電話越しの鈴の音

電話越しに聞こえる鈴の音が

ふつふつとメリーさんを思わせる

今振り向いてみればメリーさんが居る

友人は気の抜けた笑いで

こちらの不安を考えようともしない

友人の声に混じる鈴の音が

友人の持ち物だとは聞いていた

メリーさんを呼び寄せるために

自分に聞かせているのかも

疑念が加速する前に振り返る

当然メリーさんも誰も居ないのに

鈴は地面に転がっている

同じ鈴の音を鳴らしながらどこかへ行く

友人のへらへらした声を聞き続け

自分もへらへらしてしまう