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天災 冷酷無残  作者: 蒼蕣
16/28

選択の時(2)

お風呂から上がった二人は早速テレビをつけた。

ー引き続き最新のニュースをお伝えいたします。富士山噴火およびその後の度重なる地震の影響は全国各地で大きな被害を出しています。

多くの企業はすでに休業を余儀なくされており、今現在人の存命に関わる仕事関係者以外は自宅での作業を余儀なくされています。

首都、東京では地震の影響ですでに死者が100名近くに上っています。また負傷者の数もすでに二千人を超えているとの情報です。そのほかの地域でも、建物の倒壊や物が落ちてくる、ガラスが割れるなどで多数の死傷者を出しています。政府はこのまま地震が何度も続けば、いずれ医療崩壊が起きかねない状況であるとしています。そのため、政府は早急にショッピングモールなどの大きな施設に大量の病床を置くことを検討しているとのことです。またアメリカなどの海外からの医療援助を依頼したとのことです。

都心では都知事が倒壊の危険がある建物や地域への避難指示を開始するとのことです。そのほかの各都道府県知事も早急に避難勧告を出す準備を進めているとのことです。

ではここで首都圏の各レポーターに中継を繋ぎます。

まずは新宿駅前の平野さん!ー

テレビの画面が切り替わった。

ーはい。こちら平野です。ご覧ください。いつもなら多くの人が行き交うこの駅前も人はまばらです。どうやら地震の影響で出勤する人が減ったのと、電車の本数を約三分の二に減らしたためと思われます。また、こちらもご覧ください。度重なる地震の影響でこのように街路樹の数本が根元から倒れてしまっています。そのほかにも窓ガラスが割れるなどの被害も多数見受けられます。これから日本はどうなってしまうのかと近隣の人々から不安の声が上がっています。以上新宿駅前からお送りしましたー

ーでは、続いて上野駅前におります篠原さんですー

ーはい。こちら上野駅前の商店街に来ています、篠原です。ご覧ください。こちらは店の窓ガラスが割れて、このように地面に散乱しています。非常に危険です。こちらのお店は休業を余儀なくされました。そのほかのお店も地震がこう立て続けに起こってしまっては店を閉めざるを得ないとしています。中には食器が割れたり、ワインの瓶が棚から落ちるなどの損害が出ています。そのため多くのお店で経営が非常に不安定であるとしています。早急に政府からの資金援助を求めたいとの声が囁かれています。また、こちらのお店では地震対策でしょうか。窓ガラスの縁をガムテープで補強し、その上からこのようなビニールシートをかぶせています。また、先ほど入った情報によりますと、上野駅前のロータリーに大きな亀裂が入り、その付近に停車するはずのタクシーやバスは駅前に停車できないという被害が出ていますー

その瞬間画面が一枚の写真に切り替わった。見ると、地面に大きな亀裂が入っていた。こう見ると、いかに日本が危機的状況に陥っているのかが説明されずとも理解ができた。

ーはい。というわけで全国各地で猛威をふるう地震ですが、現時点ですでに山梨県と長野県、そして静岡県全域に緊急避難警報が出されています。皆様、命を守る行動を取ってください。今言った山梨県、長野県そして静岡県内ではすでに電車や新幹線は全て通常運行から人々を県外に避難するための移動手段として使われる予定です。東京都内ではすでに東北へ向かう新幹線は全て満席であるとしています。また、東京から西へ向かう列車、新幹線は通常の約三分の一の規模で運行しているとの状況です。また、高速道路でも東北方面へ向かう下の道路は5キロにわたる大渋滞を起こしているとのことです。引き続き、最新のニュースをお送りいたしますー

「やばいな。こうなったら、新幹線で関西地方に行くか。それともいっそ成田空港から新千歳まで行っちまうか」

「でも、政府の対応を見るんじゃなかったの?」

「あ、ああ。とりあえず、まだ様子を見よう。きっとまだ間に合う」

湊はそう言うと、隣に座っていた芽衣を自分の方に引き寄せた。

「うわぁ!」

地面が再び揺れた。

テレビ画面も揺れている。

ー地震が再び起きています。命を守る行動を取ってください。た…ー

突然テレビが切れた。

「テレビも…うわぁ!」

「きゃあぁあ!」

今までにないほどの大きな揺れが生じた。

玄関前の靴箱の上に置いてあった花瓶が割れる音がした。

次は水切りで乾かしてあった皿が落ちて割れる音がした。

湊と芽衣は抱きしめあって、地震が収まるのを待った。


数分後、地震が収まり、ゆっくりと目を開けた。

「と、止まった。おい、大丈夫か、芽衣」

「う、うん」

「やべぇな」

目覚めると、そこはまるで泥棒でも入られたかのように物が散乱していた。

「ど、どうしよう。テレビも見れなくなっちゃったし。外出る?」



「いや、今出たら逆に危ないと思う。中にいよう」=このまま『天災・冷酷無残』を読み進めてください。

「そうだな、荷物をまとめよう」=『天災・比翼連理』の第17部分から読んでください。

というわけで、再び読者の皆さんに今後の展開を選んでもらいます。本文でも述べましたが、「避難しない」を選ぶ方は引き続きこの『天災・冷酷無残』を読み進めてください。「避難する」を選ぶ方は『天災・比翼連理』の第17部分から読み進めてください。『天災・比翼連理』の第16部分までは『天災・冷酷無残』と同じです。皆さんの決断がよかったのか、よくなかったのかそれは最後の最後までわかりませんので、それまで楽しんでください。

*この物語はフィクションですので、どちらが正しい選択なのかというのを説いてるのでありません。今回の選択で避難するを選んだとしても実際同じようなことが起きた場合は、その時の状況に応じて臨機応変に対応しなければいけませんので、決して鵜呑みにしないでください。あくまでフィクションとして今後もお付き合いください。

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