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終章:(4)さあ、お話しましょう

■幕間


 最後の守衛は倒された。

 目の前には、植物の根によって形作られた様な、球状の玄室がある。

 その球体こそは、この奈落球の中枢。サクラダ・アウローラの本体であり、聖樹の中枢たるアルシャードが眠る場所のはずである。

 『SHIRANUI』の目的は、そこからサクラダ・アウローラを救い出すこと。世界の犠牲となった少女を、奈落の海から連れ戻すこと。

 その冒険の最後の舞台が、目の前にあった。


GM :今は、その入口は閉ざされている。しかしそれも、魂魄たる覚醒の中のサクラダ・アウローラが命じれば、あるいは真名の枷を盾に開門を命じれば、道は開かれるだろう。

 そしてそれは、今度こそ、この『ウィッチレルム』と『ブルースフィア』を巡る一連の事件の、最後の一幕となるだろう。

 シャードは、キミ達に何も命じない。これはキミ達が選んだクエストだからだ。だから、最後のクエストもまた、キミ達が選び取る必要がある。

 その願い、誓い、己が果たすべき使命を示せば、シャードはキミ達に力を貸すだろう。

洋一 :「これで後はここの奥にいるのをぶっ飛ばして……アウローラをなんかすりゃOK,と」

ほとり:「洋一さんや覚醒さん風に言えば『ハッピーエンド』ですね」

洋一 :「そうそう。そうしよう。もうまっぴらっしょ。やれ運命だのベッドエンドだのなんて、さ」(にへら)

ほとり:くすりと笑って「バッドエンドの間違いですか?」

洋一 :「アルェー?」素で打ち間違った(笑)


 テキストベースのオンラインセッションならではの間違いである。


覚醒 :「んー……そうなるとサトリちゃん的には”終わりじゃなくて、ここから始まる”って言いたいですかねー†」にっこりと笑って。

GM :覚醒のシャードの奥底から、アウラの魂魄が語りかける。「ここにいるのは、ジル・ド・レェの憎悪を核として集まった、この世の”裏切りを嘆く魂”の坩堝、その化身。私がもうちょっと頑張れたなら、彼らを振り払えるくらいに強かったなら、あなたたちにここまでさせる必要はなかったのかもしれない。だから……」

洋一 :「ん、まあタラとかレバーとか無し無し。きっちりぶっ飛ばして、【ハッピーエンドで、皆で帰る】っしょ」これをクエストに宣言する。

ほとり:「ここまで頑張ったんです――もうそれ以外は、イヤですね」

覚醒 :「トモダチに頼るのは悪いことじゃないですよー。サトリちゃん達だって助けてもらいましたし、オアイコです」

GM :アウラ「……そう、あなたたちはずっとそうでした。だから、私も、こう言わせてください。……ありがとう、そして、最後の一押し、どうか、お願いします」

 洋一の示したクエストを契機に、覚醒のシャードの奥で光が煌めき、洋一のシャードから三角形の光が浮かび上がる。

 一角は洋一の胸に。一角はほとりの胸に。そしてもう一角は覚醒の胸に。それぞれ吸い込まれ、キミ達の中に最後の助力を呼び起こす。

 さあ、準備が整ったならば、宣言するといい。道を拓き、中枢への道を進むと。その手段は、キミ達に任せよう。


 ここで、取得する加護は洋一が≪ブラギ≫、ほとりが≪イドゥン≫、覚醒が≪ティール≫を選択した。

 全体的に、防御を意図した構成だ。ここまでで、かなりの防御札を消費したことを補填する意図があるのだろう。


洋一 :それじゃ中枢は……アウローラに開けて貰おうかな。

ほとり:「一緒に行きましょう。アウローラ。あなたと一緒に、帰るために。あなたと一緒に、太陽と海を見るために」

覚醒 :「色んなしがらみを終わらせて、ここから始めましょう!」

洋一 :「んじゃ、頼むっしょアウローラ……この門を、開けてくれ」

GM :アウラ「わかりました」


「……我が棺、呪詛の檻、地獄の凍土の底の底。我帰還せり、その扉を開け」

 覚醒のシャードからこぼれた光が、球殻に吸い込まれる。すると樹木の殻がみきみきと歪み、回廊のような口をぱっくりと開く。

 コキュートスの凍気の中でありながら、這い出した気配はひときわ身を震わせる。

 それは本来は、聖魔女が己を守る結界であったはずであるのに。嫌が応にもその奧にある『もの』が、何かとてつもなく危険な存在であることを、一行に知らしめた。


GM :では、進むと宣言した段階で、クライマックスに移行するよ。

覚醒 :「では、希望の灯りをともしにいくとしましょうか!」

洋一 :「……ああ。月の果てまでぶっ飛ばして!」

ほとり:「そして――みんなで帰る!」

GM :ジュライ・シオノ「おー!」 アウラ「……おー」


 元気よいライムグリーンの魔女と、控えめな聖魔女の魂魄が唱和する。

 ぱっくりと開かれた玄室への扉に、洋一は一歩を踏み出す。

 ――これは、セカイを救うための戦いではない。セカイを守るために、誰かを犠牲にする戦いではない。

 自分たちが歩む未来を、よりよいものに変えていくための。自分たちのエゴを満たすための戦いである。

 願いを果たせなかった者達の、願いを賭けた者達の、積み上がってきたそのエゴと足掻きの果てに、『SHIRANUI』は立っている。

 だから、洋一は嘯く。不安も恐怖も飲み込んで、不敵な笑みと、やり過ぎなくらいに芝居がかった物腰で。

 人の願い、未来を求めるエゴ。あるいはそれは『愛』と呼ばれるものであったかもしれない。

 それを、叩きつける。お前も、お前も、お前にも。この世の全ての嘆く人々に、見せつけてやるのだ。

”お前ら全員、死ぬ程驚け――っしょ”


 ――そして、魔王の棺の、蓋が開く。



■クライマックスフェイズ


 回廊を進み、そして見えてくる、小さな玄室。

 そこにあるのは、大きなシャード。樹霊となって極限まで力を高めた、サクラダ・アウローラの最後のシャードがそこにある。

 その周囲には、奈落の塊であろう、二匹の巨大な蛇が絡みついている。額にそれぞれ人間の男性の顔を浮かべたそれらは、お互いを憎悪するかのように噛みつき、引きちぎりあい、それでもなお、無尽蔵に再生を繰り返す。その無尽蔵の再生は、シャードから供給されるマナによるものに他なるまい。

 そんな地獄絵図を一顧だにせず、茫洋と立ち尽くす人影がある。

 白い衣を纏い、豊かな肢体に桜色の髪を流し、色のない目で虚空を見つめる、それこそは、聖魔女サクラダ・アウローラ。

 その魂に置き去りにされた、空っぽの器……だったはずのものが、そこにいた。

 一方サクラダ・アウローラの背後、樹霊のアルシャードに絡みつきマナを貪る蛇たち――炎を吐く一つは名をブルトゥス、氷を吐く一つは名をガイウスという――は、『SHIRANUI』の侵入に、警戒するようにその顎門を開き、鎌首をもたげる。

 そして、本来魂のないはずのサクラダ・アウローラの身体が、その茫漠とした……否、底知れぬ虚無を湛えた双眸で、『SHIRANUI』を一瞥した。


洋一 :「アレってやっぱり、奈落に…」

GM :乗っ取られている、と考えて間違いはないだろうと判断できる。

ほとり:かの有名な――”ブルータス、お前もか”のブルトゥスですね。

GM :ガイウスの方はその共謀者として知られる男だね。ともに、ダンテ・アリギエーリの『神曲』で、氷に凍えるサタンによってその身を噛みしめられられる責め苦を負っていた『主君に対する裏切り』の咎人だ。

ほとり:――サタン。まさに『コキュートス』の深奥ですね。


 今、この玄室に見えるのは、サクラダ・アウローラとそのシャード、それを核として絡みつき、力を啜っているであろう奈落の蛇が二匹。

 まるで、その蛇たちを従えているかのように、サクラダ・アウローラはゆっくりと前に歩み出る。その深淵にも似た双眸で、『SHIRANUI』が穿った道を見つめ、そして唇を震わせる。

 その瞬間、三人のシャードを通じて、アウラの魂魄が警告を発した。

「いけない、防いで!!」

 ――その直後、『言葉』が荒れ狂った。

「誰か答えて」「声を聞かせて」「一人は怖い」「どうして」「一人は苦しい」「応えて」「寂しい」「寒い」「苦しい」「誰か」「誰か」「誰か誰か誰か誰か」――。

 これらの単語を、一瞬に重ねて発したような、異形の言葉。魔術言語による訴え。それは力ある言葉であるがゆえに、それ自身が破壊の力へと変容する。

 砕け散る。砕け散る。サクラダ・アウローラの棺が砕け散る。虚無の言葉が荒れ狂い、聖魔女と、地獄の最奥を封じ込めていた玄室を粉砕していく。


GM :――具体的には、「対象:場面」「射程:声の届く限り」の魔法攻撃だ!

ほとり:かつての≪コールドゲヘナ≫を思い出させるデータですね。


 アルシャードff時代、ブラックマジシャン特技であった≪コールド・ゲヘナ≫は「対象:場面(選択)」の攻撃魔法特技だったのだ。


洋一 :「ちょ、『リヴィング・デイ・ライツ』ーッ!?」必死こいてウラウラして耐えてます。

覚醒 :「く、村雨!」 村雨の清浄な気で防ぎます。

ほとり:私も火の妖精を呼び出して身を守りましょう。

GM :うん、今回は問題なく防げる。だが……データを持たない、エキストラである地形や空間はそういうわけにもいかない。

 気がつくと、玄室はなくなっていた。粉々に砕かれたコキュートスの凍土が霧となって漂い、丸く大きく削り取られた奈落球内殻が痛々しい傷跡を曝している。

 おそらくは、背後に絡むブルトゥス、ガイウスの影響だろう。サクラダ・アウローラの声は、それそのものが致命的な破壊力を持つ魔法と化している。

 そして、彼女の視線は、まっすぐに、『外』に向いている。

洋一 :「ちょ、出る気満々っぽい……!?」

GM :その通り、宣言しよう。このサクラダ・アウローラの肉体……魂魄のそれと区別するため、ここでは『フォールン・アウローラ』と呼称しよう……は、この奈落球から羽化するため、声を上げる度に奈落球、そしてその構造物を破壊し尽くしていく。

覚醒 :拡張加護の≪ヨルムンガルド≫みたいな感じですね……。

ほとり:この奈落球すらも破壊して。と言うのは、想像よりだいぶ大胆でした。

GM :シャドウガイアの嘲笑を思い出せ。キミ達は、『触れ得ざる者』を解放してしまったのだ。

覚醒 :「急がないとマズイってことですねー……速攻で行かないとですか」

GM :アウラ「私が……誰かと話したいと願っていたから。誰かと話をするために……あの奈落は、私のその衝動に従っているんです」

覚醒 :「成程、つまり”O†HA†NA†SHI”すれば良いってことデスネ!」

GM :アウラ「お願い、私を止めて。あの『声』は、声の届く全てのものを壊してしまう!」

洋一 :「……あー、そっか。そりゃ、そうだ。だからっしょ」ふっと何かに気がついたように。


「だから――――アウローラが目覚めさせたのは、こいつだった。そうだよな、寒けりゃ熱くなりたい……気持ち伝えたいっしょ」

 洋一は、自らの拳を見つめる。その動きに追従して、黄金の鎧騎士が拳を目前に掲げる。

「オレの幻像ヴィジョンの力は、燃やすものじゃなかった――――この胸の熱を、望む光を、炎に変えて伝える力」

 瞑目すれば、沸き上がる意思。拳の隙間から吹き上がる炎。

「OKOK、ならバッチリ噛み合うっしょ。声を聞かせろ? 応えろ? だったら――」

 振り払った拳が、炎のヴェールを描く。浮かべるは、勇壮にして不敵な笑み。最初の頃の作り笑いではない、歩んできた自分の道が、正しかったのだと信じられるからこその。

「だったら、全力で、叩き込んでやるっしょ! 行くぜ、リヴィングッ! デイ! ライツッ!!」

 だから、洋一は髪をかきあげ、勇ましく声を上げて指を突きつける。

 その傍らの黄金の影もまた、同じように炎をまとった指を、死者の王へと突きつけた。


ほとり:「なんだか最初の頃を思い出しますね」と小さく言う。「誰と話していいのか、全然分からなかった頃の、私に似てます」

覚醒 :「思えば遠くへ来たものですねえ」くすくすと笑って。

GM :ジュライ・シオノ「本当に。でも……だからこそ、最後を見届けたい。手伝わせてね、覚醒、ストランド、ヨーイチ君」

覚醒 :「しおのも、そしてアウラも、もうワタシ達『SHIRANUI』の仲間です。何も遠慮はいりませんよ」

GM :アウラ「……はい」 ジュライ・シオノ「ほいきた合点」


*戦闘配置*

[奈落球内殻壁] <可視領域> [従星BC] 5m [焔蛇・氷蛇・Fアウラ] 5m [従星A] 10m [洋一・ほとり・覚醒] <可視領域> [奈落球内殻壁]


 フォールン・アウローラの掌に、黄金の杖が出現する。漆黒の玉を埋め込まれた、魔法の杖。そしてその両足には、漆黒の宝玉を誂えた靴。そのくるぶしからは、桜色の光の翼が出現する。

 その背後に浮かび上がる、黄金の円卓。その周囲に十二の光が灯り、その光がそれぞれ遊離する。これなるは『極光の従星』。フォールン・アウローラが従える、生命なき王の従者。

 これが、本来の聖樹器の具現。『ウィッチレルム』を統べる王の装い。

 ……その、奈落による模造品であり、そして炎の蛇と氷の蛇を携えたその様は、まさにノーライフキングの城塞と言えた。


■勝利条件:

・煉獄の蛇:ブルトゥス、煉獄の蛇:ガイウス、フォールン・アウローラの【HP】をすべて0にすること

・戦闘終了時に世界が滅びていないこと


■注意点:

・フォールン・アウローラはHPが0になった状態で、エンゲージした覚醒がメジャーアクションを消費して魂を返還した場合、そこで戦闘から取り除かれる。

 なお、覚醒が『人間としての死』を迎える場合、このタイミングでシャードを放棄する必要がある。

・煉獄の蛇は、共に≪BOSS属性α≫を持つ。これは通常の≪BOSS属性≫の効果に加え、『≪イドゥン≫の対象とならない』という条件が加わる。


■行動値

 フォールン・アウローラ:13

 煉獄の焔蛇:ブルトゥス:16

 煉獄の氷蛇:ガイウス :16

 極光の従星      :18


GM :以上。ちなみに極光の従星は、大規模エネミーに近い特性があり、範囲攻撃に弱い。

ほとり:”世界が滅びる”まではどの程度かかるんでしょう?

GM :条件を満たしたら一瞬。具体的には、”ユグドラシル樹に攻撃を加える”とか。現時点では視界内にその手のものは、奈落球内殻のおかげで登場していないけど……次の一手で確実にブッ壊しますので!!

洋一 :ですよね~!?

GM :さて、他に質問がなければ、クライマックス戦に突入しよう。


 そして各自が装備を調え、最後の戦いが始まる。


■ラウンド 1 セットアッププロセス


GM :あ、ちなみに≪真名の枷≫は、この戦闘では未宣言であるものとするよ。たとえ以前に効果時間を無限大と宣言していたとしても、何故か解除されている。

洋一 :例によって≪剣王の城≫と≪剣王の寵児≫で装備一式を準備!

覚醒 :とりあえずこちらは≪夜の眷属≫で、人型を得た元仲間達の人魂を展開!

GM :沸き上がる覚醒の仲間達が、目の前のノーライフキングに怯えている。彼らの死因が、ここから漏れ出したフォールン・アウローラの『声』であったが故、であろうか。

覚醒 :「……大丈夫。ワタシ達は皆で一つ。たとえ相手が何であろうとも、必ず打ち砕くことが出来ます」と仲間達に。


 一方、ほとりは少し悩む。


ほとり:ううん……≪真名の枷≫が解除されているということは、まずフォールン・アウローラがこれを解除する能力があるということと、解除しないと困るということですよね。

GM :まあ、そう考えて間違いはないだろうね。

ほとり:なるほど……なら「……おそらくは止めきれないとは思います。しかし、おそらく、世界に危害を負わせる時間を少しは稼げると思うんです」と覚醒さんの方を見て言います。つまりは1ラウンドでも外壁が持つ時間を長引かせることが出来れば、価値はあるだろう。と言う意味で。

GM :アウラ「……大丈夫、私はもう、最初から全部あなた達に賭けているんですから」おそらくは身体、あるいはアルシャードを蝕む奈落の影響を受けているのだろう、どこか苦しげにアウラが是を返す。

ほとり:はい、では≪真名の枷:サクラダ・アウローラ≫を宣言します。

GM :了解、この特技に対して、この時点で対抗する手段はない。

ほとり:「契約者ストランド・カニングフォークのその名において、真名に枷を与える――魔女の力はその名のしもべ。我が契約は違わずに」

覚醒 :「あ、そうやって言うのが正式なんですね」(今まで正式な宣言を知らずにやってきた奴)

GM :ジュライ・シオノ「…覚醒、割と魔女にとっては大事な術なんだからもうちょっとこう、ね……ちょっとくらい恭しくさぁ」

ほとり:「伯母様から習った形式ですから、我が家でのやり方。と言うところですね」

GM :フォールン・アウローラの全身に纏っている光のいくつかが砕け、沈黙する。具体的には、この効果の適用中、フォールン・アウローラの魔導判定はすべてファンブルとなり、魔女魔法は使用不能となる。

 そして魔女魔法を封じられたフォールン・アウローラのセットアップ。≪賢者の石≫≪ヘイストII≫を極光の従星BCに使用、さらに≪アビス:ポラリス≫を宣言予定。これらに魔導判定はなく、魔女魔法もないので問題なく使用可能!


●≪アビス:ポラリス≫

 タイミング:セットアップ

 対象   :自身       射程:なし

 効果   :

 加護として扱う。アドオンエネミー「トライフォース・パワーグリッド」を使用者と同一エンゲージに配置する。

 このエネミーは、設置されて以降、そのシーンでラウンド中に発生したダメージを記録する。「対象:範囲」および「対象:範囲(選択)」は二倍、「対象:場面」と「対象:場面(選択)」は三倍ダメージとして記録する。

 このエネミーが存在している間に行う使用者の攻撃のダメージロールに、記録ダメージを加算する。

 この効果を使用した段階か、クリンナッププロセスで、このエネミーは消失する。

 「トライフォース・パワーグリッド」の【HP】は300であり、リアクションには自動的にファンブルする。また、使用者への全ての攻撃に対してカバーアップを行う。

 なお、「トライフォース・パワーグリッド」は、構造物として扱う。


ほとり:……やはり来ましたか。≪ポラリス≫。

覚醒 :こうなると他の2つもあるでしょうねえ……。

GM :さて、打ち消しはない?

洋一 :んー。やっかいなのが増えちゃうのよなあ。……よし、おでん一発! 演出的には、自分の≪ポラリス≫で相殺にかかろう。

GM :ふむ、≪オーディン≫か。……では、打ち消されよう。目の前に出現しかけた光の三角形が、洋一の『リヴィング・デイ・ライツ』の拳から溢れる光によって干渉し、粉砕される。

洋一 :「砕け、たっ!」(ごしゃあ)

GM :ぐぬぬ、だが≪オーディン≫を切らせたぞ。そして≪ヘイストII≫の行動値増加で陣形を破綻させてやる。


 そして≪ヘイストII≫の行動値増加は……実に2Dで3。


GM :(がっくり)【行動値】21、極光の従星の行動順は変わらずか。


 そして一連のセットアップが終了し、イニシアチブプロセスに移行する。


■ラウンド 1 イニシアチブプロセス


●25 洋一


GM :割り込み系行動はここではなし。行動どうぞ・

洋一 :毎度おなじみムーブで≪元素応用/紅蓮世界≫、マイナーは斜めに傾ぐ、メジャーで『火炎指揮III』をアウラと蛇ーズに! 魔導判定は25!

GM :ではリアクション。まずはフォールン・アウローラが……。


 いきなり出目11、達成値27でリアクション成功である。


洋一 :ちょっ!?

覚醒 :ラスボス補正がかかっている……。

GM :まあ、下駄もそれなりにあるけどね。ラスボスは伊達ではない。≪リトライII≫とか使う?

ほとり:うーん、考えたのですが相手の抗魔値の高さをみると、シーン1回特技を切る場面では今はない……ですね。

GM :了解、そしてあとの蛇ーズは(ころころ)……どっちも失敗か。カバーアップなどはなし。ダメージをどうぞ。

ほとり:悩むのですがここは珍しいものを使いましょう。≪エレメンタルアシスト:雷≫です。

洋一 :ならば≪超過演算≫のみで。

GM :対抗特技は今のところなし。そして<雷>属性だと、ガイウスの方が<雷>への脆弱性IVがある。4D追加。

ほとり:ダメージ増加量は(ころころ)……10点しか増えませんでしたが、結果は大きいですね。やはりいつも通り、”<炎>で攻めると片方は耐性がある”と言う流れでした。

GM :ち、パターンを見抜かれてるな……(笑)

洋一 :んで、オレのダメージっしょ……(ころころ)……ブルトゥスに99点の<雷>! そしてガイウスには更に増えて106点!

ほとり:風が吹きすさぶと同時に、二体の精霊が顕現します。その名も――フウジン・ライジン。

GM :そこで風神雷神か(笑)

ほとり:防御担当のフウジン、攻撃担当のライジンからなる、上位精霊です――。なんと人語も解します(笑)


 これまた、アルシャードff時代に存在したエネミーである。


洋一 :「ウゥゥゥラァッ!!」3人がかりで殴る、殴る!

GM :では、ここでフォールン・アウローラが≪賢者の石≫≪マジックシールド≫。


 ≪マジックシールド≫によりダメージは44点減少し、結果、ブルトゥスに51点、ガイウスに58点のダメージが与えられた。

 続くメインプロセス終了後のイニシアチブプロセスで、洋一は≪電撃奇襲≫はひとまず様子を見ることとし、次は従星の行動である。


●21 極光の従星BC


GM :次は従星の行動だ。まず従星BがムーブでPCの5m手前で停止、メジャーアクションで魔法攻撃≪プリズミックミサイル≫を使用。


●≪プリズミックミサイル≫

 タイミング:メジャー   種別:魔

 対象   :単体     射程:10m

 効果:

 魔法攻撃を行う。命中しダメージを与えた場合、3d6を振って、出目に応じたバッドステータスを対象に与える。

 効果が重複した場合は無視する。

 1:放心 2:狼狽 3:マヒ 4:重圧 5:捕縛 6:失速


GM :対象はほとり。バステ対策が厚い子を狙うのは寂しいが……喰らえ魔導値22!!

ほとり:(ころころ)抗魔21……悩ましいですが、私はバステ対策が厚いので≪リトライ≫はしません。

GM :んじゃ、カバーも必要なしって態度だな。なら遠慮なくダメージ。(ころころ)……<刺>の42点ダメージ、さらに発生したバッドステータスは【捕縛】と【マヒ】だ。

ほとり:対策がないものだけがピンポイントできちゃいましたね……(笑)

洋一 :おっふ。

覚醒 :おおう……。

GM :そして次、従星C、これはムーブでパーティにエンゲージして≪プリズミックミサイル≫で魔法攻撃。対象は(ころころ)覚醒にいったか。達成値は26。

覚醒 :抗魔判定ー。(ころころ)届けーとーどかないー19ー。

GM :(ころころ)<刺>の40ダメージ。ダメージが通れば【捕縛】と【失速】が発生する。

ほとり:覚醒さんが【捕縛】は危険ですね。

覚醒 :んー……では≪護身剣≫使ってみます。(ころころ)……14点。OK、<刺>なら27防ぐので、弾きました!

GM :ちぃっ!!

覚醒 :「文字通り、抜けば弾散る氷の刃ってことで!」

GM :斬ったら弾丸が散るとか、どっかのシューティングゲームじゃあるまいし! ともあれ、次だ。


*戦場配置*

[奈落球内殻壁] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ] 10m [従星AB] 5m [従星C・洋一・ほとり・覚醒] <可視領域> [奈落球内殻壁]


●18 従星A


GM :さて、それでは従星Aだ。これは……フェアに洋一に行くか。位置は従星Bと同一のポイントから、洋一に≪プリズミックミサイル≫。(ころころ)


 結果、洋一には辛くも避けられ、次は覚醒の手番。


●16 覚醒


覚醒 :あー、従星がいるからエンゲージ抜けれないのですか……。ABを撃つか、ボスエンゲージに撃つか……。

ほとり:GMから従星は範囲攻撃に弱いとあったので、ABをまとめて攻撃してみるのはどうでしょうか?

覚醒 :ですね、ではABに。ムーブで≪影の道≫、マイナーなし、オートで≪影の軍団≫、メジャーで≪闇の手≫!

GM :カマーン!

覚醒 :命中判定は……出目10で、29!

GM :げ、避けられそうにない(笑)


 結果はもちろん、ヒットである。


ほとり:≪ホーリーアシスト≫を使いましょう。

覚醒 :クリティカルまで惜しかったですが、充分でしたね。

GM :では、≪範囲攻撃脆弱性≫により、最終ダメージは倍加される。これはこっちで処理するので、普通のダメージをどうぞ。

ほとり:ではダメージ増加と属性変更が(ころころ)……+25の<光>化です。

覚醒 :さんくすです! そしてダメ押しで『フォーメーション:ファランクス』も入れて(ころころ)……<光>の115点! 「飛べ! 覚醒剣・黄泉路返し!」

GM :く、予想より一回り大きい! くそぅ! 一閃によって雲霞の如く飛び回っていた従星が次々と斬り散らされ、閃光とともに消し飛んでいく!


*戦場配置*

[奈落球内殻壁] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ] 10m [残骸] 5m [従星C・洋一・ほとり・覚醒] <可視領域> [奈落球内殻壁]


覚醒 :ヒィッ 何か残骸が残ってるゥ!?

GM :あ、エンゲージの邪魔とかにはならないからご安心を。≪イドゥン≫の対象になり得るから場所を記録してるだけ(笑)


●16 ブルトゥス、ガイウス


GM :ふむ、彼我の距離は15mのままか……なら、ブルトゥスはムーブなし、これはAEアドオンエネミーなのでサクラダ・アウローラと移動を同期する。

 マイナーで≪攻撃延長≫、20m射程を伸ばして攻撃を行う。そしてメジャーで噛みつき。対象はここはほとり。なお、ダメージ発生時、対象にバッドステータスが入っていると、一つあたり2Dのダメージを追加する≪BS特効≫を持つので注意。

ほとり:すると、今は【捕縛】と【マヒ】ですから+4Dですか……。

GM :そういうこと。では命中判定。……出目11、クリティカル! 当たったら≪トール≫入れるぞ!

ほとり:これは……≪マリーシ≫で回避しましょう。

GM :ち、避けられるか。ならば通して次のガイウスだが……距離が遠いし、これは待機しておくとしよう。


●15 ほとり


ほとり:思ったよりも少ない被害で済んでいますね……。

GM :当たる攻撃全部潰す手を打ってるじゃないか(笑) だが、まだこちらの手札は尽きてないぞ……。

ほとり:ここはあえて攻撃に出ます。≪マジックブラスト≫で『ホーリーウィンド』を、Cに向かって放ちましょう。倍加されるなら無視出来ないダメージになるはず、です。(ころころ)魔導判定は23。

GM :(ころころ)抗魔判定、出目は良かったが全然届かないな、ヒット。

ほとり:『疾風の翼』と『妖精光球』を同時に展開。二つの魔女魔法の力を撃ちこみます! (ころころ)……40点の<光>です。

GM :演出で、ね(笑) では80点入った。


●13 フォールン・アウローラ


GM :ふーむ、ここはこれかな。ムーブなし、マイナー≪ゾーンアシスト≫ メジャー≪ダブルアシスト≫。範囲化した≪アタックアシスト≫でダメージ増加を行う。対象は自分とガイウス、ブルトゥス。ダメージ増加量は(ころころ)……38だな。

覚醒 :支援タイプ……!?

GM :そして続いて、自分自身に≪パーフェクト・ニュートラライズ≫。これは対象にかかっている≪真名の枷≫を含む全ての効果を解除するものだ。魔女魔法ではないので、≪真名の枷≫の影響下でも使用できる。……あ、いかん、これ使うと≪アタックアシスト≫が解除されるな。まあいいか。

ほとり:なるほど! これが対処方法ですか!

GM :そういうこと。ちなみに≪パーフェクト・ニュートラライズ≫を≪アタックアシスト≫より後に使用したのは、その効果で≪ゾーンアシスト≫も解けてしまうからだな。そして続いて、自分に≪アビス:ミューズ≫を使用。

洋一 :うげぇ……内容は?

GM :ムーブなし、マイナーなし、≪アビス:バベル≫、≪アビス:ビフロスト≫を使用。対象は声の届く限りの全てを、ビフロストの効果で全世界、全人類、全宇宙。バベルの効果でこれらを全て強制登場させる。そしてオリジナル特技≪虚ろなる囁き≫で攻撃だ。


●≪虚ろなる囁き≫

 タイミング:メジャーアクション

 対象:場面   射程:視界 

 効果:

 魔法攻撃を行い、対象に殴3Dのダメージを与える。これによってHPが減少した対象に【重圧】【放心】【邪毒】を与える。この【邪毒】はクリンナップに4Dの【HP】を失わせる。これらの効果は種別:奈落と自身には効果がない。


GM :さらに、加護の効果は以下の通り


●≪アビス:バベル≫

 タイミング:アクションの宣言時

 対象:自身   射程:なし

 効果:

 同時に宣言したあらゆるアクションを、アイテム、加護を含むリアクションを不可能とする。

 この加護の宣言段階での打ち消しは可能。また、指定した対象を強制的にシーンに登場させる。

 ただし射程は変更されない。


●≪アビス:ビフロスト≫

 タイミング:対象の選択時

 対象:自身   射程:なし

 効果:

 続く動作の対象が「対象:自身」もしくは「対象:単体☆」でない場合、この対象を「対象:場面(選択)」に変更する。また射程を「射程:無限」に変更する。


GM :というわけで、何らかの手段で阻止しない場合、速攻で世界が滅びる。なお、全世界の対象は可視領域外に出現するので、≪バベル≫で登場するだけならば射程が届かないのに注意。

ほとり:≪オーディン≫! これは取りあえずこのラウンドは、≪アビス:ミューズ≫そのものの発生を阻止します。≪再行動≫を使っていないと言う事は、この場はこれで凌げるはず。

GM :≪アビス:オーディン≫で対抗する!

洋一 :そこで自分に≪ブラギ≫して≪オーディン≫を復活、即座に使って≪アビス:バベル≫を消す!

GM :了解、では≪アビス:バベル≫が消される。他の効果は発動するぞ。そしてダメ押しに≪ヘイムダル≫で判定をクリティカルに!


 我ながら、前に反省しておきながら、どうして≪オーディン≫に≪アビス:オーディン≫で対抗するかなあ……(編集の際に頭を抱える)


GM :残るは≪アビス:ビフロスト≫による射程延長だけど、これは場面上の構造物とキャラクターのみを対象とすることになる。それ以外のオブジェクトは≪アビス:バベル≫で登場させなければ対象とすることはできないからね。

洋一 :ひとまず、世界が即死することは避けられるっしょ。

ほとり:……そしてここで無理に消しに行けば、奈落球内殻壁の破壊を阻止できるから、もう一手分世界滅亡を遅らせることができるわけですね。でも……ううん。有効な対処は≪ヘイムダル≫に≪オーディン≫してさらに≪エーギル≫だけですね。

覚醒 :ワタシが≪果てなき海原≫あるので、クリティカル消せますけど?

GM :うん、クリティカルを消すところまではいけるね。その上で、≪果て無き海原≫では魔導判定を失敗させるところまではいかない。

ほとり:ああ……海原の方でしたっけ。そうなると……さすがに手数的に対処しきれない。ですね。


 ≪エーギル≫の加護は、達成値を-20するだけで、その行動そのものを失敗させることはできない。≪エーギル≫の神技を使えれば別だが、覚醒が選んでいる≪果て無き海原≫は、≪ヘイムダル≫を打ち消すことはできるが、判定をファンブルにすることはできないのだ。


GM :さて、どうする? ちなみに対象は場面の存在全て。(従星も入ってる) アウラの魂魄とジュライ・シオノは覚醒とセットなので、ここでは数に入れないものとする。

ほとり:するとこの際はもう、受けるのは前提で、PCがどのくらい凌げるか。ですね。魔導値26を捌けるのは……?

洋一 :流石に無理っす。

ほとり:と言う事はここは被弾の選択。になりますかね……。

洋一 :ただ、≪ヘル≫とか≪トール≫ってさえ言われなきゃダメージは弾けそう?

ほとり:ここは覚悟して受けましょうか。

覚醒 :あ、≪バベル≫が消えてるから、カバーは出来ますかね?

GM :できるよー。

覚醒 :ではよっちーを≪闇の外套≫でカバーリング!

洋一 :助かるっす。さすがに重圧放心邪毒4はバステが多すぎる。

GM :では、フォールン・アウローラはここで≪ホーリーアシスト≫。ダメージ増加は4D+10で(ころころ)……22点! そして≪アビス:トール≫で覚醒の【HP】を削る。こっちは20Dで、54点追加!

覚醒 :ばっちこーい!

GM :結果として、洋一とほとり、あと諸々には<光>39点。覚醒には93の<神>。

ほとり:【HP】61で健在です。【重圧】は無視、【放心】と【邪毒】は入ります。そして洋一さんのぶん、覚醒さんがカバーしたダメージに≪マジックシールド≫。39点防いで洋一さんの分は弾いてますよ!(笑)

GM :かったいなー!? 

覚醒 :感謝感激! これで【HP】80点で立ってます!

GM :ふむ、カウンターなどはなしか。では、今の攻撃によって、内殻が破壊される。


*戦場配置*

[枝世界群] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ] 10m [残骸] 5m [従星C・洋一・ほとり・覚醒] <可視領域> [枝世界群]


洋一 :ぐ、一発か……って枝世界群!? なんか凄いの来てる―!?

GM :内殻が崩壊し、現在位置がはっきりする。ここはユグドラシル宇宙下部、タルタロス自由落下領域。ここからユグドラシル樹の枝世界群と、はるか遠くにぼんやりとユグドラシル本幹、そしてはるか上方に『ウィッチレルム』らしき世界が見える。

ほとり:「――守らなくてはいけないものが、みえちゃいましたね」

洋一 :「ってかこれ全部届いちゃったらエラいことになるっしょ―!?」

覚醒 :「流石にサトリちゃんの影もあそこまでは届かないですからねえ……気合入れないと」

GM :現在、場面攻撃での視認限界は枝世界群まで。つまり次に「射程:無限」の場面攻撃が行われると、『ウィッチレルム』を含む様々なリーフワールドが破壊されることになる。注意してくれたまえ。

洋一 :「射程:無限」じゃなかったら?

GM :さすがに「声が届く限り」の攻撃では枝世界群までは届かないので、破壊は進行しない。

ほとり:もう一度≪アビス:ビフロスト≫か≪ネルガル≫を使用されるか、条件が変わらない限りは大丈夫ということですね。


 状況確認の上で、ほとりがイニシアチブプロセスに割り込んで≪クイックヒール≫を使用。覚醒の【HP】を124点まで回復した。

 ちなみに、従星も巻き込みダメージを受けて瀕死状態だが、フォールン・アウローラはお構いなしである。

 そして、待機していた煉獄の蛇:ガイウスの行動となる。


●待機 氷蛇ガイウス


GM :んー、これは射程を伸ばして噛みつくしかないな。マイナー≪射程延長≫、メジャーで噛みつく。対象は……覚醒。

覚醒 :ぐぬぬ、バッチコーイ!

GM :命中判定は……26。さて、どうする? ちなみに≪BS特効≫があるんで、入ってるバステの数だけ2Dのダメージが増えるよ!

覚醒 :ええと、【放心】で判定マイナス5ですね……クリティカルでしか避けられません。(ころころ)……流石にむーりぃ……。

GM :えーと、今バステいくつ? 【邪毒】【放心】【重圧】……だけかな?

覚醒 :その3つですね。

GM :OK、ではダメージいくよ。(ころころ)……132点の<氷>! ≪アタックアシスト≫分が良く効いてるな!

覚醒 :ぐぬぬ……耐えられない!(ちらりとほとりに目配せをする)

ほとり:(頷く)――覚醒さん、≪不死なる者≫してもらえませんか。

覚醒 :了解、そのつもりです!

GM :ほへ?


 この時点で、GMはまだ気がついていなかった。

 ほとりが仕掛けようとしている、恐るべきコンボに……。


覚醒 :まずは≪タケミカヅチ≫でダメージまるっと返却!

GM :OK、ではガイウスは132の<神>ダメージを受ける!

覚醒 :そして≪不死なる者≫を使って復活! 「ふへへ……噛みつかれたところから村雨の気を流し込んでやりましたよ……ぶり返しの奈落で傷口も無理やり塞ぎましたよ……」とボロボロの身体を引きずりながら、それはそれとして≪ミューズ≫をほとりんに!

GM :む? 回復に割り込むのか。対抗なし、どうぞ。

ほとり:では私のメインプロセスですね。


●割込行動 ほとり


ほとり:では行動内容はムーブなし。ここで――マイナーアクションで、いずみさんのお力をお借りします。『乙女の祈り』を使用して、≪Ad.イドゥン≫の使用権を獲得。

GM :お、確かにここは有効だな。

ほとり:そして≪Ad.イドゥン≫を使用。私たちの全てのバッドステータスと【HP】、それから【MP】が回復します。……そして、それと共にオートアクションで≪プライマルグロウス≫です。

GM :…………お?


 GM、しばし考える。強化加護である≪Ad.イドゥン≫は、ルール上は≪イドゥン≫の加護として扱われる。

 つまり、≪イドゥン≫の効果に「対象を未行動状態にする」≪プライマルグロウス≫の効果は……適用されると考えるのが自然だ。

 本来は強化加護と神技が重なって使用されることはないためあり得ないのだが……『乙女の祈り』がその異常事態を引き起こす。つまり……。


GM :あ、え、えーと、つまりこの≪Ad.イドゥン≫によって、行動終了している洋一と覚醒が未行動状態になるってことか!?

ほとり:どうしますか? GMの裁定次第ですけど。

GM :……むむむ。


 GM、さらに考える。≪Ad.イドゥン≫と≪イドゥン≫は、死亡状態からの回復ができるかどうかなど、振る舞いが若干異なっている。さらに、そもそものシステムが、強化加護と神技の混在状態を想定したものではないため、≪プライマルグロウス≫の対象外と裁定することも決して間違いではない。

 だが、こんなことが起きるのは、この局面以外ではあり得ない。だとしたら、これはむしろ”通した方が面白い”のではないだろうか。


GM :……よし、その処理認めよう。その上で≪オーディン≫! そんなもん通せるか!!(笑)

ほとり:ここでさきほど温存した自分の≪ブラギ≫を宣言。≪オーディン≫します。

GM :ぐっ……残念ながら、オーディン札がない! 通る!


 さっきの≪アビス:オーディン≫をここに取っておけばなー……と言いたいが、それが残っていたらまた苦悩していた可能性が高いのも事実である(苦笑)


ほとり:これで……PC全員が”未行動”になります!

GM :うぇー……(笑) 溢れ出る清浄な、八重桜に近い鮮やかな桜色の神気によって、宇宙が光に満たされる。

洋一 :「さっきのちっちゃい子の、力……力が、みなぎる! 行くっしょぉっ!」

ほとり:「――世界を守るために、今、戦っているのは、私たちだけじゃ、ありません。この神気は、今戦っている、『ウィッチレルム』の魔女。そして今まで戦い続けた、『ウィッチレルム』の魔女。その願いです」

GM :うぐぎが……で、ではその上で、ほとりのメジャーアクション、どうぞ。

ほとり:はい、では従星Cに『ホーリーウィンド』です。達成値は26。

GM :抗魔判定は13、ヒットだ。

ほとり:ダメージは3D+30の<光>で……36点です!

GM :ち、従星C撃墜! そして……未行動になった洋一と覚醒の行動になる、か。


*戦場配置*

[枝世界群] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ] 10m [残骸AB] 5m [残骸C・洋一・ほとり・覚醒] <可視領域> [枝世界群]


●未行動 洋一、覚醒


ほとり:「いつも通り、道は切り開きました。あとは――全力でお願いします! みんな!」

洋一 :ここは、うん。まずオレが一気に行くっしょ。≪元素応用/紅蓮世界≫、マイナーで指をつきつけつつ、メジャーで『火炎指揮III』!! ≪天地鳴動≫も入れる!

洋一 :「任せるっしょ! 『リヴィング・デイ・ライツ』ッ!! ぶち―――――かませェッ!!」

GM :お前の気迫で宇宙が揺れる! 来い!

洋一 :ターゲットはそこな3体で!(ごろごろ) 魔導値27!

GM :(ごろごろごろ)……全部ヒット!!

洋一 :ダメージロールに≪超過演算≫と≪ヘル≫!

GM :カマーン!

洋一 :ダメージは16D+90! (ごろごろ)……148点の<神>!! あと蛇は弱点持ちだっけ?

GM :蛇にはそれぞれ4Dの脆弱性がある。しかしなんかすごいことになってるぞ!?

覚醒 :オラオララッシュだー!

洋一 :「ウゥゥゥゥラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラァッ!!」 んじゃ追加分を入れて……蛇どもには163の<神>!

GM :うぉ、ブルトゥスとガイウス、共に【HP】が半減。これに伴い≪奈落の憤激≫を使用。要は≪大激怒≫の効果を得、≪再起動≫を得るというものだが……。

ほとり:≪再起動≫は行動終了時に使用で、≪大激怒≫はラウンド中の効果ですよね……。

GM :うん……遅ぇよ!!(笑)


 『≪再起動≫を得る』系の処理は、≪再起動≫の挙動が変わった(かつては任意のイニシアチブタイミングで使用できた)ため、『≪アビス:ミューズ≫を得る』に書き換えていった方が無難だろう。

 ≪大激怒≫も【HP】が減った瞬間に使用するのではなく、『【HP】が減った瞬間に使用権を得て、次のセットアッププロセスで使用する』などの処理の方が活用しやすいかもしれない。


●覚醒


覚醒 :さてサトリちゃん、問題は範囲化がラウンド1回で使い終わってるということ。

洋一 :この一発で両方≪大激怒≫、って事は、タケミカ食らってた方は死にかかってないかな。若しくはバベる(≪バベル≫を使う)か。

GM :ちなみに、氷蛇ガイウスは相当貰ってるね。

覚醒 :ということはガイウスの方ですかね。移動は……もう少し待つべきでしょうか?

ほとり:<氷>属性ですので相性がいい……と言う理由で、焔蛇ブルトゥスを斬るののもありだと思います。次のラウンド、さらに先手で洋一さんが攻撃できるのもありますし。

覚醒 :成程……よし決意。ではムーブで移動してエンゲージ! マイナーなしメジャー≪闇の手≫でプルトゥスの方を攻撃します!


*戦場配置*

[枝世界群] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ・覚醒] 10m [残骸AB] 5m [残骸C・洋一・ほとり] <可視領域> [枝世界群]


覚醒 :命中判定は……(ころころ)25!

GM :よし、リアクションは……おっと出目10、達成値25でギリ避けた!

覚醒 :おぐぅ!

ほとり:≪リトライII≫です。

GM :ですよねー。では(ころころ)……ぐぬぬ、達成値22、ヒットだ。

覚醒 :ありがたく……! ファランクスも使えないのでこのままダメージ行きます。「懐に飛び込んでからの……覚醒剣・香典返し!」(ころころ)……75点、属性は<氷>で!

GM :あ、はい、<氷>への脆弱性です。IVです。さらに奈落です。

覚醒 :対奈落分は計算済みです。追加ダメージ入れて……89!

GM :ぐ、85貰った。まだ生きてるけど、つらいな。


 ついでに覚醒が≪闇の手≫で【HP】を回復。消耗が2点だったので判定の要なく完全回復した。


GM :では、クリンナップの前に、フォールン・アウローラが≪イドゥン≫。対象は従星C。そして直後のクリンナッププロセスで、≪円卓の忠誠≫を使用する。


●≪円卓の忠誠≫

 タイミング:クリンナップ

 対象   :自身       射程:なし

 効果   :

 フォールン・アウローラの≪アビス:バベル≫≪アビス:ビフロスト≫≪アビス:ポラリス≫の使用回数を一回ずつ回復させる。

 代償として、自らの【HP】は0となる。この特技は、1シナリオに1回使用可能。


GM :というわけで従星Cは破壊されて消滅、フォールン・アウローラは再び聖樹器加護を得る。彼女の持つ杖が再び不吉な紫暗の瘴気を纏う。

覚醒 :聖樹器加護の回復要員でもあったのですか、星……!

洋一 :三つとも回復すんのかよ―!?(ぎにゃー)


*戦場配置*

[枝世界群] <可視領域> [焔蛇・氷蛇・アウラ・覚醒] 10m [残骸AB] 5m [洋一・ほとり] <可視領域> [枝世界群]


GM :……というわけで、長かったラウンド1が終了、ラウンド2だ! しかし、PCめ。まだ結構余裕こいてやがんな……。

ほとり:なにせあれだけの猛攻を凌いで、全員未ブレイク、≪ティール≫と≪イドゥン≫が残っている。と言う状態ですからね。

GM :聖樹器も残ってるしなあ。

洋一 :もう一発、は≪ビフロスト≫で拡大したカバーなり何なりでどうにかできるか……三発目をどうすっかなあ。

覚醒 :できれば次のラウンド中に決着したいですよね……。

GM ;できるかどうかは、後編に続く、だ!

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