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「とにかく、今はさっさとこんなことをしてくる奴を見つけ出して殺すのが先です。どんな魔法も使い手が死ねばそれ以上使われることはありませんからね」


 単純な威力という点だけならば、今オワリ達に向けられている魔法はオワリがこれまでに見てきた魔法の中でも三本の指に入るほどに強力なものだった。

 かすりでもすればきっと人体などいとも容易く壊れてしまう

 だから、当たる前に殺す。あれこれ考えて対策を考えるよりもシンプルで簡単な解決策。考えなしと言ってしまえばそれまでではあるもののこれまでの経験上、オワリにはそれが何よりも優れた解決策だった。


「見つけ出すって……さっきも言ったがおかしいんだよ! こんなに分かりやすく攻撃されているのにサーチに反応がないんだ! 魔人にはこんなことができる奴までいるのか? 話が違うだろ!」


 そんなオワリの言葉にシオンは叫ぶ。

 たしかに存在するのにそれを感知することはできない。

 まるでもう一人のオワリに攻撃されているかのような感覚にシオンは思わず感情を出してしまった。

 まるで危機感を感じていないオワリに怒りすら覚えながら。


「まぁまぁ、落ち着いてください。シオンはちょっと魔法を過信しすぎですよ。魔法にだって穴はあります。決して全能じゃあない。サーチで感知できないのだってそれの一種でしかありません。それに何も敵を捜すのに使えるのはサーチだけではありませんよ」


 オワリは駆ける。

 未だに落ち着く様子なく無差別とも思えるほどにいくつも降り注ぐ正体不明の破壊の権化。

 それらを時には先読みしたように躱し、時には紙一重で何としても触れないように躱して駆け続ける。

 まるで行くべき場所を探しているかのように。

 そして、それだけの事をしながらにしてオワリはシオンに平常時と何ら変わらぬ声と調子でそう言ってのけた。

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