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29 新たな学園生活

  やはり、レティシアは今回も魔法師学園入学を考え、リーンハルトに相談した。この方法が一番スムーズだ。


 今回は寝坊せず馬車に乗って二人でバートンの元へ適性検査に向かう。それから、詳しく属性についての説明を受けた。


 その後、レティシアは浮かれることなく、家庭教師について貰ってしっかり勉強することにした。入学後のクラス編成の試験に備えて勉強だ。「F」クラス行きは避けたい。


 今回はリーンハルトが助けてくれる。


「姉さん、これを使うといい」

 魔法で使う用語をまとめたノートをくれた。以前は専門用語で苦労したからとても助かる。


「私の為に?」

「いや、俺が以前使っていたものだよ。自分でまとめるのも勉強になるんだ」

 

 正直、彼のアドバイスは助かった。それに彼が随分努力していることを知って驚かされた。


 リーンハルトが協力してくれてたのと前回の貯金のおかげで、レティシアは魔法学園入学時「D」クラスになった。「F」クラス入りはどうにか免れた。



 しかし、「D」クラスにはマリーナ・レミングスがいる。


 なぜ、前回あんなことをしたのか、いつからミザリーと親しくしていたのか聞き出したいが、それが不可能だという事は分かっている。

 いずれにしても彼女がレティシアをよく思っていなかったのは確かだ。


 マリーナは要領がよく、何かと交換条件を付けてくるので、今回は慎重に接しようと思った。もうすでにミザリーとつながっているのかもしれない。間違っても友達になどならない。彼女はきっとレティシアに友情など感じていなかったのだから。


 表面上はにこにこと微笑み、声をかけられれば言葉を交わしつつも、絶対に自分のそばに近づけないように気を配る。これには結構神経を使う。

 

 そう言えば、前回はレティシアの机の中や鞄を彼女が勝手にあさっていたことがあった。問い質すとペンを忘れたから、借りようとしたなどと言っていたが、今思うといろいろとレティシアのことを探り、ミザリーに報告をしていたのかもしれない。


 あの頃は初めての、そしてたった一人の友人が嬉しくて、いろいろ大目に見てしまったが、今回は油断しない。 



 兎に角、もう一度、彼女と親しくする気はない。クラスに二人しかいない貴族の女生徒だからと言って、なにかと一緒にランチを取りたがるが、選択科目の違いから時間がずれるので断っている。属性が違うので、彼女と授業が重なることは少ない。実習が多ければなおさらだ。


 ときどきレティシアが、一人で食べているところにやってきたりもするが、そんな時はさっさと食事を終わらせた。


「レティシア様は私が下位貴族だからつき合いたくないんでしょ」


 などといきなりクラスでわっと泣かれた時はびっくりした。しかし、レティシアは前回のつき合いで彼女の割り切った本性を知っている。そんな事で泣くような娘ではない。

 一体どういうつもりなのだろう。すでに義姉と接触があり、彼女に何か言い含められているのだろうか。


「ごめんなさい。私は勉強が苦手で授業でいっぱいいっぱいだから、今はお友達を作っている余裕がないの」


 そう言って丁寧に断った。さすがに何度も人生を繰り返せば、オロオロせずこれくらいの対応は出来る。やはり金輪際マリーナとは関わり合いになりたくない。

 

 しかし、マリーナは是が非でもレティシアと仲良くなりたいらしい。その強引すぎる行動に不安を覚える。前回はむしろレティシアが彼女に友達になってもらいたがっていたのに。


 きっとレティシアの前回の学園生活はマリーナを通してミザリーに筒抜けだったのだろう。

 ミザリーはレティシアが思っていたよりもずっと狡猾だった。 


 ただマリーナに殺意があって、ミザリーに協力したのかどうか、今となっては、もう分からない。


 そして、前回はミザリーと極力拘わらないためにほとんど家に帰らなかったが、どういうわけだか、会わなくなってもミザリーはレティシアを恨んでいるようなので、無駄なことはやめた。それならば優しい義父母に寂しい思いはさせたくない。


 今では彼らが愛情を持ってレティシアに接してくれていたことが分かっている。本当に彼らは娘として受け入れてくれているのだ。


 前回の行動をなぞるような生活を送れば、また同じことが起こるかもしれない。レティシアは癇癪を抑えて、慎重に行動することにした。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 殺される程ではないけど、少なからず自分の言動に非があったことを認められるようになっていくレティシアの成長が見れて面白いです!
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