表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第三章 アニタのヒミツ
43/137

第四十二話 『超能力キッド』

エミリーの頭から出てきた怪物、あれはいったい?そして、アニタたちは怪物から逃れるのだろう

 A&E研究所B3のさらに下、古い牢屋エリア、そう、私はまたここに戻ってきた。しかし、計画通りには行けずに。


 結局、私たちは火炎放射器は手に入れなかった、なぜなら、イーサンは……


 いまここにいるのは、私、気を失った玲ちゃん、ジャックとロイ、4人だ。


「あれは何だったんだ?」


 ジャックの怒鳴りが、現場の沈黙を破る。


 玲ちゃんの超能力で吹き飛ばされたエミリー、頭が膨らむ、そして中から異形の怪物だ出てきた。


 この怪物に比べると、緑毛の怪物はまるで児童絵本に出ても平気ぐらいの可愛さだ。


 4本人間の足が生えて、たくさんの目玉がついてる巨大な脳み。その上に細長い体らしい部分に、また無数の目玉と口、両側は鞭のような触手。


 あの姿を思い出すだけで、気分が悪くなる。


 私たちは驚愕のあまりで動いてないその時、脳みそ化け物は、イーサンを押し倒し、捕食し始める。イーサンの悲鳴でようやく我に返った私たちは、すぐ元の地下牢に逃げ込んだ。


 どうやらイーサンの神様は彼を救えなかったようだ。


「これからどうする?あのドアを破らなけりゃ、俺たちは逃げ出せないぜ」


「この超能力のお嬢ちゃんは?もしかしてドアを破れるんじゃないのか?」


 ジャックはまだ昏睡中の玲ちゃんを指す。


「わからないわ。いつ目が覚めるのかがわからないもの」


「まあ、とにかく、あの穴を塞ごう。あの怪物どもが見つかったら大変だ」


 確かにロイの言ったとおりだ。玲ちゃんが目覚めるまで、まずはここを死守しなくちゃ。


 では、ずっと牢屋に座っても意味がない、私たちはあちこちで、塞げるのに使えるものを探し始める。ロイは一旦玲ちゃんを控室に運ぶ、あちらの家具も使えるかも。ジャックは、石や土を集める。


 ヴィン


 異様感。ポケットの中に何か振動した。


 手で確認したら、石だ。パウルの死体が握ってる石、あれは何かの意味があると思って、ついに持ってきちゃった。


「どうした?」


 ジャックはぼーっとしている私を見て、こっちに来る。


「この石は、なんか振動した」


「これはどこの石だ?」


「焚焼室、パウルの死体が握ってたわ。あ、そうだ」


 石といったら、廊下の彫刻を思い出す。私はすぐ牢屋を出て、彫刻のところに向かう。


「わお、大発見じゃないか?」


 ジャックもついてきた。


「これ、知ってるの?」


「ああ、なんか古代の種族のシンボルだ。造物主を崇拝して、このシンボルで魔除けとしても使ってるらしいよ。


 まあ、この種族は結構あちこち移住することが多いから、いろんな国で痕跡があったんだよ。まさか中国にもあるとはな」


 ヴィン


 手元の石は、またすこし振動した。


「歴史の授業をやってる場合じゃねえよ。早く働け、野郎ども」


 ロイは控室から机を持ってきた。


 後ろに椅子を持っている玲ちゃんがついてきた。


 どうやらあの子は目が覚めたようだ。


 言葉が通じなくても、ロイのやることは大体理解できたみたい。


「玲ちゃん、大丈夫?」


「うん」


 かわいいな!今の状況じゃなきゃ、あのほっぺをぐにゅぐにゅしたい!あの子を養女として引き受けるのかしら、ちょうど子供が欲しいところだったわ。ここから脱出したら、あいつと相談しよう。


 と考える途中、ジャックは私の腕を掴む。


「あのさ、アニタ、今は非常時期だとはわかってるが、この石を俺に譲ってくれないか?」


「この石はどうかしたの?」


「まあ、ちょっと好奇心があってね。あのシンボルで確認したいことがあるんだ」


 極限の状況でも、好奇心がほかの感情を勝って不思議な行動をとることは、一応あり得る。しかしこの状況であのシンボルに気をとられるなんて、やっぱりおかしい。


 鉄仮面越しに、ジャックは私の表情を読み取ったのように、


「あの古代の種族はいろんな特殊の力を持っているらしい。そして彼らのシンボルはかなり特殊な場所で使うんだよ。何かを守るために、たとえば……」


「財宝?」


「そう!」


 ジャックは興奮して指パッチンする。


「私たちはここで死ぬかもしれないわよ。たとえ財宝があっても、意味がない」


 と、断って、私は穴塞ぐ作業に戻る。ジャックも仕方なく、手伝いに来た。


「玲ちゃん、超能力持ってるの?」


「うん」


「なぜ超能力を持ってるの?」


 玲ちゃんは答えない。確かにバカな質問ね。


「どんな能力を持ってるの?」


「遠隔操作」


「あっちのドアを破れるの?」


「無理、黒人のおじさんに試させた」


「じゃあ、火は?長く燃える大きな火」


「できる。でもどこまで燃えるのかは、わからない」


 やった!


 これで、光明が見えてきた。試してみる価値はある。ローソクの火よりマシであれば。


 私のガッツポーズを見て、ロイとジャックも理解できたのようだ。


 心に、若干の余裕ができた。


「じゃあ、玲ちゃん、ほかに何ができるの?」


 玲ちゃんは作業を止め、また不思議そうな目で私を見て、


「あたしは夢を作る力があるの。これを使って、助けを呼ぶの。人を誘導して。」


少し、光明が見えてきた、北条玲の力を借りて、もしかしてあの分厚いドアを燃やせるかもしれない。しかし、ジャックは財宝のことを気になって、また何かトラブルが起こそうだ。

次回を待て!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ