第一章:『レプラカーンの迷宮』 プリプレイ
そんなわけで第二話、構成上は第一章の開幕だ。
第一章というだけあって、物語はここから本格的に始動する。
今回の物語では、起承転結の『承』。クエスターとなった洋一とほとり、そしてその守護者たる覚醒の三人がチームとなるまで、そしてこの世界に忍び寄る脅威の片鱗に触れるまでを描く予定だ。
さて、どうなることやら。細工は流々、仕上げは極悪非道。いざ、ゆるゆるとご覧下さいますよう、お願い申し上げます。
■プリプレイ
GM :では、『ヴァルプルギスの侵略者たち』の続きの実施とさせていただきます。
一同 :はーい!
GMの宣言で、セッションが始まる。
なんとなくなあなあで済ませてしまいがちな開幕宣言だが、これが結構大事だったりする。プリプレイタイミングでの宣言をさせる機会になる(結構忘れがちなのだ、これが)ほか、セッションを開始するという宣言は、参加している人間全員の気持ちを引き締める効果が期待できる。
GM :まずは、各PCの成長報告からお願いしますか。まずは洋一から。
洋一 :了解っしょ。
●天野 洋一 キャスター2/サイキック2/レジェンド1
▼ハンドアウト
コネクション:妖精レプラカーン 関係:迷子
キミの世界は変わった。
海辺ほとりと共にクエスターへと目覚めたキミは、この驚異と脅威に満ちた世界を目の当たりにする。
自分がクエスターとかいうものになったとか、奈落とかいうものと戦わなきゃいけないとか、わけがわからない。
まずは世界の理を知る必要がある。キミは仲間となった二人とともに、魔女の世界へと赴いた。
そしてそこで、迷子の『妖精』と出会ったのだ。
洋一 :まず、キャスター2で≪ダブルマジック≫、サイキック2で≪元素掌握:炎≫。
GM :堅実に火力を上げてきたね。
洋一 :何故かこれでサイキック魔法装備「水氷舞踏」の購入条件を満たせるけど……これで≪ダブルマジック≫すると今の遠距離射撃型から近距離パワー型(10~15m)になっちゃうんすよね。
ほとり:それ少し辛いですよね。範囲攻撃がムーブアクションのサイキックにとっては、敵が遠い配置はわりと鬼門ですから。
GM :≪元素掌握≫は属性縛りがあるべきかとも思ったけど、今のところ制約はしてなかった……かな?
洋一 :してないんすよねえ。なんでエラッタが怖いので「アイスブリット」と「念動魔手」の切り替えで射程と火力確保。状況に合わせてマイナーアクションで魔法装備を切り替えようかな、とか。
GM :確か防具着てなかったけど、そっちは?
洋一 :魔導値不足対策に、「マジックローブ」買ってます。どうやって入手するのか悩んでるッスけど……。
GM :(ふむ……)
ここでGM、悪い事を思いついた。だが今のところは黙っておくことにする。
GM :さて、次はほとり、お願いします。ハンドアウトはこんな感じ。
●海部 ほとり キャスター1/オーヴァーランダー2/エンチャンター2
▼ハンドアウト
コネクション:双子のシャード 関係:使命
キミはクエスターに目覚めた。
期待よりも予想よりも早い目覚めに、ウィッチレルムは沸いた。
戸惑いながらも、キミは叔母……”八手鬼女”ヴァネッサ・エインセルの命により、灰岡覚醒を『守護者』として契約を結ぶため、ウィッチレルムに帰還する。
そこで知らされた真実。そのうちの驚くべきものの一つは、キミのシャードと洋一のシャードが、双子のように似通っているということだった。
ほとり:はい。私はGMがせっかくデータを作ってくれたので、まずオーヴァーランダーをあげて≪異界の魔≫を取っておこうと思います。世界魔法ですよっ!
GM :今回から、「世界魔法:ウィッチレルム」の魔法装備を実装しました。まあ、折角の異世界人必須ハンドアウトなんだしね。
世界魔法とは、オーヴァーランダークラスが特技≪異界の魔≫を取得した際に購入可能となる魔法装備だ。基本的にその出身世界、もしくは「力の源となっている世界」を一つ選んで、そこの魔法装備を購入可能となる。
現時点(2015年6月)で、公式には『ブルースフィア』『ミッドガルド』『ネクサス』の世界魔法が用意されている。どれも個性的で面白いものばかりだ。
本キャンペーンで使用されている「世界魔法:ウィッチレルム」は、そのリストを章末に掲載している。
ほとり:戦闘用の魔法装備を「妖精光球」と「魔女の秘薬」に変更。それから状況次第で入れ替えのために「妖精の粉」と「疾風の翼」を購入しました。
GM :(ち、「呪詛の指さし」はなしか)
「妖精光球」は<光>属性ダメージを与える攻撃魔法、「魔女の秘薬」は回復魔法や特技、アイテムの効果を強化する。他について詳しくは使用時に解説をすることとしよう。
ちなみに制作者一押しの「呪詛の指さし」は指先からガンガン呪詛の弾丸を撃つ攻撃魔法装備である。現在(2015年6月)放送中のアニメでヒロインが乱射しているアレをイメージしているのは否定できない。
ほとり:特技は世界魔法のために≪異界の魔≫、それからエンチャンター2レベルで≪クイックヒール≫を取得しています。
覚醒 :【HP】消費の特技が増えてるから凄く助かる!
GM :では、その【HP】消費が凄くなった覚醒の番ということで。
●灰岡 覚醒 アタッカー1/サムライ1/ダークワン3
▼ハンドアウト
コネクション:約束の記憶 関係:忘却
珠来しおのは立ち去り、新たなクエスター二人が現れた。
行方不明だった相棒と再会し、新たな仲間が生まれたことは喜ぶべきことだ。しかし、その経緯を考えると素直に喜ぶことはできない。
奈落に堕ちたと思われる珠来しおのは何を目的としているのか。「約束を果たしに来た」という約束はどのようなものだったのか。
キミは、新たな『守護者』の役割を果たしつつ、かつて失われた記憶を取り戻さなくてはならない。
覚醒 :サトリちゃんはダークワンを3レベルに。特技と持ち物をリビルドしてカバーアップ特技を≪闇の外套≫に。魔法は「ダークブラッド」をなくして「フォーメーション:ファランクス&シールド」で攻防を強化、さらに「死者の痛み」を買い足して防護点を更に伸ばしました。
GM :当面、刀が奈落装備である必然性がなくなったってことかな。
覚醒 :です。≪夜の眷属≫といい【HP】を代償とする特技・魔法がガツンと増えたので防御! 代償! いーずーれーもー(【HP】が)マッハ! な状態に。
ほとり:それも考慮しての≪クイックヒール≫です。
覚醒 :感謝感激! とはいえ自前でもHPポーション2本常備、かつマイナー特技がないので回復は大丈夫かな、とは思います。ただしダイス目による。
GM :あるに越したことはないからねー。
覚醒 :それから、サムライ特技を差し替えて≪士道≫を取ったので、ブレイクしたらしたで攻撃力伸びるよ!
GM :群れも呼ぶようになったし、なんだかさらにしぶとくダークワンっぽくなったな!
5レベルに上がったことで、全員がそれぞれの役割を調整しながら強くなっているのがわかる。
覚醒はほぼワントップのアタッカー&ディフェンダー。ほとりはその耐久力を支えつつオールラウンダーの支援役。そして洋一は高速かつ絶対無敵の大火力。
人数が少ないがゆえに、役割に特化しているとそのぶん瓦解するのも早くなる。実際彼らがうまく噛み合っていくかどうかは、今回のシナリオ次第というところでもあるだろう。
GMとしては、それぞれの個性を把握した上で、活躍させつつ程ほどに痛めつけてやらなくてはならない。
ふふふ、今度は完封など許さぬぞー許さぬぞーぬぞーぞーぞー(残響音含む)
GM :さて、そんなところかな。では、セッショントレーラーだ。
その日から、世界が変わった。
大きな力と、窮屈な義務。重たい使命に、恐ろしい敵。今まで知らなかったものが、隠されていたものが目の前に現れる。
訪れたのは、魔女の世界。そこで知らされる、自分たちの役割。ジュライ・シオノが語った軛の正体は、未だ掴めないまま。
そんな中、一人役目とは無縁だった洋一は、魔女の森の片隅で、小さな妖精と出会う。
その名はレプラカーン。人を惑わす陽気な小鬼。
そんな彼の好奇心が『ブルースフィア』に災厄をもたらす。永遠に続く、心の迷宮へと。
アルシャード・セイヴァー『ヴァルプルギスの侵略者たち 第一章 レプラカーンの迷宮』
――そして、青き星と魔女の世界に、また奇跡が生まれる。
GM :こたびも、どうぞよろしくお願いいたします。
一同:よろしくお願いします!!
ちなみにPC間コネクションは、オープニング終了時点でお互いの立ち位置を見て決めてもらうこととした。
追加加護については、クライマックスクエスト発行時に選択するものとして考えている。




