表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら天使のように優しい令嬢になったけどごめんなさいそんなに性格良くないので期待しないでください  作者: ブリージー・ベル (旧・瑚希)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/68

二人のプレゼント

 私とアーサー兄様はあまり似ていない。


 髪の色だって違うし、目の色も薄いブルーの私と蜂蜜色のお兄様。だけど、目の形や顔の形、顔のパーツの配置、雰囲気はよく似ていると言われる。テオとお兄様は昔から仲の良い友達だ。テオがモテるので目立たないけれど、お兄様だってモテる。柔らかい雰囲気に無邪気な性格、優しくて人の話をよく聞いてくれる。

 今日、私とお兄様が並んで座るようにしたけれど、テオは私のほうなんてほとんど見ていない。テオが急に私に好意を向けてきたのは、私が兄様に似ているのと、私を口説いてると周りにアピールすることで隠そうとしているのではないか。お兄様を諦めるためのステップなのではないか。そう推測したけれど、本人に直接尋ねるか迷う。


 私としてはなんの偏見もない。好きになった相手がたまたま同性だっただけとも思うし、同性しか好きになれない志向の人だっている。あおいが生きていた世界では多く目にした志向だ。

 兄が相手なだけに、応援する!とまでは振り切れないけれど、兄もテオが好きだと言うのなら、賛成する。腐女子ではないけれど、美しい二人が愛しあうのは素敵だと思う。我が家の跡取り問題がと言うなら、養子をとる方法だってある。テオが想いを隠して我慢する必要なんてないと思う。でもテオが隠したいなら協力するし、隠れ蓑にだってなる。


 だけど、そもそもアーサー兄様に応える気がないのなら話は終わる。応える気がないとわかるからこそテオも動いたのかもしれない。


 そんなことを考えながらパーティ会場の1番広い客間へ向かう。ルナもトマスもお仕着せではなく、少しだけおしゃれをしているが、お仕着せのほうが楽だとそのままの格好の使用人もいる。

 今日は給仕しなくて良いようにご馳走も全て並べてあるし、足りなければそれぞれ取りに行くスタイルだ。気を遣わなくて良いように、私達家族は早めに退散する。二日酔いになっても良いように、明日は午後までお休み。テオとジュードも今夜は泊まって明日の昼以降に帰る予定だ。テオと話すなら今夜がいいかしら。ジュードやお兄様がいないときにしないと。


 ちらちらとお兄様とテオの動向を探っていたことに気がついたジュードが「どうしてそんなにテオとアーサーを気にしているの?」と尋ねてきた。これは今夜は無理かもしれない。ジュードの監視がついてしまった。皆の酔いが回ってきた頃自室に戻って、もらったプレゼントを開封する。ジュードからは上質な革で作られたペンケースだった。すみに紋章が入っている。


 イーストン公爵家の。


 我が家の紋章じゃないところにジュードの110の重みを感じた。留め金は、繊細な蝶の細工に私とジュードの瞳の色の貴石が埋め込まれていてここでもジュード110の重みを感じる。


 開くと私の名前が刻印されていて、Alice・Eになっている。我が家はノーサンブルク。・・110の重・・


 重みは感じるけれど、好みドンピシャで震えるぐらい気に入ったので、ジュードが泊まる部屋に行きノックする。すぐに開けてくれて、私が胸に大事に抱えてるペンケースを見て

「気に入ってくれた?」

「ものすごく気に入った!」

「良かった!ペンケースならいつも持っててくれるだろうと思って」

「うん!さっそく使うね」


 自室に戻ってから「いつも持っている」かどうかが一番重要だったのだと知り、ペンケースが鉄骨化した。


 テオからのプレゼントも開ける。こちらはまさかのテディベアだった。ふわふわの茶色いクマに、私と同じ薄い青の目が入っていてアーガイルのセーターを着ている。これもまた好みドンピシャだ。セーターにテディベアの形のブローチが付いている。金色をベースに青い目。テオのセンスが光る贈り物も嬉しくて震える。


 テオは部屋にいるだろうか。テディベアを抱えてドアをノックする。夜に婚約者以外の部屋に一人乗り込むのは良くないけれど、できれば話がしたい。そんな風に願いながら待つ。・・・出て来ない。


 これはお兄様の部屋かもしれないと踵を返そうとしたときドアが開いた。

「アリス?」テオと目が合い、急いで逸らす。お風呂上がりのようで髪は濡れ、急いで羽織ったのかシャツの胸元がかなり開いている。色気で目が潰れる危機を感じ、うつむいたまま「これ、ありがとう!すごく気に入ったわ。大事にする」と伝えた。


 どうしよう・・話をしたいけれど、今は無理かもしれない。でも・・


「どうかした?」と尋ねられ「できれば二人きりで話したいんだけど」と言うと、どうぞと招かれる。部屋に入ったはいいけれどテオの髪はまだ濡れているし、シャツだって開いたままだ。

「やっぱり後で来ることにする。髪も乾いてないし」そう言うと

「じゃあ乾かして」とタオルを渡された。


 よし。これは犬だ。大きくて気品漂う犬だ。ボルゾイだ。髪が絡んでしまわないように気をつけながら髪を拭く。すごい、本当にボルゾイに思えてきた。

 だって今、後頭部しか見えていない。チャンス!


「テオの秘密を見つけたわ」

「僕の秘密?なにそれ」

「テオは、アーサー兄様が好き」

「え?」


「アーサー兄様に恋をしてるんでしょ?」

「僕が、アーサーに、恋」

「だから私に好意があるふりをしたの!」

「・・・」


「くっ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ