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第二章:オープニングフェイズ 世界の姿、世界の色

■オープニングフェイズ 1 シーンPC:ほとり 登場:洋一は任意、覚醒は不可


GM :教室で授業を受けているシーンだ。初夏の熱気のたちこめてきた日々、冷房の効いた教室で今日も授業を聞いている。

ほとり:冷房……!

GM :この学校は生徒の生命を大事にするので、全教室冷暖房完備です!


 筆者の高校時代を考えると、羨ましい限りである。


GM :というわけで、それでもなお「だりー……」って顔でだらしなくしている同級生などを尻目に……今日もほとりは授業を受けている。

 ハンドアウトにもある通り、このところ連日連夜、町中に出現する奈落クリーチャーの類いと戦っているため、少々疲労が溜まり気味だ。

 登場する気がない場合、同じクラスの洋一は画面の隅っこで居眠りしていることになる(笑)

洋一 :いびきかいてます。突っ伏して。

ほとり:私もそれなりに疲れてるのですが、冷房のおかげでまだがんばれる気がしてきましたよ!(笑)

GM :なお、授業の内容は世界史だ。今中世欧州史のあたりをやっている。

ほとり:興味があるのであちこちメモしてます。

GM :三鷹先生「さて、ここでちょっと余談として、『魔女狩り』について話してみようか」


「欧州で『魔女狩り』に相当する魔法使い狩りが始まったのは、だいたい十五世紀半ばと言われている」

 三鷹教諭が語るのは、中世末期に欧州を席捲し、二十世紀に至るまで続けられたという『魔女狩り』についての歴史だった。

 本物の魔女であるほとりにとっては、「『ブルースフィア』から見た魔女」という点で非常に興味深い。

 魔女裁判は、もちろん『ウィッチレルム』と無関係ではない。むしろ、それを隠れ蓑として、『ブルースフィア』から『ウィッチレルム』の魔女を排除していたというのが真相の一面である。(もちろん、それだけが真相ではない)

 『ブルースフィア』で弾圧された魔法族が逃げ込んで作り出された世界、それが『ウィッチレルム』である。当時、『ウィッチレルム』もまた慢性的なマナ不足に悩まされており、その欠乏するマナを補填するために様々な形で『ブルースフィア』を侵略した。現在に伝わる『魔女』そのものや悪魔の何割かは、マナを奪取すべく『ブルースフィア』を侵蝕した『ウィッチレルム』の魔女だったのだ。


「特にピークを迎えたのが十七世紀だな。相次ぐ戦乱で民衆の不安と不満が溜まり、そこに追い打ちのように疫病が発生する。そんな中、民間が勝手にやり始めた『魔女狩り』は、まさにもう一つの戦争……『魔女戦争』とでも言うべき代物になっていった」

 教諭は比喩として口にしたが、『ウィッチレルム』ではこの時期をまさに『魔女戦争』期と呼称していた。

 『ウィッチレルム』のマナ欠乏が致命的な領域に到達し、奈落の噴出すらも招いた。この窮状を救うべく魔女達による『ブルースフィア』への大遠征が行われたのである。

 己の生存を賭けた『ウィッチレルム』と、侵略者に対抗する『ブルースフィア』の神秘組織の戦いは苛烈を極めた。

 だがそこで、予想外の事態が発生する。歴史の水面下で行われていた二者の対立が民衆の間に漠然と伝わり、誤解から無関係な人間が『魔女』として弾劾され始めたのである。

 『ウィッチレルム』の魔女が民衆に紛れていたということが、疑心暗鬼に拍車をかけた。完全に国家や神秘組織のコントロールを離れた『魔女狩り』は、欧州全体を巻き込む狂奔となり、多くの謂われなき『魔女』を生み出していった。


 そんな状況を劇的に改善し、世界の理を書き換えた魔女がいた。それが現在聖樹に名を残す聖魔女サクラダ・アウローラである。

 偉大なるクエスターでもあった聖魔女サクラダ・アウローラは、その圧倒的な力と高潔な人格から、『ウィッチレルム』の統治組織『ヴァルプルギスの夜』と、『ブルースフィア』の神秘組織……主に魔術師連盟との間に契約を結ばせ、マナの回収の認可と、その代償としての奉仕を取り付けた。

「十七世紀中盤から終盤にかけて、教会は私刑化していた魔女裁判を禁止していった。これによって地方による勝手な魔女の処刑が抑止され『魔女狩り』は沈静化していく。記録上、最後の魔女裁判は、二十世紀のセイラムが最後らしいがな」

 教諭が言う『魔女狩り』が沈静化した時期は、比較すると聖魔女サクラダ・アウローラの活躍した時期と概ね一致しているのがわかる。

 その後、聖魔女サクラダ・アウローラは自らの力の全てを注ぎ込んで、『聖樹』を生み出した。

 『聖樹』から発生する莫大なマナと、認可されたマナ回収者=『侵蝕者』の集めるマナによって、『ウィッチレルム』は滅亡から救われたのである。

 それが、当時から現在まで続く『侵蝕者』……『ヴァルプルギスの侵略者たち』の歴史の始まりだったのだ。


「更に余談だが、魔女といえばジャンヌ・ダルクは知っているな?」

 ふっと、意識が授業に引き戻された。

「よく物語などで『魔女』とされているジャンヌ・ダルクは、実際には魔女というより、間違った神の教えを騙った『異端』として処刑されている」

 その名前は、ほとりも知っている。

「この『異端』というのは、つまり当時の教会が指導する教典や論理から外れた行いをした……例えばまじないを使った、ということだな。実際、彼女の活躍は当時の文化的には信じられない事の連続だった。素人が、しかも年端のいかない少女が軍隊を率いて国を解放して回ったんだからな。その行いは、確かに魔法か何かの手を借りていると思われたのも、無理はない。

 そういう意味で、もしかすると彼女こそが、歴史上もっとも古い、本当の『魔女』だったのかもしれないな」

 ここで教諭の言う『魔女』とは、『魔女狩り』によってあらぬ疑いをかけられ、処刑台に散っていった人々のことなのだろう。

 ほとりは自らの喉に手を当てる。そこにあるのは≪真名の枷≫による呪いの枷。実際に触れられるものではないが、確かにそこには呪いが存在している。

 洋一が、『侵蝕者』の契約を知った時に、ひどく憤慨していたのを思い出す。端から見ればあまりにも理不尽な、魔女に課せられた枷。しかしこの契約が結ばれたことによって、無辜の人々に魔女の疑いがかかることを防ぎ、『ウィッチレルム』というセカイを維持することができているのだ。

 そして、ほとりは知っている。

 『ウィッチレルム』の歴史上に、ジャンヌ・ダルクの名を持つ『魔女』は存在していないということを。

 真に彼女は魔女ではなく、謂われなき人の憎悪を一身に受けて、炎の中に消えたのだ。


GM :……とまあこんな感じの歴史があることを、ほとりは知っている。

ほとり:長かったですね……(笑)

GM :ごめんよ、ここからのシナリオで、どうしても必要な設定だったんだ。


 実際のセッションでは、このあたりの解説はテキストファイルにまとめて、URLを貼り付けることで閲覧してもらっている。まともに解説していてはいくら時間があっても足りるものではない。


GM :重要なのは、過去の欧州において黒死病とともにマナ欠乏が発生していたこと、そしてそれによって発生した『魔女戦争』と、それを調停した聖魔女サクラダ・アウローラ、その力を注がれた『聖樹』の存在について認知しておいてもらえれば。

ほとり:黒死病でマナ欠乏が起きていたと言うのは、気になるところです……。

GM :ほとりの両親の病気も、マナ欠乏だしね。『ウィッチレルム』では黒死病は起きていないけど、昔の人々に区別がついていなかった可能性もある。

 教師の話を聞きながら、そんな歴史をほとりは思い起こす。つまり、『聖樹』と呼ばれる存在がマナを供給し続けることで、どうにか『ウィッチレルム』はその存在を維持し続けているということだ。

 そして、それですら不足しているからこそ、侵蝕者は魔女の樹を植えて、『ブルースフィア』からさらなるマナを回収している。そのシステムを揺るがせる可能性のあるものは、確実に発見し、排除しなくてはならない。

ほとり:つまりはシステムを破壊しかけない事柄や、『ブルースフィア』から融通してもらえるマナの供給を絶つような相手。ですね。

GM :そういうこと。なので、そうして状況を確認したところで、早くもシャードが疼く。【ジュライ・シオノのアルシャードを探索する】という使命だ。

ほとり:……これはシャードが告げるほどの急務。と言う事でしょうか。クエストは承ります。

GM :が、それを確認したところで、携帯がメール着信の音を、ほとりのケータイマナーに準拠する規模で鳴り響かせる(笑)


 突然、ほとりのポケットの中で、携帯電話が振動した。

「ひゃう」

 思わずあられもない声を漏らしてしまい、周囲の視線がさっとほとりに集まる。


GM :三鷹先生「ん、どうした海辺」

洋一 :「んぁ?」悲鳴で起きて胡乱げな感じに見てよう。

ほとり:「すみません、携帯電話の電源を切り忘れたようで、メールだと思うんですがそれでビックリして、しまいました。ご、ごめんなさい」

GM :三鷹先生「あー、そうかそうか。海辺は大人しいからまたアホ男子が悪戯したのかと思ったぞ。気をつけろ」

ほとり:「はい!」

GM :そんな感じで三鷹先生は何事もなかったように授業に戻る。話は再び欧州中世史に戻り、ルターの宗教革命あたりの話になっていく。

 で、授業が終わった後……だよね、メール確認するの(笑)

ほとり:そうですね。本当にすぐにでも必要な連絡なら、シャード通信や電話で無理矢理でも連絡を寄越すべきですし、そうでないならメールで充分です。

GM :メールを確認すると、そこにはチーム『SHIRANUI』宛に「七瀬中央公園への調査依頼【即日】」という、フューネラルコンダクターからの指示が。

ほとり:「また、おしごと、ですか」

GM :内容は、奈落クリーチャーの大量発生原因と黙されるホットスポットの探索だという。

ほとり:『ブルースフィア』の労働環境はこんなに忙しいのが普通なんでしょうか。そう言えば、24時間空いているお店もありますよね。『ブルースフィア』、怖い。


”了解いたしました。あとで合流いたします。かしこ”

 不慣れな手付きで画面をフリックし、メールを送信する。ぴろん、と軽やかな音を立ててメールが送信されたのを確かめて、ほとりは小さく溜息をついた。

「なんだか、少しはゆっくりしたい気がします」

 そして、少し肩を落として、校門へと足を向けた。



■オープニングフェイズ2 シーンPC:洋一 登場:不可


 メールに、気づくのが、遅れた。

 土曜、放課後、何気なく着信メールを確認した洋一は、そこに任務通達のメールが届いていることに気づいた。

「やっべ、マジやべえっしょこれ」

 慌てて荷物をひっ掴み、教室を飛び出そうとする洋一だったが、その背中を友人達が呼び止めた。


GM :急いで飛び出していこうとする洋一に、一ノ瀬サボ郎が「おーい、帰りにカラオケいこーぜー」と誘ってくる。後ろには二階堂がいて、黙って洋一のほうを見ている。

覚醒 :さぼろー……(笑)

GM :あ、もちろん本名じゃないよ! その隣には五代ちゃんもいることにしよう。いつのまにかなんだか仲良し。

洋一 :「あー、いや、悪ぃイッちゃんニカちゃん。バイトのヘルプ入っちまったっしょ」片手でごめんと謝る。

GM :一ノ瀬「なんだよー、天野最近付き合いわりーよ。そんなバイトして、海辺にプレゼントでも買うん?」うりうりにたにたと寄ってくる。

洋一 :「あー、いやまーほら、そんな感じ?」なははー、と笑って天を仰いで。

GM :一ノ瀬「ならしょーがないなー。よーし、じゃあ俺らだけで行こうぜ」 五代「そうね。それじゃまた、天野君」と手を振って一ノ瀬と五代は出て行くのだが、二階堂だけはその場に残ってじっと洋一を見ている。

洋一 :「んじゃまた来週ー……あれ? ニカちゃん行かねえの?」

GM :二階堂「……天野。海辺は……『何色』だ?」

洋一 :「ほとりちゃん? いや色ってイメージカラーとかそういうの? まさかパンツの色なんて言わねえよなぁ」目を逸らして。

GM :二階堂「……それもわからないんだが、そうじゃない」真顔で答えて「おかしな話だが、今見えている彼女の色が、『違う』というイメージが拭えない。具体的に何の事なのか俺にもよくわからないが……だが」

 じっと洋一を見据えて 「天野。お前になら……彼女が『見えている』のか?」

洋一 :「……。か、カノジョ?」


 一瞬、洋一の脳裏に、風に舞う銀色のほとりの髪が翻る。


洋一 :これはまともに答える訳にもいかないよなあ。「……いやニカちゃんあれ? 期末前に勉強しすぎた系?」

GM :二階堂「……………」じっと見据えて答えない。彼はマジだ。そしてその様子から窺えることとして。

 五代はまるで、前の事件のことを記憶していない。しかし二階堂は、わずかではあるが、前の事件を記憶している節がある。

 ちょうど、ほとりに出会う直前の洋一に近い状態であろうと考えられるね。

洋一 :「……」たじっと一歩引きつつ「……悪い、ニカちゃん。言ってることの意味わかんねえっしょ」友人を騙すことの罪悪感で引きつりつつ、そう言おう。

GM :二階堂「……そうか。なら、自分で突き止める」と、二階堂はさっときびすを返し、そのまま校外に出て行ってしまった。 

洋一 :「ちょ、ニカちゃん……!?」(ぽかーん)

GM :校外を見ると、迷彩カラーの原付でカッ飛ばしていく二階堂の姿が。

洋一 :「……なんか急にキャラ変わったというか……」心配になるなあ。思いつめてそうで。

GM :ではそこでシャードも告げる。【二階堂の行動に気をつける】だ。

洋一 :頂きます。

GM :嫌な予感が形になった感じだね。しかし無情にもぺろんとメールが届く。早く来い、という趣旨で、たぶん覚醒か四谷から。

覚醒 :サトリちゃん的にちょっと思うところもあるので、よっちゃんからでしょうか。

洋一 :「っと、やべ、行かないと……!」じゃあ慌てて鞄背負って走りだそう。


 駆け出す直前、二階堂が走り去っていた先に、ちらりと視線を向ける。

「……大丈夫だよな? ニカちゃん……」

 不安を拭うための独白。しかしそれが叶うことではないことを、シャードの【使命クエスト】が冷酷に告げていた。



■オープニングフェイズ3 シーンPC:覚醒 登場:不可 


 チーム『SHIRANUI』として、覚醒が果たすべき役割は多い。

 (まがりなりにも)社会人であること、神秘組織にもっとも強く繋がっていること、より豊かな経験を持っていること、他にもさまざまな理由があり、だからこそやるべき事が増えていく。

 ただでさえ、アイドル業というのは多忙なものだ。その合間を縫って――現状ではアイドル業を圧迫すらしているのだが――押し寄せる奈落災害に対応するには、移動時間も有効に活用しなければ追いつかない。

 ――そんな理屈でこのロケバスを手配させたときのブラックロータス卿の顔は、なかなかの見物だった。

 撮影機材や衣装……そしてその奧には刀や防具などの物騒な装備を満載したロケバスの後部座席で、ぱこんと化粧品箱の蓋を閉じた覚醒は、一人ひっそりとほくそ笑んだ。


覚醒 :ぬふーん。

GM :四谷が持って来た資料から、ジュライ・シオノ・アインスの存在を教わるシーンとなる。任務のブリーフィングの一環だね。

 ほとりと洋一と合流する前に、それこそロケバスの中で資料を眺めてる感じかな。四谷が運転して。

 覚醒が助手席か、後部座席にいるかは知らない。化粧してるとかでワゴンの後部とかにいたりするかもしれない。

「それが、ブラックロータス卿から指示された今回の任務の資料です」と、四谷がハンドルを握ったまま、資料を眺めるように促す感じかな。

覚醒 :では、仕事上がりのお着替えを終えて、資料に目を通しつつ溜息一つ。「……七瀬中央公園。サトリちゃん達の今の力なら、遅れは取らないとは思うけれど……」

GM :四谷「厳しい場所です。フューネラルコンダクターをはじめとする組織が結界を張っているため、一般人が近寄ることはないですが、それでもたびたび犠牲者が発生している。『エキドナ戦役』の傷跡はまだまだ拭えそうにないですね」

覚醒 :「よっちーもほとりんも、学生生活とクエスターの二足の草鞋で大変そうなんだから、せめて一回しっかりとお休み挟んでからが良かったとサトリちゃん思うんだよねえ。……まあよっちゃんマネージャーに言ってもしょうがないんだけど!」んぶーと頬を膨らませて。

GM :四谷「それを言うなら、アイドル生活との二足の草鞋をこなしている覚醒さんも同様でしょう。……ブラックロータス卿に苦情を上げておきましたが、このところ対応できる魔法使いの数が決定的に不足しているようですからね」


 四谷の言う『魔法使い』とは、神秘に知識があり対応できる能力者を広範に指すものだ。クエスターに限らない。


覚醒 :「サトリちゃんは死んでるから大丈夫ー† アイドルのお仕事楽しーし! 人手が足りないのは仕方ないけどスケジューリングはちゃんとしてほしいよねー」

GM :四谷「そちらについては善処させてもらいます」と苦笑。「今回の仕事は、まさにその一件の原因調査です。中央公園のどこかに存在するホットスポット、奈落クリーチャー発生の原因となっているポイントの特定が目標となっているのですが……別紙を見て貰えますか? 資料番号B-7」

覚醒 :「……ん? B-7、B-7……」ぺらりぺらり(資料をめくる音)。

GM :B-7資料は、『侵蝕者』関係の資料のようだ。過去の『守護者』が、担当する『侵蝕者』とともに中央公園で『魔女の樹』を植えたという記録がある。

 そこに見逃せない記述が一つある。「使用された機材は、『レルムシード』と呼ばれる秘宝。正体は不明だが、箱には『ジュライ・シオノ-アインス』とおそらく個体名が刻まれていた。名前の意味は不明」

覚醒 :ニコニコしながら資料をめくって、表情が固まる。「……しおの。アインス……1番目、ってことは、多分、最初のってこと、か……」

GM :四谷「連盟の方の担当した『侵蝕者』と『守護者』だったため、こちらには情報が来なかったようですね。……まあ、一見些細な話ですし。……どう思いますか?」

覚醒 :「……多分最初のレルムシードが、七瀬中央公園にあったっていうのは……多分、あの子が奈落の側にあるのと、無関係ではない、と、思う」

GM :四谷「魔女の樹がマナを吸収し、『ウィッチレルム』に転送するシステムだとすれば、それが奈落に汚染されたならば、それを通じて『ウィッチレルム』に奈落が流れ込む可能性も……捨てきれませんね」

 そう言って、四谷は奈落に汚染され、思うように動かない右腕をもぞりと動かす。

「調査の方針はリーダーである覚醒さんに任されています。……公園の内部は異界化し、見た目以上の広さになっているとも聞きます。探索には相応の準備が必要ですし、定期的にキャンプを設置して撤退することも視野に入れた方がいいでしょうね」

覚醒 :「……ああもう、出来ればあの二人に無理はさせたくはないんだけどなあ。また無茶に付きあわせちゃう」笑顔で明るく言うけれど、目の辺りには影がかかって表情が見えない感じで。

GM :四谷「……それを支えるのが、『守護者』の役目でしょう」苦笑しつつ。

覚醒 :「……あちゃー、一本取られたネこれは! よっちゃんマネージャー腕上げたね~全くその通りだぁ!」一拍遅れて、たはーという顔で明るく。

GM :四谷「そしてそんな『守護者』を及ばずながら支えるのが、私の役目です」

覚醒 :「うんうん、頼りにしてる!」後ろから前の座席に少し乗り出して笑顔で。

GM :さて、そこでシャードがクエストを発行しよう。【ジュライ・シオノ-1を見つけ出す】だ。

覚醒 :拝領致します~。「よし!急いで二人と合流だー!よっちゃーんゴー!」(>▽<)な顔で少し空元気な感じではしゃいじゃいます。

GM :四谷「了解です」苦笑して車を走らせ、いつもの待ち合わせ場所に到着する。ここから合流し、中央公園に向かうことになる予定だ。

 そこには穏やかに、強すぎる日差しから逃れているほとりと、息も絶え絶えで遅刻を誤魔化している洋一の姿が見えることだろう。



*舞台裏*

GM :ああ、そうだ。今回もPC間コネクションの更新をそれぞれよろしく。


 洋一 →ほとり[慕情]

    →覚醒 [同志]

 ほとり→洋一 [秘密]

    →覚醒 [同志]

 覚醒 →ほとり[幼子]

    →洋一 [幼子]


 結果、このようになった。

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