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セカンド•ヴァーチャル  作者: ホイホイ
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page3

更新が進まない 汗

そのまま走っていると頂上が見えてきた。頂上に着くとそこから街が一望できる。


そこに広がるのはまるで森のように立ち並んだ壊れた、または廃墟になったビルの群れ。四十年前はここも大都市圏の一部でかなり栄えていた町の一つであった。こうなったのはここ二十年で世界の人口が、三分の一にまで低下したのが原因だろう。


原因は様々に考えられるが、主な原因は中東、ロシア、東アジアを中心に猛威を振るった伝染病で在るとされている。“ユーラシア•パンデミック“とも呼ばれるものだ。


これは日本でも猛威をふるい、ワクチンがなく接触感染することから今でも使用できない地域は日本全土の七十%にも及んでいる。ここもそれはそれは地獄絵図みたいだったらしい。


他の地域もどこも同じようなものだ、とテレビで言っていた。


現在でも治療法はなく、汚染地域に長く留まれば、命はないと教えられている。


人口も減ったが、それを上回るほど圧倒的に土地や物資が足らない。


そんなこんなで各地で紛争やら揉め事やらが多発している状況だ。


そんな中でVRMMOが流行ったのも仕方が無いことなのではないだろうか?何処かでストレスを発散したかったんだろう。


ふと‥あの女が何処かで話していた言葉を思い出す。


『私たちの世界がこうなったのも私たちのせい。これは私達人類がどうにかしなければならないの。けしてーーーになんか逃げてはいけない。』


思えばあの女は同じようなことばかりを言っていたな。でもなんだ?今でも記憶に引っかかりが有るような気がする。特定の言葉や情報だけ思い出せないような‥?


あぁ!もうやめやめ!あの事件は終わったんだ。今更考えて何が変わるってんだよ‥‥‥‥くそッ‥。


イライラするなぁ‥‥


その時電話がかかってきた。携帯をみて誰からか確認する。


着信•井上陸


こいつかよ‥‥


街を見るのをやめて携帯に出る。


「‥‥もしもし?」


「おいシュウ!ようやくでたな!おい!どこほっつき歩いてんだお前!もう直ぐコンサート始まるぞ!それに今日はあの愛ちゃんも来るんだぞ!」


いきなりのハイテンションと声の大きさに驚いてさっきまでのモヤモヤが何処かへ吹っ飛んで行ってしまった。


‥‥そういえばこいつも東条愛のファンだったな。毎回毎回サイン入りの服とか見せてきてうっとーしーのなんのって‥まぁこんなんでも俺の数少ない友達だしな


「あーはいはい。あと五分ぐらいでつくから!待ってろ!」


「そうなの?以外と近くにいるじゃねーかよ!寝坊ばっかのお前にしては珍ーーーーー」


うるせえ。電話で大声で喋るなよ。あまりにうるさいので切ってやった。


走行しているうちに見えてきた。


コンサートホールに入ると満員だった。その中で陸を探して回る。


音楽が流れている。どうやらプログラムはだいぶ進んでしまったらしい。


俺は来たのはギリギリだしな。しょうがないか。


あっいた。おい‥‥寝てんじゃねぇかよ!お前ファンなんだろ!寝てていいの!?そろそろ出てくるぞ!


「ありがとうございましたー。えー次はモデルの東条愛さんの登場です!みなさん拍手でお迎えください!」


司会がそう言うと舞台の袖から一人の女が出てくる。


やっぱりそうか‥朝のやつだな。しかし改めて見てみるとスタイルいいなー‥まさにボンっキュッボンって感じだ。


このまま見れないというのはかわいそうだし、俺の友達(仮)を起こしてやるか


「おい‥おい!起きろや!起きねぇとお前の頭の毛全部狩るぞ!」


「は‥‥はい!だから薄くするの(髪の毛的な意味で)はやめてぇ!‥‥‥っ‥あー?んだよ!お前かよ!ビックリしたー‥ってもう出てきてるじゃねぇか!やばっもっと早く起こせもがっ」


うるさいので口を塞ぐ。ここはコンサートホールですからねーもう少し声を落としましょう。


おっ?舞台上の東条愛がマイク持ち出したぞ‥え?歌うの?


「それではー東条愛さんに歌っていただきます。」


やっぱり歌うのか‥俺は陸の口から手を離して隣に座る。


ヨダレで手がべちゃべちゃじゃねぇかよ‥陸よ‥お前は犬か何かか?


横の陸を見ると暗闇からでもわかるぐらい興奮していた。‥‥‥これで尻尾ついていたら犬だな完全に。


しばらくして音楽がなり出した。俺はそっち方面に疎いのでよく知らないけど、曲はバラード系のようだ。


‥‥‥しかし、この声‥‥何処かで聞いたような‥懐かしいような‥


まぁ有名な曲っぽいし街とか店とかで流れるのを聞いたんだろ。


そう思考を巡らしている時だった。


視界が真っ白に染まり、音が一切聞こえなくなった。


は?‥え?なんだ?‥‥‥‥‥‥グッ!


何が起こったのか確認するまでもなく急に頭に痛みが走った。尋常じゃない。まるで大勢の人に鈍器で殴られているようなそんな痛みだ。


あまりの痛みに視界がチカチカとする。


‥‥なん‥だこれ‥‥なんだ‥何か‥聞こえる‥


『さーーーにーーがーーーいもーーをたのーーわ』


これは‥あの女の声か?‥‥くそッなんて言ってるかわからん。


『気を付けなさい。ーーーはこれで貴方に目をつけたでしょう。おそらくここから出てもすぐにーーーは次の手を打ってくる。何を言われても貴方は騙されてはダメ。間違えないで、この世の中にーーーなんてないのだから』


何を言っている?なんのことだ?なんだよーーーって‥なんだ、何か大切なことを忘れているような気がする。ーーーーーダメだーーーあーーものすごく眠いーー







意識が完全に闇に飲まれる瞬間。誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。


読んでいただきありがとうございます

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