第五十四話 『魔界の穴』
この前の二匹が再び現れる。果たして戦いの行方は?
さらに前回の続き、三人と一本は、まだこれからのやることを相談しているとき、アンジェリナの後ろに、細いと太い、二個の巨大な黒影が現れた。
間違いなく前に諸葛夢とカイと戦った二匹だ。周りは黒いからか、気づいたら、すでに太低いのはアンジェリナを捕まって、細高いのはファルシオンみたいな腕を、アンジェリナの首に掛かり、
「墓荒らしどもよ。また会ったな。今度はこそけりをつける。父上から新しいコアをいただいた!」
「しかも二個だよ二個!」
「一足す一は二以上!」
「兄弟、一足す一はなぜ二以上なの?」
「……。とにかく!お前たちの仲間はどこにいるのか、早く白状しろ、先に男女二人はここに来たはずだ」
「そうだそうだ。白状しろ!我々は、ひと」
二匹はまだ話している最中、急に空中に浮かび、まだ何が起こったのかがわからない状態で、アンジェリナは太低いの手から振りほどく。左右にパンチとキックを入れてから、二匹の髪の毛を掴み、互いの頭をぶつかる。そして数回スイングして、地面に投げ飛ばす。
二匹はもちろんこの屈辱を我慢できず、すぐ立ち上がり、アンジェリナに反撃を仕掛ける。
パンチとファルシオン攻撃は、確かにこの前よりさらに強くなった。スピードも、パワーもかなり増した。しかし、どうあがいても、アンジェリナに当たらず、逆に、彼女はすべての攻撃を受け流し、二匹お互い命中するように、戦闘を運んでいる。
やっとそれに気づいた二匹、攻撃スピードを落とし、今度こそちゃんと狙って、パンチと大刀を繰り出すが、アンジェリナは片手でパンチの指を掴み、片手は指でファルシオンを挟み、何度も何度も二匹を地面に叩く。
最後、トドメに、二匹を畳んで、自分が上に座る。
「先は、ひとなあに?」
「ひと時の休息……」
「一重の瞼……」
カイはこの状況を見て、すぐ駆けつけ、二匹の頭を叩いて、
「ざまあみろよ。で、早く教えろ、どの入り口は正解か?」
「そんなこと、死んでも教えてやんないよ!」
「そうだそうだ。ここを守るのは我々の役目だ。誰一人、最深部を入れてはいけない、あ、兄弟、いい髪型だね」
「え?」
細高いのはまだ状況を分かってないが、彼の髪を編みながら、アンジェリナは、
「でも、最深部って、あなたたちのお父さんがまだ待ち受けているのでしょう?入らせても別に問題ないじゃん?」
「まさか、お前たちの言う父上、実は弱い?」
「なななななな、なに言ってるんだ銀髪野郎、ちちち父上は弱いわけないじゃない?」
「そうだそうだ。ただ、その、なんというか、戦闘に向いてないっていうか。」
「これは弱いっていうの!はい、完成!」
アンジェリナは細高いの髪型を三つ編みにし、続けて太低いの髪をいじり始める。
「まずいな。テロリストが先に越させたら、財宝は本当に奪われる」
「え?あんたたちが財宝取りに来たじゃない?」
「そうだそうだ、この前、あの青い髪のやつ、お宝いただいに来たって言ったじゃん!」
諸葛夢はカイに一発げんこつ。
「すまん。先は俺たちが悪かった。宝を取らないと約束する」
「えええええええ?」
もう一発のげんこつ。
「ブラザー、こいつら、信じていいかな?」
「でもな、この女の子、我々にこんな格好いい髪型してくれたんだ。きっといい人たちだ」
さきめちゃくちゃ殴ったのによ。諸葛夢とカイは同時につっこむ。
太低いの髪型をコーンロウにし、アンジェリナは二匹を開放した。細高いのが立上げ、
「まあわかった。あんたたちを信用しよう。実はなぜ邪気が感じないと最初からおかしいと思った。まあ、もし本当に悪いやつらを追い出してくれたら、何かのお礼はするよ」
といいながら、細高いのはカイを睨む。
「よかった。これで一件落着ね。あたし、アンジェリナ、こちらはムウとカイやん、そしてこの棒はアメシスト、あなたたちの名は?」
「名前?我々名前はないよ。父上が我々を作った時、名付けなかった」
「かわいそうに!じゃあ、アンジェリナが名付けてあげる!名前はぽて」
諸葛夢はすぐアンジェリナの頬っぺたを握る。
「ちゃんと考えろ」
「わかったわよ。」
アンジェリナは頬っぺたを揉めながら、
「ロボとモボ?」
「だめだ」
「トムとジ〇リー」
「却下」
「ミ〇キーと……」
「いいかげんにしろ」
「ええい、もううっさいわね。ああ決まり!あなたをカザキリ」
アンジェリナは細高いのを指して、そして太低いのを指し、
「あなたは羽丸、決まり、これ以上の文句は受け付けない!」
「お、おおおおおおお、聞いたかブラザー、名前だ!我々は名付けられた」
「しかも格好いいじゃない?前のも結構気に入ったが、羽丸かああ」
「あなた、まるで母上だ」
「そうだそうだ。母上、どうぞ、我々は最深部へ案内いたします!」
カザキリと羽丸は、すぐ三人と一本を連れて、ある入り口を入る。歩きながら、二匹はアンジェリナにここの仕組みを紹介する。
地下水脈を動力源として、動ける壁を定期的に動かすという極めて単純な仕組みだが、一時間ごと変動するから、特別の計算式がわからないと正しい道は入れない。
歩くスピードも、速すぎでも遅すぎでもダメ。なぜなら、ずっとリアルタイムで構造が変わっているからだ。さらに、間違ったルートに侵入者が入り、しかも罠の地面を踏んだ時も、正しいルートも変更され、上の偽鍾乳石はこれを表すから、これを観察しながら進む必要がある。
最後に、毎日の朝五時にすべてかリセットされる。これを聞いて、頭を爆発しそうなカイは、真っ先にツッコむ。
「どこの変態だ?こんな迷宮を作ったのは。迷宮ってのはさ、右手原則ですうっと入り、すうっと出られるもんじゃないのか?」
「え?そ、そうなの?アンジェリナなら、この設計者といい友達になれるな、と思うな」
「こいつに建物などの設計は絶対やらせないようにな」
しかし、上数本の鍾乳石は確実に動いた。他に侵入者はいるのが確実だ。さらに二十分ぐらい歩いて、いろんな角をまがって開閉する石扉を潜り、一行はやっと最深部の大空洞に辿り着く。
辿り着いた瞬間、真っ先に目に入るのは、空中に浮いている、大きな黒い球だ。これを見て、諸葛夢は一瞬唖然して、そして、
「魔界の穴?」
ここで魔界の穴を発見?なぜここの魔界の穴はあるのか、この穴を封印できるのか?
次回を待て!