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大ピラミッドの石を積み上げることは不可能なのか?  ④

大前提について語ったところで、いよいよ石材の運搬と積み上げの話となる。

それこそ現在のような重機がないのだから、すべて人力となる。

そして、古代エジプト人が積み上げに使ったのが傾斜路。

これについてはもう少し後にもう一度話題にするが、最初に言っておかねばならないことがある。


傾斜路を使う不自然さを語る者たちの主張する問題のうち大きなものを並べる。


石を積み上げるための傾斜路をつくるのはピラミッドをつくるのと同じだけの石材と時間が必要となる。


それだけのものがあったのならその痕跡があるはずだがそのようなものはどこにも存在しない。

つまり、傾斜路を使った証拠はない。


最初の問題点については、そもそも彼らは傾斜路をピラミッドと同じような石材を使って作ることを前提にしている。

もちろん彼らの主張どおり、ピラミッドの核を成す石灰岩を切り出し、積み上げていくという工法で傾斜路を造営したのであれば、ピラミッド本体と同じだけの量の材料と時間が必要になるだろう。

だが、実際には傾斜路は大きめの石片や日干し煉瓦で枠をつくりそこに土砂を放り込んでつくる。

せっかく苦労して切り出した貴重な石材をそんな場所で使うなど古代エジプト人だってしない。


だが、その程度のもので石材を運搬作業をする作業ができるだけの強度が保たれるのか。


そのような疑問がありそうだが、これについては世界各地でそれを証明するものが残されている。


古代中国は有名だが日本でも盛んにおこなわれた版築。

中東からアフリカで使用された日干し煉瓦製建物。


後者について例を挙げれば、エジプトのダハシュールなどで見ることができる日干し煉瓦製ピラミッド。

そして、アマルナに遺構が残る王宮や住居やルクソール西岸のラムセウムの倉庫群はすべて日干し煉瓦でアマルナの住居は二階建てのものを存在した。

アマルナについていえば、現在の陸橋のようにその下が通行できるような橋の跡も残る。


それからピラミッド建造に傾斜路を使った痕跡があるかどうかについてだが答えはある。

まず、ピラミッドではないが巨大建造物をつくる際に傾斜路を利用した痕跡で一番見やすいものはカルナック神殿第一塔門内側に残る傾斜路跡。

続いて、ピラミッド建造に傾斜路が使われた痕跡として中部エジプトの有名な遺跡群アビドス近くのシンキのピラミッドには四方に傾斜路跡が残っている。

さらに、意外に知られていないがギザの大ピラミッド南、南東側の2か所に傾斜路跡が残っている。

南側のものは本当に存在した痕跡だけであり、より分かりやすい南東のものは一見すると周壁のように見えるが、いくつかのブロックに分けられた石片でつくられた区画に砂利が詰められている様子が伺える。


ただし、大ピラミッドをつくったときに使用された傾斜路はもちろん現在は存在しない。

当然ながらそれらは完成後撤去されるべきものであり、さらに、もともと傾斜路が存在したはずのピラミッド南側にはその後新たな建造物がつくられたからだ。

そこに第二次世界大戦前後の大発掘であったかもしれない痕跡はすべて撤去されてしまった。

その撤去の規模がどれくらいのものだったかは、ピラミッド近くにあるスフィンク周辺の過去と現在を比較すれば理解できるはずだ。


まあ、どれだけ証拠を示していても、完全な証拠以外は認めないという者たちはこれでも納得しないだろうが、ここは僅かな証拠というか過去からのメッセージに基づいて推理をする場。

とりあえず話を次の段階へ進める。


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