ゴースト・13
ジムリアー連邦の居住用コロニーからは離れた暗礁地帯。岩塊が水泡のように宇宙に浮かび、食い荒らされた野生動物の亡骸のように、岩塊に衝突して破壊された輸送船や宇宙用人型重機の残骸が浮かぶ。
その中でも一際大きな岩塊。巨大な芋にも似たそれが、動いた。まるで、花が咲くかのように内側から岩塊がめくれ上がる。
岩塊内部にあったのは、大型の輸送船。そしてその輸送船内部から、三機のエーテルギアが発進する。
一機目。
暗赤色の機体色。曲面を多用した装甲。タワータイプの大型スラスター。そして何よりも、その手の戦槌。
プリェードク・フレームカスタム機『ジマー』。先の戦闘で受けた損傷は修復済みである。
二機目。
プリェードク・フレームに似た曲面装甲をしているが、全体的に一回り小さく、人間でたとえるなら引き締まった身体造詣をしている。薄く濡れたような淡い色の機体色。頭部は通常のカメラの上から、四角い三連ガンカメラを上乗せしている。その一番の特徴は右腕だろう。下腕部に、機体全体のバランスを崩すレベルで長大な、見ようによっては鞘に収まった長刀にも見える物が、機体上方に向かって伸びている。それは両側面にPパックを備え付けた、長大なロングレンジ・プラズマガンなのだ。左腕の下部には、交換用のPパックを装備している。
パトーモク・フレームカスタム機。名は『サスーリカ』。
三機目。
フレームはサスーリカと同様の特徴を備えている。機体色は、蜂のような黄と黒のツートンカラー。最も大きな特徴は、巨大化した両肩と、背部から下方に伸びる大型のウェポンラックであろう。内蔵されているのは、エーテルギアにおける高機動戦闘では近接兵器として扱われる、ミサイルだ。
サスーリカと同じく、パトーモク・フレームカスタム機。名は『メチェーリ』。
三機のエーテルギアはプラズマ・ロケットにより、粒子を噴射しながら、岩塊をかき分けるように輸送船から離れていく。音の存在しない宇宙を、まるで泳ぐかのように。
先頭を行くのは、ジマー。それにメチェーリ、サスーリカと続く。
死神の列が向かう先に見えるのは、ジムリアー連邦の居住用コロニーだ。三機のエーテルギアは、そこに向かって進んでいく。
コロニーを破壊し尽くすのにすら充分な兵装を蓄えて。




