第十八話 『異星人』
アンジェリナは洞窟の中で一人ボッチになった。はて、アンジェリナは洞窟の中で何を見つけたのか。
諸葛夢を安心して戦わせるため、アンジェリナは松明を持って、洞窟の奥に向かう。
洞窟の中に、淡い緑が光っている。光源は、壁に埋めているクリスタルのような鉱石だ。アンジェリナは一枚抜こうとしたが、びくともしない。
光源はあるものの、洞窟の中はやはり暗い、松明で前を照らしながら、アンジェリナはゆっくりと奥に進む。
ぽたぽた
あちこち水の音がする。頂上浮いてる岩から落ちてきた水は、たぶん洞窟の中に流れ込んできた。地下水脈もあるかもしれない。
外で戦っている諸葛夢のことはもちろん非常に心配しているが、洞窟の中にも何か潜んでいるかもしれないから、慎重に進む必要がある。
数百メートル進んだが、一部攻撃性のないでかい虫以外、動物はない模様。しかし、身の隠れる場所も見つからない。洞窟内部の構造は異常に簡単で、隙間や割れ目など一切なく、でかい石すらない。
壁に嵌めっている蛍光石は、まるで街灯のように、アンジェリナをさらに奥に誘導していく。たまに分岐点はあるが、小石で、諸葛夢も分かるような印をつける。
数回行き止まりの最後に発見したのは、階段だ。
下に向かうこの階段は天然で形成したものではなく、複雑な加工はないものの、人為的に作られたものだ。
好奇心か、下のほうは安全だと思ったのか、勇気を出して、アンジェリナはオドオドしながら、下に向かう。
階段は長い。洞窟に入ってきて歩いた距離をすでに上回り、暗さと相まって、階段の入り口はもう見えなくなった。
松明の照明範囲以外に見えるのは、鉱石の妖しい緑色の光だけだ。まるで無数の妖怪が自分を睨んでいるのようで、今はまさに地獄に向かっている。
そろそろやめようと思ったその時、ようやく下から微かの光が見えてきた。
急いで降りるアンジェリナ、たどり着いたのは、五六メートルの高さで、瓢箪形をしている巨大な洞窟だ。
洞窟の中に光る鉱石はもっと多いから、はっきりと全体は見えないが、暗くはない。そして水の音は大きく、すぐ近くに小さな湖がある。
喉からからのアンジェリナはすぐ湖に向かう。ごくごくと、たくさん飲んだ。ここの水は、昨日の水よりもおいしいのような気がする。
お腹は空いたが、袋の干し肉一枚だけ食べて、残りはやはり諸葛夢を待って一緒に食べたい。これでも気力は大分回復した。
洞窟にほかに何かあるのかを確認したくて、アンジェリナは松明を持ってあちこち歩きまわる。石以外に特に何もない。
しかし、石を確認しているアンジェリナは、頭を上げると、壁に何かあると気づく。松明で照らしてみると、
「壁画?」
非常に簡単な図形だが、これは絶対に天然の模様ではなく、誰かが石を掘って描いたのだ。一部はすでに見えなくなったが、まだ内容が解読できる部分はある。
主な内容は原住民の狩猟生活を記載しているらしい。狩った獲物の種類や数かもしれない。そのほかに、祭りや日付らしき図面もある。厳密にいうと、祭りにかかわる内容は狩猟や日付に負けないほど多く、ここの原住民にとって非常に大事のように見える。
諸葛夢のことを忘れたのように、アンジェリナは興味津々に壁画を鑑賞し始める。少しでもここの原住民を知りたい、そして何かヒントを得たい。そのヒントとは、ここから脱出方法か、あるいは生き延びれるコツ。
夢中にみていると、後ろに何か気配を感じる。
振り返ると、血まみれの人顔だ。
興味津々で洞窟の壁画を見るアンジェリナだが、後ろに何かが現れた。この現れたものとは?
次回を待て