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修行の旅に出る。 その4


 それに、今は魔術師から出るオーラを測定する数式を、魔法陣に組み込んで測定するのだそうだ。


が、数式が何種類かあり、攻撃魔法が高く出たり、回復魔法が高く出たり、一長一短なのだそうだ。因みに生活魔法はどれも低く出て、これはこの鑑定魔法の製作者に重要視されてなかったからだそうだ。


 人の場合、パラメーターは、


ステータスが1~10、


スキルが0~30、


で表示されるらしい。


「男子は格闘ゲームが好きだよね~」と言って、そちらで説明してくれた。


 例えば、片手用刀剣の場合、強さは、素質、「ステータス(筋力、敏捷、器用、知覚)×片手用刀剣スキルで決まるらしい。


 単純に刀を振り下ろすなら筋力重視だが、「敵の刀を受ける」となると、知覚、器用、敏捷の比重が大きくなる。


 人の場合、ステータスは0~10、スキルが0~30 で有る。


「片手刀剣を振り下ろす素質」x 「片手用刀剣スキル」で強さが決まるわけだ。


 そして、素質はステータスより大きくはならない。


 素質xスキル で 強さが表される。「◯◯フォース値」と言われる。


ただし、「0」の場合、1/2 で計算される。これで、大体、ほぼ正確な値が出るのだそうだ。


 この世界には、大気中に一定の濃度で、「マナ」が漂っているのだそうだ。その中でも、濃いところはパワースポットと呼ばれているところなのだそうだ。


「マナ」は本来、地球の生命エネルギーで、地表近くは地脈と言う流れに乗って巡っている。それが、地表に吹き出し、溢れ出して居るらしい。


 人の体内にも一定濃度満たされており、魔法使いはこれをエネルギーに変換して使うらしい。


 これを、通常MPと読んでおり、使うと無くなり、疎となった体内に「マナ」が流れ込んで満たされるまで時間がかかる。普通は、休んだ状態で6時間、つまり一晩寝ると元に戻っているのだそうだ。


 この「マナ」をエネルギーに変えるのが魔法陣で、床に書いて、儀式を行い使う。慣れてくると、儀式や詠唱は要らなくなるらしい。


 また、床の魔法陣は手元の空中に書いたり、不要になったりするらしい。


 真里亞の祖父が遅刻して居るので、手作りクッキーを頂く。美味い!


「美味い」と褒めると、顔を赤らめて恥ずかしがる。なんか、可愛いとこあるじゃん。


 学校での秀才と友達との普通の女子高生の顔とも違う顔が見れて、こちらも恥ずかしい。


 アルミのフライパンみたいな物を取り出し、手を底の方にかざす。

市販の、火にかけるだけで家庭用ポップコーンが作れるアルミホイルのフライパンだ。


ポン! ポンポン! ポポポポッ! パーーーー。


 ポンポンと音がし出して、上部のアルミホイルが膨れていく。

 甘い匂いが部屋中に満たされて行く。


「子供達には一番これがウケるのよ」


 クリスマス会などのボランティアに行くと定番になって居るそうだ。


 二人でいると間がもたないので、アニメの話になった。


 電気を使い、コインを飛ばせるのかと聞いたら、電圧をコインが飛ぶほど上げられないのだそうだ。上げるとコインが焼け切れるらしい。低い電圧でも長い距離があれば、コインの速度は上げられると言っ て居るが、それじゃあリニアモーターカーだよ。


 ただし、物理障壁の中に水を満たし、加熱すると水蒸気になるので、それで氷を飛ばせばいい。と代案を実演してくれた。


「このような感じかしら」


 右手を伸ばし、氷の球を浮かせて、その手前の空中に、透明な容器に水が満たされていく。

魔法の素質がない俺には、容器になる障壁が見えないのだ。

 水はバスケットボールぐらいだが、先端が漏斗状に氷球に接している。


「少し離れていてね」


 突然、氷球を轟音と共にベランダから外に撃ち出した。


室内は蒸気で満たされて居る。


 氷球が通った後も蒸気が雲になって空中に浮いて居る。室内の蒸気は急激に冷やされて居るので、熱くはなくムッとするぐらいの霧になって居る。その間、2秒か3秒の出来事だった。


「ハハ、なかなかの武闘派で、・・・・・・。」


「ふふふ」

「普通は、『氷弾』と言う魔法が有るから、こんな事はしないのよ」


とちょっと自慢気に解説してくれる。


 戦闘用の魔法に、氷のつらら状の物を相手に飛ばす魔法が有るのだそうだ。魔力が上がると、自動でターゲットオンしてくれるのでそちらを使うのが便利なのだそうだ。


 夕方、一階のオートロック前のチャイムがなった。インターホンに出た真里亞がモニターを見ながら出た。


「おじいちゃんが着いたみたい」


と、ロック解除の操作をする。


 しばらくすると、家の玄関のインターホンがなり、真里亞が飛んで行き、施錠を開ける。


 70代後半の白毛の混じった男性が入って来た。


 挨拶はしたが、それを無視して「おじいちゃん」と「孫」の感動の再会と募る話が続いて居る。

 二人の会話から、真里亞には大学生の姉が居て、「桜子」と言うらしいことが分かった。ただ、二人の話は5分を過ぎても終わる気配がない。


「んんっ、こんにちは、今日はお世話になります」


俺は、もう一度挨拶をして見た。


「おお、悪かったなぁ。お待たせした」


とこっちを向いて、やっと挨拶をしてくれた。


「おじいちゃん、電話で言って居たクラスの藤波君」


と真里亞が手で指して紹介してくれる。なんか、最高の笑みで紹介してくれた。


(なんか可愛いじゃないか)


「真里亞の祖父じゃ。蘇我 賢太郎じゃ」


と紹介された。


じっと俺の方を見て、


「背が高いが胆力が無いなぁ。魔法の魔の字もない。まあ、任せて起きなさい。何とかしましょう」


と鑑定結果と感想を述べている。


 この週末から強化合宿に連れて言ってくれるらしい。


(いや、まだ学校が有るんですが。如何するの?)


 そのまま居ても留年なら、少々休んでも関係ないだろうと言う事で行く事になった。


 週末の朝、東京駅に集合になった。


(新横浜じゃないのかよ!)


・動き易い服装でこい。

・靴下は二重に履け。

・両手を空けておけ。

・着替えは10日分は持ってこい。

・雨具はしっかりした河童にしろ。


等、沢山の注意を貰った。


まるで山にでも登る様な注意だ。遠足かよ。


 蘇我さんと蘇我さんの爺さんに礼を言って帰って来た。


 親に合宿の話をすると、「それで留年しないのなら」と喜んでくれた。

そして、その夜、俺の電話で蘇我さんの両親に礼を言っていた。俺の電話は『話放題』に入っていないのだから、早く切れよ。無駄話するなよ。


 当日の朝、東京駅で四人の爺さん達が待って居てくれた。


 この爺さん達が、千葉や埼玉や群馬から来るので東京駅集合だったのだ。


 真里亞の爺さんが「蘇我 賢太郎(ソガ ケンタロウ)」、最高齢の爺さんが、「与里野 九太郎(ヨリノ クタロウ)」、太った筋肉質の若いおじさんが「鈴木 雄二(スズキ ユウジ)」、白髪でサングラスをかけている人が「奇織 際時(キオレ サイジ)と言うらしい。


 新幹線の中で、与里野の爺さんから指輪を貰う。


「向こうの駅に着くまでに、この指輪が使えるようになっておけよ」

「使えないと、付いて来れないぞ。」


 大きなサファイア? か青い石が乗っている。


(まずは使い方を教えてくれよ。魔法なんて使ったことがないよ)


 この指輪には、ステータス強化がlv18で掛かっているらしい。新幹線の中で練習をさせられたが、使える様になったのは、もう新大阪で乗り換えた快速電車の中だった。

 使うには、振付の付いたダンスを踊るのだが、それが難しい。


「お前、それはラジオ体操か?」


与里野の爺さんが思いっきり笑ってくる。


 新大阪で乗り換えて、また大阪で乗り換えて日根野という駅で降りる。


(何処だよここ? 知らない駅だし)


(新幹線の中で、振り付け付きで呪文を唱えるのは、結構目立って居たと思うのだが、それに十分かっこ悪かった気がする。知り合いがいなくて良かったよ)


思春期真っ盛りの高校生には、耐えがたい屈辱だったのだ。


 俺は魔法が使えないので、魔法の道具を貸してくれたのだが、俺はレベル0なので、レベルは半分になるらしい。しかし、呪文と振り付けを人前で行うのは相当恥ずかしい。新幹線と快速電車の中でずっと使えるようになるまで踊らされたのだ。知らない人が見たらまったく中二病だ。



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