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受検の失敗。そして入学 その1

何度も書きますが、これは以前R18指定で削除されたものです。

性的描写を削除して再投稿しています。

初めての方は、出来たら読んでいってください。以前余韻でいてくれている方は、内容は同じです。でも、出来たら読んでいってください。よろしくお願いします。

 春、桜の花もつぼみが緩んで、一つ二つとちらほらと咲き出している。


日当たりの良い場所の木は、もう3分咲きである。


 空は綺麗に晴れて、青空とのコントラストが綺麗に映える。綿雲のような雲が少しちらほらと浮いている。


 藤波 勇人(フジナミユウト)、本日より高校一年生である。


 私立相模原商業高校魔法学科1年1組。


 我が高校は、県立高校とは駅の反対側になる。この辺りは「相模原」の名を冠した名の高校は仏教系の高校や総合高校などがあり、名称がややこしいので、通称「商業」と呼ばれる。それだけ「相模原 高校」が多いのだ。


 昔は、商業高校で女子校だったらしいのだ、その為、未だ校名に「商業」の文字が付くが、今や、幼小中高大と一貫式の私立総合学園だ。


 幼稚園、小学校は離れた場所に校舎があり、大学は横浜市内に有る。教育学科、薬学部が昔から有名な大学だ。

また、関東圏に、同法人の大学、高校、中学を数校持つ巨大学校法人だ。


 ここに有るのは、中学と高校だけであるが、それでも巨大な敷地が必要だった様だ。


 魔法学科は、魔力がA、Bランクの生徒は1組、C、Dランクが2組、と才能によってクラス分けがされている。

 落ちこぼれを出さないためなのだそうだ。こうする事で魔力に応じた勉強が出来るのだ。


普通科、6組。


芸術科、音楽専攻、アート専攻、演劇専攻 など4組。


スポーツ科4組。


商業科、2組。


工業科、4組。工業科はソフトからメカトロニクスのハードまで扱うので進学希望者が多い。


 計22クラスもあり、一学年約660人が通う巨大高校だ。


 俺、藤波 勇人は、ここの魔法学科にこの春から通う高校1年生だ。


身長189センチ、体重50キロ、中学時代のあだ名は「モヤシ」。


 背が高いからと言って、バスッケト部やバレー部に居たわけでもなく、運動は出来なくはないが好きな方ではない。


俺の趣味は、勉強だ。もちろん、T大を狙っているし、他の大学に行く気はない。


しかし、


「何故だ! 何故、このクラスに俺は居るのだろう?」


俺は、叫びたい気持ちで席に着いていた。


 第一、魔法学科ってなんだ! イギリスの少年少女達の様に、指揮棒みたいな物から光を出したり、箒にまたがって空を飛ぶのか?


 周りのクラスメイトは、魔法学科と言う物にまったく不審がないようだ。と言うか、あたかも当然のように座っている。


 中3の冬、将来はT大学を目指している俺は、勉強に明け暮れていた。


 高校も一流の進学校に入らないと、その後の受験が危うくなる。

そうなると、聖光付属か横浜翠嵐しか無い。クリスマス、お正月と浮れるイベントが続く中、俺は勉強に明け暮れていたのだ。

遅くまで塾に通い、家に帰っても、寝る間を惜しんで受験勉強に勤しんだ。


 2月、私立高校の受験が先にある為、とあると言っても、その高校しか考えられないのだが、とある有名進学校に願書を出して勉強していた。一般に言う滑り止めだ。中学の担任教師からも太鼓判を押されて、軽い腕試しのつもりだった。


 最後の追い込みと塾に夜遅く、終電まで詰めて勉強していた。授業が終わった後も自習室で勉強していたのだ。その時に、一緒にいた奴が、後ろの席の彼がやたらと咳をしていたのを覚えている。


「消えたな」俺はほくそ笑んだ。受験という物は、資格試験と違い定員が決まっていて、そこに上位の者から決まって行くのだ。一定の点数で合格をくれる資格試験とは根本的に違うのだ。一点でも多く点数を取らなければいけないのだ。それで生死が決まる。単純で機械的な話だ。


 先生がよく言っていた「健康管理も受験の内」とはこの事だ。今の時期、受験生はノンビリ風邪も引いていられないのだ。


 しかしだ、俺は、試験日の前日から体の異常を感じていた。熱がある。それも高熱だ。病院に行き検査を受けるとインフルエンザだった。試験当日は40度の熱が有るが、無理をして家を出た。

 他人に染つすとかインフルエンザテロとか言っていられないのだ。試験日は今日しかないからだ。しかし、自宅マンション下に座り込んで倒れているところを発見された。この時は息が苦しく、大地が斜めに傾いて、意識が朦朧としていた。救急車こそ呼ばれなかったが、親の車で病院に運ばれた。

「昨日、タミフルは処方してあるので、もう家でゆっくり休んで下さい」と言われて、外来の処置室で点滴を打たれていた。


 約一月後、公立高校の受験日、こっちが本命だ。

授業料が無料化しているとは言え、親の負担を考えると安いところに越した事はない。

 当日、早朝と言うよりまだ深夜、熱発、嘔吐が続いていた。

またもや親の車で病院に運ばれた。で、検査を受けると、ノロウィルスに感染していた。

 はっきり覚えて居るのは、受験開始時刻には病院のベッドで点滴を受けていた。と言う事だ。


 浪人決定かと思われたが、とある私立高校の三次募集があると、担任の先生がどこからか探し出して推薦してくれたので受験した。


 自己採点はバッチシだった。多分、首席とは言わないが、トップクラスだっただろう。


 正直、浪人は覚悟していたが、通信制と夜学だけは避けたかった。塾で勉強すればいいとは言う物の、どうも、T大学を受験できる環境から遠いと感じたからだ。

そこに、商業高校の定員割れの学科があり、三次募集があるとの事で渡りに舟だった。


 面接官の先生も、「おや?」とした顔をしていたが、特に何も聞かれる事はなかった。

しいて言えば、「ご両親のどちらかが魔法を使うんですか?」と聞かれた事だ。違和感を覚えたが、なんと答えたかは覚えていない。

当時、全く意味のわからない質問だったからだ。


 サクラサク季節、空はどこまでも晴れ渡り、全てが、俺の新たなる門出を祝福してくれて居る様だった。

 桜は、もう五分咲きで、日当たりの良いところの木は満開に見えた。


 4月1日、体育館と講堂に分かれての入学式が終わって、各クラスでオリエンテーションが始まっている。


 担任の先生は40代前半の女性の先生だ。担当教科は英語だそうだ。


 名前を「山口 陽子(ヤマグチ ヨウコ)」と言うらしい。

長身で、ナイスバディ、


「皆さん、初めまして。私の名前は山口 陽子と言います。

皆さんとは、英語の授業を受け持たせていただきます。

 では、簡単に自己紹介をすると、炎系魔法が得意で、魔術師レベル6と言ったところでしょうか」


と自己紹介をしてくる。


(なんだよ~。魔術師レベルって?

ゲームじゃねぇよ! リアルで生活してんだよ)


俺は、今はやりのゲームか何かだと思って、教師なのだから、真面目に挨拶ぐらいしろよと思い、担任の話を聞いていた。


 周りから、「「「「「おお~っ!」」」」」っと声が上がる。


(それって、すごい数値なのか?

みんなしてるゲームなのか? 受験勉強ばかりで遊んでいなかったからなぁ。俺には分からないや)


なんか違う雰囲気に、これ、俺って、何か違う所に来たよね。

みんな、何か自己紹介に使えるぐらい流行っているゲームが有ったのか?

中学生の時は、聞かなかったけどな?


(どうする? 俺!)


 最近は、eスポーツと言って、ゲームをするスポーツ競技もあると聞く。しかし、こんな所で勉強が出来るのだろうか?


 俺は、冷や汗をかきながら、とんでもないミスをしたことに気づいた。


 クラスメイト達の自己紹介が始まった。名前と得意な魔法の属性、魔術師lvが紹介されて行く。


 教室の机は列ごとに男子、女子と交互に並んでいる。


 隣の席の女子は「蘇我 真里亞(ソガ マリア)です。水系魔法が得意です。魔術師lvは6ぐらいかな? えへっ?」と言っている。


 彼女は小柄で栗色の髪でショートカット、胸は無い。活発そうな女子である。


「「「「「おお~。」」」」」とどよめきが上がる。


(何? 何なんだ? 有名人なの? それともlvが高いの? そう言えば、みんなlv3とかlv4だったよね。でも、びっくりするほど高くは無いよね。先生が 6って言ってるし)


 そんな事を考えていたら自分の列の順番が来た。



面白ければ☆五つを、面白くなければ☆一つをお願いします。

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