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なにを手に掴むのか

作者: をりふで
掲載日:2026/02/05

 差し伸べられた手を見て、どうしたらいいか困惑する。

 その手を払い除けて、逃げ出したい。

 誰かを傷つけるのも、誰かに傷つけられるのも、

 怖いから。

 自分からいることで、

 誰かの荷物にならないか考えてしまう。

 一人でいた方がいいのだろう。

 けれど、その手を取って、すがりつきたくもある。

 誰かと苦楽を分かち合いたい気持ちも、

 わずかながらにある。

 一人でずっと立ち続けるのは、

 相応の覚悟と忍耐、信念、屈強さがいる。

 拠り所や支えがないのだから、なおさらだ。

 どちらを選んでも、自分本位な考えだと思う。

 自分自身がいやになる。

 こんな惨めで苦しい思いをするのならば、

 死ぬまで一人でいよう。

 悲しくても、寂しくても、人恋しくても。

 夜の眠りにつく前、

 胸を掻きむしりたくなる痛みに耐えて、

 涙を流した数は、どのくらいだったか。

 今はもう、心は砂漠と化している。

 涙とともに楽しさ、喜び、嬉しさは流れ落ちた。

 どうせなら、苦しみ、悲しさ、寂しさも

 流れてしまえば、よかったのに。

 心を触れることができたら、

 きっと凍りついていることだろう。

 温かさや熱は消えてしまった。

 死への怖さも感じず、

 今か、まだ来ないのか、順番がと日々思う。

 死を願ってやまない自分に、

 まさか手を差し伸べてくれる人間がいるなんて。

 目の前のことが、信じられない。

 長い沈黙の中、答えを出さない自分を、

 相手は急かすことも、苛立ちを見せることなく、

 ただ待ってくれている。

 自分は考えた末に目を泳がせた後、動いた。

 選ぶのはーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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