第五十三話 『さらに降りる』
テロリストが、二人足りない?どこへ消えたのだろう?
またまた前回の続き、アメシストの力で、なんやかんやで超級ハイパー天才メタル魔法美少女、ラブリヴァイスエンゲル、略してヴァゲルに変身したアンジェリナが、簡単にグレー・スネイクのヴァレリーを倒したが、残りのメンバーは全員自殺したただ、クロスボウ使い一人と、スーツ姿の女性、。二人を除いて。
「まさか、先に財宝を取りに行ったのか?」
「宝地図は持ってたの?」
「ああ、あの女が持ってた」
「じゃあ、あたしたちもすぐ追おうよ。アニタの大事な宝地図だ。必ず取り戻す!」
「ええ?お宝取りに来たんじゃないの?」
カイは失望そうな顔をする。
「いやいや、アンジェリナは別にお宝を取りたいって言ってないよ」
「えええ、なんかやる気失せた……俺たちは一所懸命戦ってきたのに、そうだろう、夢、お前もなんか言ってよ」
カイの肘に突っ込まれ、諸葛夢は、
「俺は小娘が戻って生徒データの入力をしてくれれば問題がない」
「いやね。こういう時、ムウはね。べ、べつにお前のためにここに来たんじゃないからね!っていえばいいじゃない?」
「いや別に、ただ、事態は思ったより……」
「ふ~ん?」
アンジェリナは急に近づく、顔と顔の距離が近くて、諸葛夢も思わず顔が赤くなる。
「きゃは、ムウ、顔赤くなった!」
「まあ、この銀髪の小童も、物好きよのう。きっと、あんさんのコスチュームに反応してるのに違いないわい。いわばコスプレフェチじゃ」
「おお、なるほど、魔法少女に変身して正解ね!」
「どうじゃ?もうちょっと契約期間伸ばさんかの?」
「二三日?」
「二三年はどうじゃ?」
「いやね。二三年経ったら、ネオシャンハイの法律だと、もう結婚できる年齢だよ。それでも魔法少女?」
「じゃあ魔法人妻、魔法奥さん、団地妻の誘惑、いろいろできるじゃろう」
茶番に付き合う気のない諸葛夢、アンジェリナとアメシストを掴み、
「人の話聞け」
「はい、すみません。どうぞ、ムウさま」
「はい、すまん、どうぞ、銀髪さま」
諸葛夢は彼の知っている情報を一人と一本に説明する。
グレー・スネイクというテロ組織が、覚醒者以外を皆殺すように画策し、どうやら今足りないのは資金だけのようだ。だから、もし残った二人が宝を手に入れたら、かなり大変なことになる。
事情を知ったアンジェリナとアメシストも、ようやくいったん茶番を終了した。このような状況では、警察に連絡しても意味がない。時間がないうえ、一般人の警察では、覚醒者の集団に対抗するのは到底無理だ。
しかし、二人はいつ消えたのか。そしてどこに向いたのか。
「たぶんこの下よ」
アンジェリナは下を指す。
「確かに、宝地図は下にもう一階あると書いてあったが、たぶん今の真下に何がある」
「え?なんで夢がわかるのか?」
「先あの二匹の化け物と戦ったとき、わざと地面を壊さないように配慮してたんだ。」
「じゃあ、もっといい近道を作ろう!地面を壊して!」
「いいのか?貴重な遺跡かもしれんぞ」
「いやあ、ちょっと調べてみたら、確かに元々は古代の墓だったけど、すでに十数年前に墓荒らしに破壊され、今見たの部分はほぼ新築だよ。罠以外はね。それに、人類滅亡にかかわるかもしれないじゃん?」
といったら、アンジェリナは両手を上げ、アメシストはさらに上に浮く。たくさんの光点が手のひらに集まり、次の瞬間、大きな光の玉になり、中に黒い塊が見える。
「よおおし、三つの心が一つになる!」
「おい……」
「ストナアアアアアア・ムウウウーンライッ!」
アンジェリナが叫んで、光の玉が地面にぶち込む。エネルギー弾が炸裂、大きな轟音とともに、光の柱が地面を砕いて、小石は舞い上がり、やがて直径三メートルの穴をあけた。
穴の下は真っ暗だ。諸葛夢とカイは懐中電灯を点け、アメシストも松明のように光り出し、三人はお互い合意して、飛び降りる。
分厚い石の下に、さらに大きな空間が存在する。高さは七メートルぐらいの、天然の鍾乳洞に見えるが、地面はかなり平坦で、人為的に加工されたのだろう。
三人はすぐ周りを確認する。周囲に二メートルぐらい高さの出入り口が、八個あり、その上に、木の板で補強された。洞窟の湿気でかなりボロボロになったが、確かに数百数千年前のものではに見えない。
「ここは宝地図の言ってた蜘蛛の洞窟ね。正しい終点に辿れるのは一個だけ」
「じゃ、どっちが正解なのか?」
「ああ、それなら……えええええ?」
アンジェリナは絶叫する。彼女は洞窟真ん中の石板らしきものを発見し、しかし石板を見た瞬間思わず叫んだ。かなりの年代物で、上に文字らしきものが刻まれたが、この文字は切り刻まれ、すでに読めなくなった。切痕は結構新しい、諸葛夢は大体犯人は誰かがわかる。カイはどういうことなのかすら理解してない。
「どうしよう、宝地図の話では、ここの謎を解けば、ただし道の計算式がわかるの」
「え?道はまだ計算式が必要なのか?」
「ええ、ここのルートはね。地下水脈を利用して、定期的に変わるルートとなったの。だから、むやみに入ってもダメだよ」
「じゃあ、先の大技で、どんどん穴を開ければいいだろう?」
「わしを殺す気か!」
アメシストはカイの話を聞いて、すごい勢いで飛びあげ、
「あれはわしの魔力を消耗しているじゃぞ。それに、この古い地下洞窟の構造は不安定じゃ!これ以上使ったら、全員生き埋められる可能性もある。使用禁止じゃ!」
「だってさ」
アンジェリナも、アメシストを同意する。
「じゃあどうする?八個の入り口だろう。俺たち三人が別々行動しても、正しい道の確率は、えええっと……」
カイは指を出して計算する。
「八分の三、37.5パーセント、簡単な計算法ならね、しかしルートは定期的に変更するなら、もっと低いわ。それに、ホラー映画なら、別行動は立派な死亡フラグだよ」
つい最近、アニタ人格の自分が別行動を敢行したくせに、っと、アンジェリナは自分にツッコミを入れる。
では、どうする。諸葛夢の話では、この前交戦した二匹の化け物が結構手ごわい。新しいコアを手に入れたらさらに強力になるかもしれない。そして何より、終点では、もしかしてとてつもない化け物が待ち受けている可能性はある。
宝地図を取り戻すため、自分ならともかく、諸葛夢とカイを巻き込まれていいのか。しかし……
「テロリストは正しいルートを把握し、そして何かの方法で宝を手に入れたら、どうする?」
「え?」
なぜか、諸葛夢は読心術ができるように、アンジェリナの考え事を口にする。
「確かに生き延びた二人は強くないかもしれない。が、非常に特殊な力を利用して宝を手に入れたら……」
「や、やだ、ムウ……は!はて、ムウは他人の思考を読めるのね!」
「残念ながらそんな便利な能力は持ってない。お前の顔に書いてるぞ」
「え?マジで?」
カイは一所懸命アンジェリナの顔を見る。そしてなぜ文字らしきものが見当たらないと疑問する。
「まさか、一人で行くつもりか?」
「う、うん。ムウとカイやんを巻き込まれたら悪いなと思って」
「何言ってんだ?嬢様、俺は嬢様のボディガードだぜ。一人で行かせるわけないじゃん」
「ま、おなごを一人危険な目を合わせようじゃ、男二人は一生汚名じゃ」
アンジェリナは黙り込む。
「でもよ。具体的にどうすればいい?ルートも分からないし、あの二匹がいつ襲い掛かってくるのがわからないぜ」
「あの二匹って、つおい?」
「そうそう、あの二匹は強いかい?」
「いやあ、まあまあ強いけど、俺たちの手にかかって、あれ?」
話している真っ最中に、誰かが口が挿む。そしてアンジェリナの後ろに、二つの黒い影が。
まさか、放している最中にあの二匹が襲い掛かるのか。諸葛夢達は勝てるのか。
次回を待て!