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終章:(3)其は悔恨の坩堝

■ミドルフェイズ 6


 凍り付いた世界が、ぱっと開ける。

 その身を蝕む凍土に歯をがちがちと打ち鳴らし、呪詛の声を漏らす亡者の群れ。その大空洞の壁面は、そんなものでいっぱいに埋め尽くされている。

 目の前には、本来ならばあらゆる認識と干渉を撥ね除ける絶対の結界が張り巡らされていた。しかし現在、それは真名の枷によって封じられ、その奥にあるものが露わになっている。

 植物の根によって、繭のように編み上げられた球体。奈落球そのものをミニチュアにしたかのようなそれが、この奈落球内殻の中枢、そして、サクラダ・アウローラの本体が眠る氷室ということなのだろう。

 さて、問題は別にある。その目の前に、ふつふつと沸き上がる奈落の塊があるということだ。

 それらは、これまでと違い、薄手の衣を纏った半裸の男達に見える。インド亜大陸周辺の文化風習を思わせる装いの男達は、それぞれが慟哭を上げながら、迫り来る『SHIRANUI』に対して戦いの構えを取る。

 特に、その先頭に立つ男は、蛇鱗鞭を手にした僧のように見える。仏教として体系化される以前の、僧職の装いだ。


覚醒 :「アレが門番ってことですかね……」

GM :覚醒の中のサクラダ・アウローラが囁く。「あれが、あの僧侶のようなものが”青髯”の奈落の本来の中枢です」

洋一 :「今度は何だ、えーっと……アビス・B・O・Z・Eってやつかよ!?」

覚醒 :「門番どころか、あちらさんの最終防衛ラインってコトですか……」

ほとり:「”青髭”の心象の中に、どうしてこんな方まで」

GM :アウラ「詳しい事情は私も知りません。ただ”裏切りを宿命づけられた者達の起源として、神に作り出された存在”……だということは≪ガイア≫が教えてくれました」

洋一 :「何だよそれ、裏切ったから悪いんじゃなくて最初から悪くて裏切るって決められてた……?」

GM :ジュライ・シオノ「救世者というものが、アルフや神にとって好都合なばかりではなかったのか、別の理由があったのか……ボクらの知る由はないけど、とりあえず、あっちはやる気みたいだね?」

 ジュライ・シオノが言うように、僧侶達はキミ達を排除する……というよりも、彼らの慟哭を叩きつけるべく、一斉に声を上げる。

洋一 :「―――くっそ、だからって……止まってられねえっしょ!」

ほとり:「――切り替えましょう。いかなる理由があろうとも。あの方々は今、射貫いて先に進むべき、私たちの、障害です」

覚醒 :「定められた運命、ですか……なら、そういうものへの反逆の仕方、ちょこっと教導して差し上げましょうか!」



■戦闘前宣言


*戦場配置*

[アビスシャモンABC] 10m [アビスシャモンDEF・ディーバダッタ] 10m [洋一・ほとり・覚醒]


GM :配置はこのように。【行動値】はディーバダッタが14、アビスシャモンは19だ。

ほとり:……なんですかその名前(笑)

GM :その名の通り、奈落が作った沙門ですが何か。


 沙門とは修行中の僧侶の意味。ついでに、ディーバダッタは釈迦の弟子として、何度も釈迦の命を狙った叛逆の弟子と言われているものだ。


覚醒 :それはわかりますけどねェ……(笑)

GM :アビスBOSEとかの方が良かった?(笑)

洋一 :いいからとっとと殴ろうぜ(笑)

GM :では、ご期待通りに……。


■ラウンド 1 セットアップ


洋一 :≪剣王の城≫+≪剣王の寵児≫

覚醒 :≪夜の眷属≫!

ほとり:私はありません。

GM :エネミーもこれといってなし。では……。


■ラウンド 1 イニシアチブプロセス


GM :……というわけでいきなりディーバダッタが≪アビス:アカラナータ≫!! ≪BS付与:【マヒ】≫つきで、12d+30の<神>ダメージをPC三名に撃ち込む。

洋一 :ぎゃあ! って言うほどでかいダメージでも……無い、か?

GM :対抗はあるかい?

洋一 :通して良い、かな?

ほとり:半分ほど削られますよね。私以外の方が【HP】をリソースにするスタイルですが、問題ありませんか?

洋一 :大丈夫、だと思う。

GM :では、実行。カバーアップなどの宣言があればどうぞ。

覚醒 :どちらか守りますか!(外套の構え)

洋一 :期待値72点、2倍で貰って大丈夫?

ほとり:リアクションが元々苦手な私よりは、今は洋一さんを庇う方が価値は高いですが、覚醒さん自身が大丈夫ですか?

覚醒 :現在195点なので何とかなるかとは思います……ということでよっちーを≪闇の外套≫でカバー!

洋一 :「さとりんっ!?」

GM :ではダメージ。(ころころ……)71の<神>ダメージに、【マヒ】だ!! 鋭利な爪で拝し、一喝。呪詛が膨れあがり、一行を包み込む!

ほとり:「……なかなかどうして、ですね。起源存在と言うだけあって、簡単にはいきませんね」

覚醒 :51点残り! 「それでも何とかなるし、何とかするのがワタシ達ってことで!」


●25 洋一


洋一 :ムーブ:≪元素応用/紅蓮世界≫、マイナーで『メガMPポーション』、メジャーで『火炎指揮III』をアビスシャモンDEF+つけ爪の人!

GM :ディーバダッタ「沙亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜ッ!!」

洋一 :「っそ……アンタらも! 呪う相手も伝える相手も違うっしょ……!」その運命に憤る胸の熱を、炎に変えて拳に込めてぶん殴る! (ころころ)回復量は45、そして……魔導判定は27!

GM :リアクションは……(ごろごろごろ)全部ヒット!

洋一 :≪超過演算≫!

ほとり:≪エレメンタルアシスト:炎≫を使用します。(ころころ)13点追加、更に<炎>属性への変更……つまりそのままですね。

洋一 :さんきゅっ!

GM :そこで≪護法聖天呪≫! ダメージダイスを四つ減らす、ミスティック特技だ!

ほとり:その分は増やしたはずです!

洋一 :くらえダメージ……<炎>の83点!! 「ウゥゥゥラアッ!!」

GM :おう、かなり来たな。だが、アビスシャモンもディーバダッタも健在だ。

洋一 :んー。それじゃその直後のタイミングで電撃奇襲でちょっと下がるか、5mほど。

GM :ムーブを範囲攻撃とかに食われやすいサイキックにとって、イニシアチブ移動の≪電撃奇襲≫は相性がいいよなあ。どうぞ。

洋一 :「悪い、ちょっと下がる……!」


*戦場配置*

[アビスシャモンABC] 10m [アビスシャモンDEF・ディーバダッタ] 10m [ほとり・覚醒] 5m [洋一]


●19 アビスシャモン


GM :ABCはそれぞれ待機。そしてアビスシャモンDはムーブで接近し、エンゲージ。マイナーで≪BS付与:重圧≫。そして……ここはほとりを殴る。命中達成値20!

ほとり:私は【重圧】は無効だったりします。

GM :あ、しまった(笑) だが知る由もないのでゴー。

ほとり:ただそもの戦闘力が高くないですからね……当たりました。

覚醒 :カバーどうします?

ほとり:威力にもよりますが、このあと連続で攻撃されることを考慮すると、ここはなしでいいと思います。

覚醒 :了解です。

GM :ではダメージ、<殴>51点に、【重圧】付与!

ほとり:≪マジックシールド≫します。(ころころ)44点軽減です。

GM :ち、ほぼ全部消されたか。強いシールドだなあ

ほとり:これしか使えない分、強化度が高いですからね。

GM :そこはさすがだ。では引き続き、Eが今度は覚醒にエンゲージ、マイナーで【重圧】乗せて殴る。命中判定は19!

覚醒 :回避ー(ころころ)20でひらりっ!

GM :君【マヒ】入ってるかー

覚醒 :と、【マヒ】だから減ってますね。当たった!

GM :では、ダメージは……<殴>の58点、更に【重圧】付与だ。

覚醒 :防護で減らして34点もらいます。「っと……これは手厳しいですね……!」


 ≪アビス:アカラナータ≫を二人分とそれに加えてのこのダメージで、そろそろ覚醒の【HP】が危険域に突入する。


ほとり:悩みましたけど、ここで割り込みます。≪インタラプト≫!

GM :ほい、どうぞ。

ほとり:マイナーで『妖精の秘薬』相当品の『サジッタGドリンク』を飲みます。回復量は【HP】を25、【MP】26点。

GM :やけに良く効く危ない薬だなあ(笑)

ほとり:これで【HP】87,【MP】160。そしてそしてメジャーで≪ダブルアシスト≫。内容は≪キュア≫と≪ヒールIII≫を覚醒さんに。【MP】が10+2+27で39点消費。≪ヒールIII≫は……131点回復、そして【マヒ】が回復します。

GM :うぇー(笑)

覚醒 :ありがとうございます! これで【HP】148点まで回復。

GM :んじゃ、仕切り直し。アビスシャモンFがエンゲージしての行動。マイナーで攻撃に【重圧】を付与、メジャーで殴る。対象はやはり覚醒。


 命中判定の結果は18、ちなみに覚醒の回避は15なので、1ゾロ以外は回避できる値だ。


GM :ち。出目が悪いな、どうぞ。

覚醒 :回避回避! (ころころ)……ふぁんぶったー!

ほとり:≪リトライ≫!

覚醒 :重ね重ね感謝……! というわけで再度回避! 24!

GM :ち。当たるかと思ったのに! 回避成功。


*戦場配置*

[アビスシャモンABC] 10m [ディーバダッタ] 10m [アビスシャモンDEF・ほとり・覚醒] 5m [洋一]


●16 覚醒


覚醒 :【重圧】はマイナーで解除……ということは、ムーブタイミングでの特技は【重圧】の効果がかかって代償2倍になりますかね。

GM :さっきの≪キュア≫では治してなかったんだっけ? なら、なるね。

ほとり:【マヒ】を解除する方が必須でしたし、さすがに今は≪キュアII≫が重かったのと、まだ私は≪クイックヒール≫なども残している。と言う判断です。

覚醒 :了解です。ではとりあえずエンゲージ内のアビスシャモンDEFを片付けますかね。あ、行動済みだからABCの方が良いのかな……?

ほとり:そこはお任せします。こちらからは≪ホーリーブレイド≫を支援として飛ばす予定です。

覚醒 :了解です。ではABCの方に攻撃します。ムーブで代償2倍払って≪影の道≫、マイナーで【重圧】を解除して、オートで≪影の軍団≫しつつメジャー≪闇の手≫で攻撃!

GM :カマーン!

覚醒 :命中判定は(ころころ)……げふん、1ゾロ!

GM :これはついてない。

洋一 :おおう……!

ほとり:これはちょっとどうしようもないですね……残念。

覚醒 :今日のダイス運極端ですネ……。

GM :うむ、これはちょっと予想外だったな。だが手加減しない。ディーバダッタはその場から、まずマイナーで≪範囲攻撃≫、蛇鱗鞭で射程10mで攻撃。しゃりんしゃりんと軽快な音を立ててほとりと覚醒を打ち据える。で、攻撃の際にメジャーでは≪BS攻撃:邪毒(強化4)≫。4Dの【HP】を失う【邪毒】を付与するぞ。


 命中判定は27。これに対し覚醒の回避判定は21。ほとりの回避は【マヒ】もあって、双方にヒット。


ほとり:どうしようもなく被弾します。これは……状況が悪いですね。

GM :では、カバーなどの宣言をされると思うのでわかりやすくいくぞ。≪アビス:トール≫。対象はむしろ覚醒の方が良さそうだ。

覚醒 :ぐぬ。

ほとり:≪アビス:トール≫と言う事は70点増えて<神>で、攻撃力はだいたい50として120点くらいが予想されますね。

覚醒 :≪護身剣≫使えば何とかなりそうですが、それでも【邪毒】で耐えられませんかね……。ほとりんカバーならば尚更。早速≪不死なる者≫の使用が見えてきました。

ほとり:いえ。もう3回攻撃が来るので、≪不死なる者≫だとガンガン残機を減らされます。ここは≪イドゥン≫します。それで【重圧】なども解除されて【HP】全快ですから。

洋一 :ほとりんカバーの上で、と。

覚醒 :成程、了解です。ということで≪闇の外套≫!

GM :OK、その意気やよし。では≪アビス:トール≫の増加分が(ころころ)……66点。そして通常の<斬>ダメージが……こっちも66! 獣っぽく、66と66が合わさって132点に見える。

覚醒 :全部合わせて198点……MAX状態なら耐えれてた!(笑)


 実際にはほとりへの攻撃分には防御修正が適用できるので、もうちょっとダメージは小さい。が、それでも現状の覚醒では耐えられないので、結果としてダウン。

 奈落の邪気を一身に込めた一撃が、身を挺してほとりを庇った覚醒を貫き、灼き焦がして灰に変えた。


ほとり:そして、戦闘不能になった覚醒さんに、≪イドゥン≫します。

覚醒 :いただきます。炭になったように見えたサトリちゃんの表面が割れて中から無事な姿を見せます。

GM :防御修正と≪護身剣≫あと諸々があれば、辛うじて耐えたような気もするが……。

覚醒 :攻撃特技で20点くらいロスしているので、どっちにしても耐えられないのです。

ほとり:ダークワンやホムンクルスの弱点なんですよね……。高い【HP】が実はごりごりと特技で消耗していて、見た目ほど高くないタイミングがどこかである。と言う。

GM :なるほど。ともあれ、次は待機していたアビスシャモンの手番だな。


●待機 アビスシャモンABC


GM :PCが迫ってくるかと思ったけど、この状況では特攻をやらざるを得ないなあ……。

ほとり:うーん。ここで≪ミューズ≫で戦況を押し戻すのは手ではないでしょうか?

洋一 :さとりんが3段耐えられるかが、かな?

GM :耐えられるかと言えば、≪イドゥン≫で復活した以上、≪アビス:トール≫があと一発入ったりしなければ、シャモンの三発なら耐えるだろうと見える。

覚醒 :うん、大丈夫です。ばっちこーい!

GM :というわけで、殴るぞ。A,B,Cとムーブで覚醒とほとりにエンゲージ、マイナーで≪BS付与:重圧≫と言いながら……全部覚醒に集中攻撃。ミホトケパワァで光になれぇっ!!

覚醒 :奈落が何を言ってますかねえ! 回避ーー!!


 結果、なんと三発全部回避。


GM :ちぃぃぃっ! ≪イドゥン≫で【HP】と一緒にラックも注入されたか!

覚醒 :ヒュー!

ほとり:これはまさかの、ベストの展開ですね(笑)

覚醒 :やはりダイス目が極端でした……(笑)

GM :流れが来たかな。やれやれ。


*戦場配置*

[ディーバダッタ] 10m [アビスシャモンABCDEF・ほとり・覚醒] 5m [洋一]


GM :やな配置になったなあ……だが仕方がない。


 そしてラウンド1のクリンナップ、そしてラウンド2のセットアップもこれといってはなく、イニシアチブプロセスに移行する。


●25 洋一


洋一 :ムーブでいつもの紅蓮世界、マイナーで指を突きつける、メジャーでシャモンA~Fに『火炎指揮III』!

GM :ですよねーー!!

洋一 :当然っ! 魔導判定は24! 「ウラァッ!」

GM :アビスシャモンズ、根性見せろ……!!(ころころ×6)


 しかし結果、シャモンは全員命中。不甲斐ない。


GM :一体くらい避けるかと思ったが、ダメだ!

ほとり:≪エレメンタルアシスト:炎≫素早く周囲に魔力を込めた粉を撒きます! ダメージ増加16点!

洋一 :こっちも≪超過演算≫して……ダメージは93点の<炎>!!

洋一 :ダメージ食らってる方は上手に焼けたかな

GM :……あ、≪護法聖天呪≫使い損ねた。まあいいか。もちろん負傷してる方は壊滅した。


*戦場配置*

[ディーバダッタ] 10m [アビスシャモンABC・ほとり・覚醒] 5m [洋一]


●19 アビスシャモンABC


GM :これはまたターゲットをランダムに決定……えーと、ほとりにAとC、覚醒にBが行った。というわけでAからいくぞ。

 ムーブで≪パワーチャージ≫、マイナーで≪BS付与:重圧≫、メジャーで殴る。(ころころ)……22。

ほとり:(ころころ)20です。ヒットですね。

覚醒 :≪闇の外套≫ー!

GM :OK、ではダメージは……63点の<殴>に【重圧】だ。

覚醒 :24点引いて39点!

GM :防御系特技は使わない? では次行こうか。Bが覚醒に同じ構成。命中判定は……23。

覚醒 :えーと(ころころ)……出目3、ヒットです。やはり極端……。

GM :ダメージは今度は68の<殴>。

ほとり:ここで≪マジックシールド≫です。先ほど撒いた香油が燃え、そこから光の精霊達が無数に出現します。ダメージ減少は……42点!

GM :ち、24点引けるってことは、ほぼ弾かれたな!

覚醒 :ほとりんサンクス! 2点だけ貰いました。

ほとり:そして直後のイニシアチブプロセスで、≪クイックヒール≫を自分に使用します。回復量は、40点。これで【HP】は90点になりました。2人とも一撃で落ちない状況になっているはず。

GM :ち、わかっていたがとにかくしぶとい。そして再びほとりにCからの攻撃だ。Cはムーブで≪パワーチャージ≫ マイナーでBS重圧 メジャーで殴る。命中判定……低いな、18。

ほとり:ええと、回避判定達成値16。……ここは≪リトライ≫です。(再ころ)……う。

洋一 :1ゾロでファンブルっしょ……(笑)

ほとり:振り直しはジンクスがつきものですね……(笑)

GM :では無情にもダメージ。カバーは?

ほとり:耐えきれるので、今は大丈夫ですよ。

覚醒 :了解です。

GM :では<殴>62。ほとりに【重圧】は意味がなかったな。


 憎むべきは『レプラカーンシューズ』である。


●16 覚醒


ほとり:「凌げました。覚醒さん、お願いします!」

覚醒 :「OK! 村雨の気の制御もわかってきました!」と、先のファンブルを刀の清浄すぎる気のせいにしつつ。

GM :ひとのせいにするのいくない。

覚醒 :(無視して)ムーブなし、マイナーで【重圧】解除、オートで≪影の軍団≫、メジャーで≪闇の手≫でシャモンズに攻撃!(ころころ)……25!

GM :(ごろごろごろ)……全部ヒット!

ほとり:≪ホーリーブレイド≫。周辺の精霊を一斉に攻撃にあわせて突撃させます! ダメージ増加は20点! <光>属性に変更です!

覚醒 :さんくすです! んー、ファランクスは入れないでも大丈夫ですかね……名前からして「種別:奈落」ですよね?

GM :モチのロン、アビスで奈落。

覚醒 :了解です。ではファランクスはなしで。村雨の効果乗せてダメージ行きます。(ころころ)……106の<光>!

GM :やあ、もちろん壊滅ですよ壊滅!

覚醒 :「香典返しを超えた香典返し―――名付けて、覚醒剣・黄泉路返し!」

GM :ジュライ・シオノ「以前よりは技っぽくなった?」

覚醒 :「まあ変わらずお返しはいただくのですけれども」というわけで、【HP】は2点回復です。


*戦場配置*

[ディーバダッタ] 10m [ほとり・覚醒] 5m [洋一]


●15 ほとり


ほとり:ムーブで10m移動して洋一さんの後ろに回らせてもらいます。メジャーで≪ダブルアシスト≫≪ヒールⅡ≫を私と覚醒さんに。

GM :このへんが≪ダブルアシスト≫使いの鬼札だよなあ。


 ≪ダブルアシスト≫はメジャーアクションを二回行える特技なので、対象を変更して同じ特技を使うこともできる。


ほとり:(ころころ)……回復量は私も覚醒さんも79点です。


*戦場配置*

[ディーバダッタ] 10m [覚醒] 5m [洋一] 5m [ほとり]


●14 ディーバダッタ


GM :ではディーバダッタの行動だ。対象は……ふむ、現在位置から覚醒を殴る。ムーブなし、マイナーなし、メジャーは≪BS攻撃:邪毒4≫。

覚醒 :いらっしゃいませー!

GM :命中達成値は……あう、出目低い、22だ。

覚醒 :回避ー。……は、ピンゾロ! これで何度目ですか!

GM :レベルの低い戦いが繰り広げられております! ヒットでいいかな?

覚醒 :「やっぱり村雨の力が制御できてないのですかねこれは!」はい、大丈夫です。

GM :では、ダメージを。……<斬>で65点。【邪毒】と【マヒ】もくらえ!

覚醒 :あ、≪護身剣≫使います。防御修正加えて38点減少して、27点受けます! あと【マヒ】と【邪毒4】ですね。あいたたた。


 そしてクリンナッププロセスで、覚醒は【邪毒】による18ダメージを受け、ラウンド3に移行する。


■ラウンド3 イニシアチブプロセス


GM :セットアップは何もないので、そのままイニシアチブだ。洋一、どうぞ。


●25 洋一


洋一 :バカの一つ覚えを繰り返そう。ムーブ:髪の毛かきあげる、マイナー:斜めに傾ぐ、メジャー:『火炎指揮III』!

GM :ほいさ。魔導判定どうぞ。

洋一 :(ころころ)うらっと26!

GM :抗魔判定は21、ヒット! そして≪護法聖天呪≫でダイス-4個!

洋一 :≪超過演算≫! ダメージは61点の<炎>!


「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラァ!!」

「沙亜ッ!! 沙沙沙沙沙沙沙沙沙亜沙亜沙亜ァ、沙沙沙沙沙沙沙沙亜ッ!!」

 『リヴィング・デイ・ライツ』の雄叫びと、ディーバダッタの鋭い嘶きが交錯する。もちろん、必殺の炎拳と閃刃を交えてのことだ。

 吹き上がる炎を蛇鱗鞭で吹き散らし、相殺していく。しかし『リヴィング・デイ・ライツ』の、洋一の炎はそれよりさらに激しく、重い。

「氣沙亜ッ!!」

「ウゥ・ラァァッ!!」

 拳を切り裂かれるのも構わず撃ち込んだ『リヴィング・デイ・ライツ』の炎が、ディーバダッタの嘶きを飲み込み、大きくその身を吹き飛ばす。

 奈落球中心核の外壁に叩きつけられたディーバダッタは、そのまま少しよろめきながらも立ち上がる。それを見届けつつ、洋一は自らの拳に滲んだ血を、僅かに眉を潜めながら振り払った。


GM :58喰らった。だいぶ押し込まれたが、それでも健在だ。では次、覚醒よろしく。


●16 覚醒


GM :さて、覚醒の手番だ。

覚醒 :はーい。ムーブで≪影の道≫、マイナーなし、メジャー≪闇の手≫で攻撃します。(ころころ)……出目4、達成値23です。やはり極端……!

GM :(ころころ)だがヒット!

覚醒 :『フォーメーション:ファランクス』を使います。そして種別は奈落ですか?

GM :やはり奈落。一部の人に怒られそうだが、まあこれは彼等自身ではなく、彼等の後悔に奈落が形を与えたものなので。

ほとり:それはそれとして≪エレメンタルアシスト:炎≫です。ダメージ増加14、属性は<炎>に!

覚醒 :了解です、そしてさんくすです! ダメージは(ころころ)……114!! 「そしてこれが通常版! 覚醒剣・香典返し!」通常版の方が強かった!

GM :111通って……なんぼなんでも落ちた! ジュライ・シオノが「そこ、こだわるんだ」と苦笑しながら露払いをしたところに、覚醒の本命が一閃! ディーバダッタは両断され、嘆きの叫びを上げながら、奈落のチリへと変わっていく。

覚醒 :「技にはバリエーションが必要ですからね!」≪闇の手≫の効果で【HP】を6点回収しつつ。「とはいえ村雨、もっと制御する方法を磨かないとですね……」

GM :というわけで、戦闘終了だ。


 覚醒の刃が、釈迦の弟子を模した奈落の胴を薙いだ瞬間、洋一の脳裏に電光が走った。

 それは、知り得ざること。≪ガイア≫の加護を得たセイヴァーだからこそ触れ得た、知り得ざるべし真実である。


 それは、神が作り出した救世者の従者、神造人間だった。

 神は、彼等を通じて救世者に救世を強いた。自らを犠牲にしての救世を。それは確かに救世の『たった一つの冴えたやり方』であったが、同時に救世者という大いなる人を葬る神の陰謀に他ならなかった。

 人が、この世界の王となることを良しとしなかった、神の抑止力である。

 だが、救世者はそれを良しとした。ジャンヌ・ダルクがそうであったように。もっと以前の聖者達がそうであったように。

 だが、それを良しとしない魂があった。他ならぬ、神造人間である。彼等は神の陰謀の端末でありながら、それ以上に救世者を愛してしまっていたのだ。

 だから、神造人間は、救世者に牙を剥いた。救世者に死を……死すらも凌駕する破滅を逃れるために、その生命を終わらせようとしたのだ。

 それが、彼の……彼等の悔恨。転生を繰り返し、救世者が誕生する度に起動し、その度に救世者を裏切り続ける神造人間が、連綿と積み上げてきた悔恨の塊。

 それこそが、この地。ジュデッカに渦巻く悔恨の正体。

 愛故に裏切り、しかし誰にも望まれない。裏切らなければ、愛するものが滅びていく。どちらに向いても行き止まり。その業苦だけが、澱の様に積み上がってゆく。

 ジル・ド・レェがそうだった。他の、この地獄に現れた者達もそうだったのかもしれない。

 幾度も幾度も破滅を繰り返し、やがて壊れていった永劫の裏切り者。その業苦こそが、この奈落の根源だった。


”まったく、本当に”

 情報の奔流の中で、洋一は吐き捨てる。

”本当に、こんなんばっかり……っしょ”

 もし、人の運命を操る神が存在するならば、その示す運命は、何故こんなにも悪意に満ちているのか。

 誰もが救われたいのだ。誰もが救いたいのだ。

 だが、それを果たすための手段が、いつも自分と誰かの二者択一。そして色んな言い訳を見つけては、誰かを、そして自分を犠牲にすることを良しとする。

 そうするしかない、その餓えも、その悲しみも理解できる。だが、だが。


 ――そんなモヤモヤした感情に形が整う前に、洋一の意識は現実に帰還した。


GM :キミ達はついに、サクラダ・アウローラの棺に辿り着いた。本来、聖樹サクラダ・アウローラの核であったはずの場所に。そこは巨大な氷室の真ん中に、

洋一 :「っつぅ……いよいよ、一番奥、っしょ」鼻血ぬぐいつつ。(≪超過演算≫の使いすぎ)

ほとり:「……そうですね。今の戦いでずいぶん、色々使ってしまいました」

GM :そこで、ほとりのシャードに囁く声がする。いずみの声だ。「海辺ほとり、聞こえる?」

ほとり:「いずみさん! ええ、聞こえます」

GM :いずみ「ほんとはもっと早く届けたかったんだけど、ギリギリまで待てって、ヴァネッサ先生が言ったから……今から、私の残ってる力を全部届ける。あなたが思うように、使って」

 具体的には、いずみがシャードを通じて≪Ad.イドゥン≫を使用してくれる。

 そしてこれは、特別にこの時点で使用するのではなく、マイナーアクションで使用する使い捨てアイテム『乙女の祈り(ラ・プリエーレ・デ・ラ・ピュセル)』として受け取ることができる。効果は”そのメインプロセスの間、ブレイク状態などの制限なしに一回の≪Ad.イドゥン≫を使用する権限を得る”だ。

ほとり:えっ……。


*舞台裏*

ほとり:GM、それ、本当にその効果でいいんですか?

GM :え? なんかまずい? ルール上は特殊なものだけど特におかしいところはないはずだけど……。≪Ad.イドゥン≫では、「対象:範囲(選択)」だし、死亡状態からは回復できないし。

覚醒 :む、むー?

洋一 :(気づいたらしい)……これはマズいものを渡してしまったのでは(笑)

GM :????


 この時点で、GMはボーナス回復アイテムくらいのつもりであり、ほとりが言う『切り札』の意味に気づいていなかった。

 原理上、この『乙女の祈り』は、他の状況ではあり得ない、とんでもないコンボを成立させてしまうことに。

 GMは……気づいていなかったのだ。


ほとり:これは本当に助かりますね……。状況によっては起死回生の一打です! 「この力、確かに受け取りました」

GM :いずみ「……わたしたちの大事な聖樹、わたしたちをまもってくれてた人を、どうか助け出してあげて」というところで、力尽きたのか、声が遠くなる。

ほとり:「……わかりました。いずみさん。私の大切な、先輩」


 ほとりはいずみの祈りを込められたアミュレットを握りしめ、決然と顔を上げた。

「大先輩を、助けてきます」


GM :では、あとは準備を行ったら、最後のクライマックスに移行する。ここでは回数制限なしで回復行動を行って構わない。

洋一 :『メガMPポーション』飲むっしょ。

覚醒 :ワタシのポーションを、よっちーに渡しておきますかねぇ。

ほとり:とりあえず、できる限りの≪ヒール≫ですね……このレベルのエンチャンターは本当に≪ヒール≫ばっかりです(笑)


 一通りの回復処理を終えて、そして物語は最後のクライマックスに移行する。

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