表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第三章 アニタのヒミツ
53/137

第五十一話 『漁夫の利』

諸葛夢とカイは大ピンチ

 前回の続き。カイは特殊な危険察知能力で、たくさんボールの中、諸葛夢が言ってたコアを見つけた。二人協力でコアを破壊しようとするその時、カイは力が尽き、雷光剣は消えてしまった。


 諸葛夢が抑えているボールが力強く振りほどく。さすがに今度こそ人間二人の危険性を分かったのように、部屋中のボールは適当なバウンドではなく、一斉攻撃で仕掛ける。スピードも威力も前より数段増したため、諸葛夢とカイは全力で防御するが、それでもかなりのダメージを受けた。


 二人を壁際まで追い込んで、ボールたちは再度融合し始め、合体して二人にトドメをさそうと考えたのだろう。


「もう終わりか、夢、また何か技ないのか?」

「ないな」

「じゃあ、来世でまた会おう」

「お前と会いたくはない」


 二人が話しているその時、しゅっと、一本の矢が飛んできて、コアのボールに直撃。


 うぎゃあああああああああ


 と悲鳴して、ボールたちはまず水のように溶け、そして再度前の二匹に戻った。


「し、しまった、兄弟、我々のコアが……」

「そ、そうだね。ブラザー、まさか人間どもがまだ増援がいたとは」

「そうだよ。お前たち、卑怯だぞ。兄弟、早く父上のところに戻って、新しいコアを頂こう」

「同感だ、ブラザー、戦術撤退、戦術撤退」

「撤退の時、あのきめ台詞を言おう、兄弟」

「了解、ブラザー、せ~の」

「「覚えていろよ」」


 二匹は、すぐ逃げた。部屋に残ったのは、ポカーンとしている二人だけ。


「な、なんなんだあいつらは?それに、先の一撃は?」

「しるか」


 (しかし、あの矢、まさかな)


「俺たち本当に運がよかったな。ああいう状況でも勝てるなんて。でも、あの二匹、一体なんだ。めちゃ強かったな。」


 諸葛夢はちょっと黙り込んで、


「わからん。俺の知らない魔族だ」

「へえ、諸葛大先生も知らない魔族がいるんだ」


 (そうだ。俺の知らない魔族がないはずだ。ではあれは魔族じゃないのか。とにかく、さっさと小娘と合流して脱出するほうがよさそうだ)


「休憩は終わりだ。前に進むぞ」

「ええ?何が休憩は終わりだ、だ?まだ30秒も経ってないよ?」

「あの二匹が弱まった今は好機だ」

「何が好機だ?今の俺はさ、パチンコを持っている子供よりも弱いぜ」

「じゃあ、ずっとここで待ってろ。のちにテロリストどもが来る」

「覚醒者同士に、テロリスト呼ばわれるとは、心外ですね」


 部屋の向こう側から、人の声が聞こえてくる。カイのよく知っている声だ。二人は振り返って確認するその時、大きな男が急に現れ、分身したかのように、二人をパンチで吹き飛ばす。


 二匹の黒い化け物との闘いでかなり体力消耗した二人、これでしばらくは立てない。


「こいつらはあのテロリストどもか」

「ああ、でも、女が一人増えた」


 金髪シニヨンにメガネ、そしてスーツ姿の女性が一人。手元に、羊皮紙を持っている。アンジェリナの地図から見ると、正規ルートは遠いうえ非常に難解な構造だ。それに、カイの話では、オリジナルの羊皮紙はさらに内容がわかりずらい。


「たぶん、地図を解読して、ここまで連れてきたのはあの女だろう」

「勘が鋭いですね。少年。しかし、勘頼りでここまで来れるとは思いませんがね。一体どんな手段を使って我々を超えてきたのです?」

「おえしえてやんないよ」


 カイの言葉を聞いて、金髪男は手を上げ、後ろの五人は、すぐクロスボウで二人を狙う。しかし、午後と違って、矢の先端に、電気氷炎など、いろんなエフェクトがついている。エフェクトの無い矢でも、紫に変色した。


「午後は一般人の女だから油断はしました。今度は違いますよ。当たったら、かなり痛い。だから、これからの言葉をちゃんと考えてからしゃべりなさい」

「脅かしは無駄だ。こんな奴に嬢様の話を話すもんか……あれ?」

「お前、よくこんな頭でここまで生きてきたね」

「嬢様?」

「午後現場で女が二人いた。短髪か金髪の小娘だろう」


 大男が口を挿む。


「たぶんあの金髪の小娘でしょうね。あの時すでに特別だと思いましたが、」


 金髪男は顎を撫でながら、


「でも、何より私の心を痛んだのは、巨大な力を持つ覚醒者が、一般人の犬になり下がりましたとは」

「一般人が嫌いのか」

「いやいやいや、勘違いされたら困ります。私は決して一般人が嫌いわけではありませんよ」


 金髪男は再度顎を撫で、諸葛夢に、


「一般人はゴミです。ゴミを嫌う必要がありますか?ただ、ゴミを見つけたら、掃除するべし。これだけのことですよ」

「まさか、一般人を全部殺すとでもいうのか。流行らないよ、今どきに」

「残念ながら、答えは、イエスだ。あなたの勘はまた当たりましたよ。第三次世界大戦に感謝すべきです。あの無能共を大分消滅してくれました。あと一息です。あのごみ共を地球から徹底的に抹消して、覚醒者主宰の新時代がもうじきくるのです」

「結構大変だぞ」

「それはご心配なく、素早く一般人を消滅する方法は、こっちにはあります。ただ、活動資金が困ってます」

「だから財宝を狙ったのか。納得」

「ではいかがですかね?我々の同胞になってくれたら、今日は再度見逃しても構いませんよ」

「残念ながら、答えは、ノーだ」

「じゃあ、兄貴、こいつらを殺すか?どうせ一般人の犬になったんだ」


 大男は、諸葛夢を踏んで、金髪男に聞く。


「ルイス、どう思いますかね?」


 金髪男は、女性に聞く。


「殺すならさっさとやりなさいな。新しく買った靴は汚れちゃうわよ」


「では、我々の顧問もそうおっしゃったので、死になさい」


 大男は左手が諸葛夢、右手がカイ、ふたりの首の掴んで、体を持ち上げる。


「なるべく苦しまずに、な」

「ああ、ちょっと力を入れたら、あの世行きだ」


 大男の話が終わると、ドカンっという爆発音とともに、石造の壁がぶち壊れ、中からはまぶしい光と、人影が見えてくる。


壁を壊してきた人物とは一体?

次回を待て!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ