なにを手に掴むのか
差し伸べられた手を見て、どうしたらいいか困惑する。
その手を払い除けて、逃げ出したい。
誰かを傷つけるのも、誰かに傷つけられるのも、
怖いから。
自分からいることで、
誰かの荷物にならないか考えてしまう。
一人でいた方がいいのだろう。
けれど、その手を取って、すがりつきたくもある。
誰かと苦楽を分かち合いたい気持ちも、
わずかながらにある。
一人でずっと立ち続けるのは、
相応の覚悟と忍耐、信念、屈強さがいる。
拠り所や支えがないのだから、なおさらだ。
どちらを選んでも、自分本位な考えだと思う。
自分自身がいやになる。
こんな惨めで苦しい思いをするのならば、
死ぬまで一人でいよう。
悲しくても、寂しくても、人恋しくても。
夜の眠りにつく前、
胸を掻きむしりたくなる痛みに耐えて、
涙を流した数は、どのくらいだったか。
今はもう、心は砂漠と化している。
涙とともに楽しさ、喜び、嬉しさは流れ落ちた。
どうせなら、苦しみ、悲しさ、寂しさも
流れてしまえば、よかったのに。
心を触れることができたら、
きっと凍りついていることだろう。
温かさや熱は消えてしまった。
死への怖さも感じず、
今か、まだ来ないのか、順番がと日々思う。
死を願ってやまない自分に、
まさか手を差し伸べてくれる人間がいるなんて。
目の前のことが、信じられない。
長い沈黙の中、答えを出さない自分を、
相手は急かすことも、苛立ちを見せることなく、
ただ待ってくれている。
自分は考えた末に目を泳がせた後、動いた。
選ぶのはーーーー。




