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ラジオ

作者: 安野雲

「何を見せられているんだろう?」

そんな言葉が、きっとあなたの脳裏をよぎるでしょう。


でも、それでいいのです。

ボールカウントはワンストライク28ボール。

さあ、大巨人チーム得点圏 17塁までランナーをすすめました。

おっと、ここで残念なことにランナーの打順です。

ピッチャー慎重に17塁の打者に向かって投球です。

打った!打球は4塁手の頭上を超え、ゴールへ一直線!3ポイントシュートが決まったー!

これには抗議入りましたね。ゴールラインに選手の身体が入っているかどうか、そこが問題です

審判団による協議の結果、とりなおしとなったようです。

各選手、一斉にスタートラインに並びます。

フライングは許されません。

キックオフのホイッスルが鳴り響く。

ホイッスルに合わせ、コーラス。静かなフルートの音色から打楽器。


主旋律から転調、そして右ストレート。


ファール。粘りますね。

いえ、インプレーです。

トリプルルッツからの大外刈。素晴らしい流れですね。

一本! 一本決まりました!

二本目、三本目にも期待が高まりますね。


残念ですがここでハーフタイムです。

会場からは落胆の声が聞こえますが、ここは気持ちのリセットして次に挑む場面です。

高々と掲げたラケットからのサーブ、フォールト。

クラブを持ち替えての22番ホール。現在3位タイ。


ドームには熱気渦巻く。フィールドに咲く花。水やり、肥料、そして収穫。

通勤電車に揺られ、渡米。


メジャーでの測量。慣れない母国語を必死に覚え、旧知の友人と制限時間いっぱいまで語り合った。有効!


3カウントでの敗北を跳ね除け、ひたすら声を枯らす。

歌声は海を超え、はるかなアンドロメダに至る。

光速の船は、瞬く間に失速。

暗黒の超新星に巻き込まれて、セーフ。塁審はよく見ている。

だが、これは観測問題だ。指導が入ります。

苦しい展開ですね。息継ぎを省略が活路となるかの瀬戸際です

壁を蹴ってのターン。わずかに頭が出ているので、続行です。

非常に高度な技ですが、シュレーディンガーの猫のごとく名前はまだない。

長いトンネルを抜けるとそこは、誰も知らない殺風景。


犯人は、奴に違いない。ペンを握りしめ疾走するラーメン店。一方的なリードです。

暖簾をくぐると、香ばしい香りに包まれる。判断が分かれますね。


あたりだ。今更だが腹が減った。


遠くで狼の遠吠えが聞こえる。大自然。森林の住んだ空気。

川のせせらぎ。

みんな大好きだ。殺したいほどに。

熱意が伝わりますね。


紅茶の香り漂う空間はまるでホテルのロビーの如く一瞬の時間を切り取る。

長きにわたる戦いは、今終わり始める。

終焉の連鎖。多くの無の集う不気味な幸福感。

ピッチャーはこれが最後ですね。控え投手はもう登録がありません。

至極の一杯とフライドチキン。


これは反則だ。10カウントまでしか許されない。


それだけでは十分すぎる空虚。無我へのあくなき探求。強い意志か煩悩か。

ペナルティエリアは意外と広いものです。



ゲームセット。3-4 攻防戦は幕を閉じる。

続く。


この物語を手に取っていただき、ありがとうございます。


一見すると、脈絡のない言葉の羅列のように感じるかもしれません。しかし、私たちが生きる日常もまた、予測不可能な出来事の連続であり、ときに常識では測れない感情や思考が交錯しています。


この作品は、そんな混沌とした世界の断片を、私自身のフィルターを通して紡ぎ出したものです。様々なスポーツの要素、あるいはSF、そして日常の風景が、あたかも無秩序に、しかしどこかで繋がっているかのように現れます。


どうか、頭で理解しようとせず、心と感覚でこの言葉の波を感じてみてください。あなたにとって、この物語が新たな発見や、言葉の持つ不思議な力を感じていただくきっかけとなれば幸いです。

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