ドラゴン狩り
ギルド登録審査は『私のスキルなら強さそのものを調べられますから』ということで書類書くだけで終わった。いいのかこんなんで。
「私は右に見える大岩から、ししょーは左の湖から、他の皆さんはここからまっすぐ進みましょう。来年もドラゴンがたくさん来てくれるように狩りすぎないようにしましょう。以上」
「なんでお前が仕切ってんだよ。アスカさんの仕事だろ」
「なんでアスカはさん付けなのよ。ひょっとしてああいうのが好きなの?」
ムカつくニヤニヤだ。エルフってもっと高尚な生き物なんじゃなかったっけ。もうこいつただのエロくない中学男子じゃねぇか。ん?中学男子の8割はエロさでできているから中学男子じゃないのか。うん、レヴィは中学男子じゃない。
「いいですよ。特に異論はないですし」
アスカさんの優しさがなければ険悪な雰囲気になること必定である。
竜山は登れば上るほど強く価値の高いドラゴンが出る。中腹までは楽に進めたが、ここからは慎重にいかなくてはいけない。緋団はほとんどが異世界人からなるパーティのため普通のパーティよりもはるかに強いが、それでも頂上まで行くのは自殺行為だとされている。
「私たちではここまでが限界です。引き返しましょう」
アスカさんがそう言った時だった。
ドンッ、ドンッという足音と、本能から恐怖を呼び起こす咆哮とともに、大きなドラゴンが出てきた。その身から漏れ出た魔力が迫りくる死をイメージさせる。これに立ち向かうなんて自然災害を相手取るようなものだ。
「逃げられないわ。全員臨戦態勢をとって!大丈夫、こいつ以外のドラゴンはいないわ」
アスカさんの一声で陣形が組まれた。最前列にアスカさん達獣人の剣士が配され、裏にはエルフの回復部隊とアレクさん達の遠距離攻撃スキル部隊がいる。
「いくぞ!」
アレクさんの叫びとともにドラゴンに稲妻が走り、すかさず剣士たちが切っていく。流れるような完璧な連携、だったのだが、ドラゴンには傷一つつかない。
「おりゃっ」
剣士の一人が目を刺すことに成功した。だがそれさえもすぐに回復する。こちらは文字通り命懸けだというのに、ドラゴンからしてみれば遊んでいるだけのようにも見える。
もうダメだ。死ぬ......その絶望は、いともあっさりと崩れ落ちた。
「グアァ」
ドラゴンが悲鳴を上げたかと思うとその翼が切られている。
「グァァァァァ......」
断末魔の叫びは、ほとんど聞こえなかった。レヴィがすぐに首を落としたからだ。
「ごめんね遅れちゃって。大丈夫?」




