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Obedience World  作者: ふじかわ まこと
第一章 運命の歯車
1/1

プロローグ『改札口』

「はぁ…また落ちたか…」


 今回で司法試験は4回目。世間体としては司法浪人ということになる。

 物心つく前に両親を亡くし、26年間は親の愛情というものを知らず生きてきた。

 

 そろそろこの家の家賃も払えなくなってきた頃合いだ

「生きてる価値あるのかなぁ…俺って」


―その日の晩に今日あったことを忘れる為酒に溺れていると…

「ん?あ…酒切れてんじゃん」


 勿論、最後に買った日は3日前程だったろうか。

(にしては早えーな)


 我ながら酒豪なのではないかと1人考えながら俺は夜道を歩き出す事となった。


―最寄りのコンビニに着いた。


 高校生くらいか?そのくらいの歳の男子がバイトで出ている。


 俺なんかよりよっぽど立派だなぁなんて自分を棚に上げる台詞しか脳裏に浮かばない。


いつも買う酒に手を伸ばそうとした時だったか。


 コンビニの入店音と同時に黒いパーカーに灰色の地味なジーパンを着てキャップを深く被ったマスクの男(明らかに不審者だと分かる)がバイトの子に刃物を突きつける光景が目に飛び込んで来た。


(おいおい、漫画みたいな展開だな)


 咄嗟に出てきた正義感からか強盗を取り押さえようとすぐさま走り出す。


 向こうもそれに気付いたらしく飛び出すようにコンビニの自動ドアへ駆け込む。



 俺は逃げられる前に強盗の肩に手を伸ばした。…


 すると男は持っていた刃物で俺の胸部を刺すという強行手段をとった。

 さすがの俺もこの行為には倒れる他無いしどんどん今まで失われる筈ないと思っていた感覚が消えて行く…



(あー…俺の人生ってこんなもんだったんだな)




………。  …………。





 

 (ん?意識があるぞ。俺は死んだんじゃないのか?)




 そう思い、ふと横に目をやると看護師が立っており喜ぶ顔が目に写る。


 

 (良かった。俺はあの状況下で生きていたらしい!)


 そんな事を考えている間に俺の体は何者かによって抱き抱えられた。


 

 謎に感じた暖かいその感覚は俺を安心の渦へと誘うかのようだった。

 

 そしてその瞬間俺は気付いた。

 目測でも分かる。俺より何倍も大きな女性が俺を抱いていたのだ!


 

 俺は自然に自分の体を見ようとするが見る事が出来ない。


「あれ?この子泣かない!?泣いてない!院長呼んできます!」


 

 

 は?泣く?待てよ…つまり俺って今…


看護師の言葉に耳を貸さず謎の女性…いや、俺の母親が

俺に話しかける。


「よく産まれて来てくれたね。ありがとう。」


 

 生まれてきた…泣く…


 なるほどつまりコレはそう言うことか


 



 転生ってやつか

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