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サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第一章 新学期一日目は忙しすぎる
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第十七話 『獣の群れ』

異星探検はロマンだけじゃない。危険な生物も出くわすものだ。

 やっと明珠山の近くにたどり着いた諸葛夢とアンジェリナであったが、後ろに何かがついていると気づく。


 レーザーポインターのような二個の光点が、ゆっくりと左右に動く。諸葛夢はすぐアンジェリナの前に立ち、松明で前を照らす。


 猛獣だ。


 地球のオスライオンと似てるが、体が数倍大きい。体毛などはなく、体はツルツルで黒くピカッとする。たてがみも無数の蛇のように、毛髪より明らか太く、そしてうにょうにょ動く。特に、顔近くの二本は非常に長く、まるで龍のひげのようだ。


 猛獣はすぐ仕掛けてこず、二人を中心にゆっくりと回りながら、観察する。まるで晩御飯のおかずを選んでいるのようだ。


 しばらくすると、猛獣はある判断をした。どうやらアンジェリナのほうが捕まりやすいと思ったので、すぐさまZ字を描くのように、左右二回往復飛び、アンジェリナに襲い掛かる。


 だが、この打算はすでに諸葛夢に見破られた。片手でアンジェリナを後ろに押して、猛獣の襲撃を回避した。それと同時に、遠心力を利用して周り蹴りを繰り出し、ちょうど猛獣の腹部に命中した。


 ごとん!


 大きな音とともに、猛獣は数メートルにも蹴り飛ばされた。しかし猛獣はすぐ体勢を直し、再度襲い掛かる。


 諸葛夢の片手はアンジェリナを守って、片手は昨日作った竜骨トンファーを取り出した。トンファーのてっぺんに恐竜の爪があり、跳んできた猛獣に向かい打つ。


 ガツン!


 今回は顔面直撃。武器を使ったから、ダメージは先よりも大きく、猛獣は悲鳴して一旦倒れた。


 しかし致命傷には程遠い。このままじゃらちが明かない。アンジェリナを守りながら戦うとうまく力が出せない。しかし手放すと、万が一小娘が取られたら、夜は暗く、追撃するのが難しい。


「俺を抱け」


「え、えええええ?な、なに言ってるの?」


「おんぶ作戦だ。これで両手で戦える」


「そ、そう?わかったわ」


 諸葛夢はすぐもう片手も龍爪トンファーを装備した。アンジェリナも今のうちに跳んで諸葛夢に登る。


「後ろからだ!」


 前から登ろうとするアンジェリナであった。


「ご、ごめん!」


 ぐるっと諸葛夢の後ろに登ったアンジェリナ、


「こ、これでいいの?ちゃんと動ける?」


「亀の甲羅と思えば楽なもんだ」


「そして、数か月後、アンジェリナを外したら高く跳べるのね!」


「何か月もくっ付くつもりか?!」


 と話しているところに、猛獣は再度襲い掛かってきた。両手使える諸葛夢なら、さらに余裕になる。数回猛獣の襲撃を回避し、その隙間で攻撃する。これらの攻撃はダメージ目的ではなく、猛獣に挑発するためだ。


 効果は抜群。怒りでターゲット変更した猛獣は、諸葛夢に攻撃を仕掛けてきた。諸葛夢は片手のトンファーで猛獣の噛みつき攻撃を防御し、噛んでるうちに腕相撲のように、手首を下に引っ張る。なんと、猛獣の巨体も一緒に空中でぐるっと回った。すぐさま、もう片手のトンファーが、円弧を描きながら、猛獣の腹部に猛烈な一撃。


 大きな悲鳴とともに、猛獣は倒れた。痙攣しながら、もう起きる気力はない。


 アンジェリナはすぐ諸葛夢から降り、慌てて猛獣の生死を確認する。


「よかった。死んでない」


「こいつはお前を食べようとするぞ」


 諸葛夢はトンファーをチェックしながら言う。噛まれたやつはひどく亀裂が入っていて、もう使い物にはならない。


「それでも命なのよ。動物だって一所懸命生きようとするだけ」


「ち」


 くだらないとは吐き出せなかったが、思わず舌打ちした諸葛夢。


 とりあえずしばらくは安全のようだ。二人はすぐ森を抜け、やっと明珠山に辿り着けた。


 登りにくいと予想はしたが、思った以上だ。山体はほぼ垂直で、おまけに岩は固くてなめらかだ。ボルダリング愛好者なら喜べそうだが、今の二人にとっては災難だ。


 とりあえず休憩して夜明けを待とう。諸葛夢一人だけなら何とか登れそうだから、朝安全になったらアンジェリナを下で待機させても、縄で釣り上げでも可能だからだ。


 焚火を付け、二人は休もうとする。


 が、すぐ諸葛夢は異変を感じる。一難去ってまた一難、周りに数十個おなじみの赤い光が接近してくる。


 諸葛夢はすぐトンファーとハンマーを手にし、アンジェリナの前に立つ。


「どうやら晩御飯のメニューを変更する気はないようだな」


「もしかして、友達の仇をとるために?」


「知るか」


「また、おんぶ作戦する?」


 諸葛夢は頭を振る。ざっと見ると二十匹以上いる。挟み撃ち受けるのは必至、後ろに隠れても無意味だ。


 あるいはアンジェリナの負傷覚悟で一部倒して、そして戻って助ける?先噛まれたトンファーの結末から見ると、小娘はただじゃすまない。


 考えてる最中に、諸葛夢は急に目の前が真っ黒になって、バランスが崩れる。後ろに倒れるところに、アンジェリナは慌てて支える。


「む、ムウ、どうしたの?」


「何でもない、ちょっとめまいが……」


 猛獣の群れが、されに迫ってきた。


「じゃ、じゃあ、アンジェリナはムウを守る!」


 アンジェリナは諸葛夢の前に立って、構えをする


「できるわけないだろう!」


 軽くげんこつ


「で、でも……」


「とりあえず逃げろ」


 アンジェリナを脇に挟み、できるだけ残りの荷物をもって、諸葛夢は完全包囲される前に、明珠山を沿って走り出した。猛獣の群れも、すぐ後を追う。


「む、ムウ、どこ行くの?」


「とにかく挟み撃ち受けないところだ」


「あ、あの洞窟はどう?」


 遠くないところに、淡く光っている洞窟がある。


 これだ!


 諸葛夢はすぐ方向変更して洞窟に向かう。辿り着いたら、猛獣もあともう少し。諸葛夢はアンジェリナと荷物を洞窟の中に入れ、ハンマーで入り口の上部に一撃。


 ごろごろごろごろ


 洞窟の入り口が崩れ、落ちてきた石がすぐ入り口をふさげた。


「む、ムウ、何するの?」


「早く中へ逃げろ!安全なところで待つんだ!」


「で、でも!」


「つべこべ言うな!早く!ここ片付けたらお前を追う」


 確かに、今の自分は完全なお荷物状態で、諸葛夢も一緒に入ったらいずれ石が猛獣にどかされる。こう思うと、アンジェリナは松明や他の荷物をもって、


「ムウ、絶対生きて!約束だからね!」


 と言って、洞窟の奥に向かう。


「もとよりそのつもりだ」


 諸葛夢は呟く。その時、一匹の猛獣が襲い掛かる。一対一なら諸葛夢の相手ではない。ハンマーの柄で猛獣を打上、落ちるとと同時スタンプの一撃を放つ。


 猛獣は即死した。


「お前は運がいい」


 微かの隙を見逃せない猛獣の群れが、すぐ同時攻撃を仕掛けて、諸葛夢を押し倒し、食い千切る。


そろそろクライマックスか?諸葛夢の生死は?アンジェリナは洞窟でなにと会ったのか。

次回を待て!

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