表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

坂本龍馬がしていたかもしれない話。

作者: ヒロモト

龍馬。われの言うことはまるで夢のようじゃな」


中岡と坂本龍馬は囲炉裏を囲んでいた。


「中岡。われは頭が硬い。もっと勝先生のようにやりこうせんいけんぞ」


中岡にはやはり龍馬の言うことが理解できん。外国におっても会話のできる手持ち板か。


「乙女姉さんやおりょう。それどころか世界中の人と離れながらも顔を見ながら会話できる。スマートじゃろ?スマートベルなんて名前はどうじゃ?わしは絶対作って見せるぞ」


「わしはイングリッシュはようわからん」


「中岡。大政奉還をなし得た今。どんな未来も想像し放題じゃ。明るう考えろ」


「未来か。未来とは明るい物ばっかりではなかろう?」


「ほうか。例えば?」


「コロリ(コレラ)の様な疫病がまた日本に蔓延するとか?」


「向こう150年は大丈夫じゃろう。似たような名前かもな。なーに。『疫病に効く薬』もわしが作っちゃる!これで未来の若者も安心ぜ。はっはっはー!たまるか!」


(この男は)


スマートベルの中の世界の掲示板。キャメラを使うた動画なる物の投稿で生活する者。カエルの卵のような食べ物タピオカ。銭さえあったらどんな人間でも天の先にも行ける乗り物。


中岡は龍馬の言う未来。そのどれもが全くピンと来なかった。だが龍馬の想像力に呆れながらも感心していた。


「そがな未来が来るとええな」言うのが精一杯やった。


「幸いにはわしは明治新政府には関係ない。近い内に世界を回って勉強する旅に出る。まさに世界の海援隊じゃ」


(うむ)


龍馬ならやるかもなと中岡は本気で思っている。

薩摩と長州を繋ぎ大政奉還という誰も成し遂げるどころか想像も出来ん事を龍馬はやってのけたのだから。


「わしらが生きちゅー間にスマートベルと万能薬をおんしに見しちゃる」


「待っとるわ」


(万能薬か。それがあったら高杉も死なんかったやろう。ふふ)


坂本龍馬が作る未来に中岡の胸も弾んだ。

丸窓の障子を開けて中岡は空を見た。何と美しい星空か。龍馬の言う未来が実現したら自分もあそこに行けるのかとしみじみ思う。


「うん?」


何やら一階が騒がしい。使いに出いた峰吉か思ったが、どうやら龍馬の用心棒の藤吉の声だ。


ぎゃあぎゃあとやかましい。


「おい。龍馬。われは家来の躾がなっちょらんな」


中岡が龍馬に言うと龍馬は照れ臭そうに頭をボリボリとかいておーいと呼び掛ける様に一階に向かって


「ほたえな!」言うた。









慶応3年11月15日(1867年12月10日)の出来事であった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ