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全知全能のパラドクスに対するレポート

作者: にこ

 全知全能のパラドクスについて。


 まず全知全能、すなわち神である。全知とは現世、幽世、狭間、過去から未来においてすべてのことを知っている。知らないことなどないことである。全能とは全てのことができるという意味である。私たち人間にできることはもちろん、私たちの想像のできないことも可能である。


 一方でパラドクスという言葉について。有名どころで例を挙げるならばアキレスと亀のパラドクスである。アキレスが地点Aにいる亀を追いかけるとする。アキレスが地点Aについたころには亀はその先の地点Bにたどり着いている。アキレスが地点Bに着く頃には亀は地点Cへ、アキレスが地点Cに着く頃には……という風にアキレスは亀に追いつくことが出来ないというパラドクスである。これは一見正しいように見えると思うが、時間を限りなく引き伸ばすことによってアキレスが亀を追い越す時間にたどり着かないようにしているだけである。つまるところ、パラドクスとは一見正しいように見える考えで信じられない事柄を引き起こすが実際にはどこか間違っている説を指す。


 話は戻って全知全能のパラドクスについて、全知全能のパラドクスとは、簡単に言うと全知全能である者に対して自分が持てない石を創れとお願いしたらどうなるか、というものである。自分が持つことができない石を創れないのであれば、全知全能ではないし、自分が持つことができない石を創れたとしてそれが自分では持てないので結局全知全能ではない。というものである。


 私はこのパラドクスについて私は反対意見を持ってこれを書いている。理由を挙げると全知全能はなんでもできるという点について。全知全能が現在時点で自分が持てない石を創り出した瞬間に全知全能はその時をもってその石が持てるように進化することが可能なのではないかと考察する。詳しく説明すると、全知全能は自分が持つことのできない石を作り出した瞬間は全知全能の枠から外れてしまうが、その瞬間にその石を持てるようになり、また全知全能へと返り咲くのではないだろうか。


 もう一つ全知全能のパラドクスとして挙げられているのは、四角い丸を作ることはできない、1+1=1などの計算式もできない、という論理学的に不可能なことはできない、というものだが、これは全知全能者は非論理学的なものである、という一点でも反対することは可能であるし、四角と丸を同一座標に設置しその状態を四角い丸ということも可能であるし、1+1=1を個数の計算だと置くと粘土の塊やスライムの塊を想像してもらえると1+1=1が計算上可能になるということも可能である。つまり全知全能は論理学的にも非論理学的にも反対は可能であり。全知全能は論理学的、非科学的の両方を抱擁する存在ともいえよう。


 私がこのように考察した理由はパラドクスについて調べている際に、全知全能の定義を改めて考える機会があり、全知全能、すべてを知り何でもできる、という点に対し様々な生物が行ってきた進化も当たり前のようにできる、という単純な考え方から思い立ったものであるが、こう考えてみると案外納得のいくものだと思い文章に残した。


 最後に

 仮に私が考えうることができない問題があり、全知全能者は論理学的に不可能なことはできない存在であった場合、全知全能者はその事実を塗りつぶすことも可能なのではないだろうか? もしかすると全知全能者はただ干渉しているだけで、気が変わって私たちに干渉してきた場合、この世界はすり替えられてしまうのではないだろうか……。


 それこそ答えは神のみぞ知る……ってね


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