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素人なので文章の不届きや拙さはお許しください

可哀想なのが苦手な方、可愛い子には幸せになって欲しい派の方はご注意ください


 1月の凍えるような寒空の下、アパートのベランダで蹲る小さな影があった。

 小さく震えながら、ボロボロのブランケットに包まってすすり泣いている。よく見れば全身傷だらけで、特に布から出ている小さな足は見るも無惨な有様だった。




 僕が悪いんだ。僕が悪い子だから。




 部屋の中からは、下品な笑い声が聞こえてくる。これは多分カップ焼きそばのお湯をきる音。それから缶ビールを開ける音も。




 ほら、僕がいないほうがふたりとも幸せそうだよ。

 消えられなくてごめんなさい死ねなくてごめんなさい生きててごめんなさい生まれてきちゃってごめんなさい……。

 「ヒュッ、う”っん、グスッ、、」

 消え方が分からないんだ。今すぐにでも消えてしまいたい、もう誰にも迷惑かけたくない……





 ピンポーン、と、玄関チャイムが鳴る。


 扉を開ける音はきこえない。


 もう一度チャイムが鳴る。


 父さんと母さんが扉を開ける気配はない。なぜか、家の中から聞こえていた声も無くなった。

 冷たい風が吹いて、あまりの寒さに震える。


 今度は、ドンドンとドアを叩く音が聞こえてきた。ようやく扉が開く音がする。知らない男の人の怒鳴り声が聞こえる。無意識に体がすくんでしまう。怖い、怖いよ、ごめんなさい、ごめんなさい……






 しばらくして。





 ベランダのドアが開いた。


 なぜか、怯えたような顔をした父さんがいる。ゆるしてくれたのかな ぼくもお部屋入っていいの?



「おい、琉衣、中、入ってもいいんだぞ、」


 え、そうだったんだ… でも、さっきまで鍵……。


 寒さでなかなか動けずにいると、イライラした様子で乱暴に僕の髪を掴んで無理やり部屋の中に入れる。部屋の向こうには、知らない男の人がふたり。


 「そ、そ、それからな、お前はしばらくこの方に預けることにしたんだ。わ、分かったな、」



 やだよ、やだよ、怖いよ、やだやだ、だってこの人たち、さっき怒鳴ってた人たちだよね、、やだ、こわい、、


 でも、ここでヤダって言ったら殴られる、、やだ、怖い、ごめんなさい、


 「う、うん、分かった。」


 そういった瞬間、強い力でその男に腕を引かれる。よく見るとその男は入れ墨だらけで、タバコを吸いながら琉衣を見下ろしている。



 そのまま僕は引きずられて、黒い車に乗せられた。後ろから父さんたちの怯えた声がしたが、何を言っているのかは分からなかった。




 売られたんだ。。今になって気付く。そういえば、さっきも部屋の中から、あの子になら何してもいいのでどうか、借金の肩代わりに、というような言葉が聞こえていたような気がする。

 でも、これで父さんたちが幸せに暮らせるならそれがいい。役立たずで邪魔者の僕でも、少し役に立てたのかもしれないと思うと嬉しかった。



ありがとうございました

この後はもっと救いをなくしていきます

上げてから落としたいですね

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