兄様効果で怒られずに済んだ。

 食堂で待ち合わせしていたので、入口近くで待機していたら、テオが来て隣に並び私の顔を覗き込んでくる。


「なに?」

「アリスが可愛いなあ」とクスクス笑いながら楽しそう。

「なんか犬とか猫とかに言う感じだね」

「あはは」


 否定しないのは事実だからか。お兄様とイレーヌ様も到着し、食堂の中心に座る。おかげで周りからちらちらと視線が飛んでくる。私の隣にテオ、私の前にイレーヌ様、アーサー兄様の前にテオが座る。イレーヌ様は今日も神々しい。イレーヌ様と仲良さげなお兄様を見て、辛くはないのかしら?テオは。テオの顔を見ると、アーサーを見ている。しばらく眺めているとテオが私に気づいて


「何かしてあげたいって思った?」と尋ねてくる。


 何かしてあげたいって思ったっけ?『辛くないのかな?』って『何かしてあげたい』と同じ意味になるのかな。辛くないのかな→辛かったら可哀想→可哀想だから何かしてあげたい。

 うわっ!同じ意味になるのかもしれない。


「おもった・・かもしれない」

「アリスは優しいね。何してもらおうかな。でも誰かを好きでいることは例え報われなくても『可哀想』じゃないと思うよ」


「うん」

「よしよし。いいこいいこ」


周りから悲鳴が上がる。恐る恐る見てみると、ショックを受けている様子の令嬢よりも、うっとり眺めている令嬢のほうが多い気がした。


(アーサー)


こいつ、またいる。


「おはよう」

「朝からご苦労さま」

「会いたかったから」


だからなんで俺にそんな麗しい笑顔で言うんだ。昨日のランチのときもやたら潤んだ目で俺を見てきた。無駄に色気をばらまくな。妙にクラクラするじゃないか。お前のフェロモンどうなってるんだ。


「おはよう」ジュードがアリスのそばにやってきた。

「恋敵、おはよう」ジュードへの挨拶がそれか。

「今日はジュードに譲って、僕はアーサーと行くよ」そう言って俺の肩を抱いて有無を言わさず連れて行く。


「お前がわからない」

「そう?アリスはまだこっち見てる?」

「見てる。あ、ジュードに引っ張って行かれた」

「ふうん」


(アリス)


あ、テオがお兄様に肩を回した。意外と普通なのね。お兄様が振り返るから手を振っていると、その手を横からつかんでジュードが私を引っ張る。「どうしたの?」と尋ねると「もう行こうよ」と教室までずっと手を繋いで歩いた。


(アーサー)


「今朝は・・・いないな」

「いないと寂しいですか?お兄様」

「・・寂しい?・・いや別に。アリスは寂しいのか?」

「お兄様とテオはお似合いなので並んでいるところを見れないのは寂しいです」

「お似合いってなんだよ」

「男性同士が恋人でも麗しいと思います」

「は?」

「お兄様もテオもものすごくかっこいいので」

「褒められるのは嬉しいけど、なんでそんな話になるんだ・・」


教室で座っているとテオがやってきた。


「おはよう」今日はフェロモン普通だな。

「アリスがさあ、『お兄様とテオはお似合いです』とか言ってきたんだけど」

「げほっ」

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