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サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第三章 アニタのヒミツ
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第四十一話 『北条玲』

生き延びれたジャックと再会し、セン トウブンが復活したという情報が入った。そして……

 深夜、A&E研究所、B2焚焼室。私、イーサン、ジャック三人。


 エミリーに殺されたセン トウブンが急に復活して、発狂のように緑毛の怪物に襲い掛かったため、ジャックは生き延びれた。


 死んだはずの人が復活するなんて信じらない。しかし、狂った殺人鬼と化した女と、この世に存在するはずのない怪物、感覚はすでに麻痺し始める。


 だが、その前に、もう一つ非常に気になることがある。この焚焼室にもう一個の死体がある。


「ああ、パウル、かわいそうに、真神はあなたとともに」


 イーサンは死体の前に、また胸元でZ字を描く。


 パウル?確かにこの名前も夢で出た。


「あなたの同僚?」


「ええ、チーフ、じゃなくて、所長がかなり高給で引き抜いた研究員ですよ。でもこの人って、性格悪いです。最近研究はうまく進んでないから、僕を殴ったんだすよ」


 パウルの死体はセン トウブンやボッブと違って、比較的にきれいだ。


 ちょっと死体を確認したら、後頭部に打撃の痕跡以外に、刃物によっての傷跡は特に見当たらないし、乱れてない服装から判断すると、格闘などの争いもない。


 しかし、地面の血痕から見ると、死体は動かされた。


「ジャック、死体を動かしたの?」


「いや、死体を見てびっくりしたよ。勝手に触ってない」


 イーサンを見たら、彼も頭を振って、


「午後仕事が終わってすぐここから出ました。死体なんてなかったんです」


「仕事?」


「ええ、所長に頼まれて、死体を焚焼した」


「また実験失敗の被害者か?」


「たぶん違うと思いますよ。最近の実験はあんまり人体を使ってないです。たぶんほかのところからの依頼でしょう」


「ほかのところから死体焼却の依頼も来るの?」


「ええ、ここの焼却炉はかなり特別で、火力がすごいうえ、排煙排熱は特殊方法が使ってるんで、バレませんし、証拠も残れません。」


 イーサンは急に今回の目的を思い出す。焼却炉から一部の部品をとりながら、


「そうそう、早く火炎放射器を作ってここから離れましょう」


 されに、焚焼室の棚からパーツやガスボンベを取り出し、彼は火炎放射器を組み立て始める。


 この間で、私はもっとパウルの死体を確認する。


 死体の手が何かを握っている。


 石だ。なぜ石を持っているのかしら?ダイイングメッセージでも残す気?しかし周りを確認してみたら、石で書いた文字などはない。


「よし、トーチ出来上がり、すぐロイさんと合流しましょう。何かいい武器を手に入れたらいいですね」


 たぶん、ジャックとの再会、セン トウブンの復活、パウルの死体で、頭がいっぱいで、私たちはあることを忘れてしまった。


  「ひひひひひひひひひひひひ」


 扉を開けると、懐かしさすら感じる、あの恐怖の笑い声が顔に当たる!


 エミリーは外で私たちを待っている!


 逃げるの?でも、ここは三人もいる。きっとやれるはず。


 しかし30秒も経たずに、私は自分の甘さに気付き。


 ジャックとイーサンは全力で対抗するが、全く歯が立たない。エミリーは片手でジャックを持ち上げ、そして軽々く投げ出した。


 イーサンの持っているトーチは到底武器ではない。高温の火炎は十センチぐらいしかなく、エミリーのまえでどうしようもない。


 数回の戦闘で、男の二人は見事にやられた。命の別状はないが、もう戦えないのようだ。エミリーはナイフをもって、私に近づいてくる。


 なんで男の二人をほっといて私を先に狙うかを疑問しながら、周りの雑具を投げるが、もちろん、全く効果がない。


「きききききんきききんんぱぱぱつびびびびびびっち、ここここかししし、かん、ししおましまえしね」


 結局わけのわからないことを言いながら、私に斬りかかってくる。


 その時、私が投げた段ボールが、急にエミリーに飛ぶ。彼女の手に当たって、ナイフを落とせて、私の前に刺さった。


 次の瞬間、エミリー自身が宙に浮かんで、空中で数回回って、


 ゴン!!


 と、壁にぶつかって落ちる。


 振り返ると、ロイとアジア系の少女がB3の階段から登ってくる。少女がエミリーにゆびを指すと、立ち上がったエミリーはまた浮かぶ。


 少女が手を振ると、エミリーも同じ方向に、すごい勢いで飛ぶ。


 ドン!!


 先よい大きな音で、壁にぶつかって落ちる。そして、今回は立ち上がる様子がない。


 この少女、超能力でも持っているの?


「危ないところだったな」


 ロイは私に駆けつけて、引っ張って立たせる。


「ありがとう、ロイ、この子は?」


「わからん。B3の特殊研究室とやらに辿り着いたら、この子以外何にもないぜ。他のは研究設備だらけだ」


 まさか、この子は署長が言ってた秘密兵器?


 10代のアジア系の少女、丸くてかわいい顔に長くて黒い髪。ピンク色のワンピースに、大きなぬいぐるみを抱いている。


 なぜか、先からずっと私を見ている。鉄仮面のせいかしら。


「でも、コミュニケーションできないな。俺、通訳機が持ってないんだよ」


 ロイが自分の耳に指す。そして倒れているイーサンとジャックを見て、二人も頭を振る。


 これなら、私は話せる。


「あなた、名前は?」


 ずっと無表情の少女は、ちょっと微笑んで、


北条玲(ほうじょう あきら)


「へえ、アニタ、あんた韓国語もしゃべれるんだ」


 ロイは驚きそうな顔をする。


「これは日本語よ」


 私は続けて玲ちゃんに、


「玲ちゃん、あなたなぜここにいるの?」


 玲ちゃんは答えない。怖気づいてるのように、口をぬいぐるみに隠す。突然、何が気づいたのように、手を上げ、私の後ろに指す。


 エミリーは、再び立ち上がった!


 しかし、結局玲ちゃんの敵ではない。三度目の正直というのか、今回はさらに重くて、頭が直接に壁にぶつかる。


 音から判断すれば、今度こそ立ち上がることはないだろう。


 だが、目の前の玲ちゃんも、倒れた。


 映画のように、超能力を使いすぎて気を失ったのか。でもこの子のおかげて、一難は去った。


 ロイはすぐ玲ちゃんを抱き上げ、私はぬいぐるみを持つ。


「とにかく、下に戻ってあのドアを燃やそう」


「でも、その前に、あのクレイジービッチにとどめをささないと」


 ジャックは立ち上げながら、そういった。


 確かに、玲ちゃんが気絶している今、もしもあのエミリーが再度立ち上がったら、こちらもただでは済ませまい。


 ジャックとイーサンはエミリーの隣に立って、躊躇う。


 それもそうだわ。狂った殺人鬼とはいえ、相手は女。無抵抗の女にとどめを刺すなんて、できる人こそ、その神経に疑って警戒するべしよね。


 だが、躊躇っているその時、エミリーの体に異変が!


 彼女の頭は風船のように、どんどん膨らむ。一分も経たずに、人間とほぼ同じサイズになった。


 ジャックとイーサンも、目の前の出来事に唖然してぼーっとする。


 ポン!


 次の瞬間、エミリーの頭が爆発して、中から異形の怪物が出てきた。


エミリーの頭から巨大な怪物?いったいどうなってるんだ?

次回を待て!

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