第十五話 『異星探検隊』
一晩を過ごした二人は、未知の惑星で探検を決意する。
未知の惑星、若い男女は焚火の前で一晩過ごした。アンジェリナは横で寝て、諸葛夢は警戒のため座って寝た。
どれぐらいの時間が経ったか、ワイン色の夜空はピンクに、そして青色に変わり、やがて太陽の光がやさしくアンジェリナを目覚ました。
生態から見ればすでに分かったことだが、実際に暑すぎず寒すぎず、地球とほぼ変わらない太陽を見たら、やはりなんかほっとした。
久しぶりの熟睡したか、右肩の傷はほぼ治ったようだ。体に掛けた古天仁のトレンチコート上に、さらにジャージコートはある。袖の破れたジャージだ。破れた部分は包帯替わりになった。
寝ている諸葛夢、彼を初めてじっくり見るアンジェリナ。
顔は中性的な美男子だが、腕には鋼のような鍛えた筋肉がついている。まるで一や二昔の漫画主人公か、あるいは二枚目だ。
諸葛夢はタンクトップだけで風邪ひいたら大変だと思うアンジェリナ、すぐジャージを諸葛夢に持っていく。
しかし、近づいた瞬間、諸葛夢は急に飛び上がり、片手でアンジェリナの喉を絞めようとする。が、すぐアンジェリナだと判って、ほっとして再び座った。
「なんだ、お前か?」
「う、うん、ムウは寒いかなと思って……」
アンジェリナはオドオドとジャージを諸葛夢に返す。安全確保任せられるだけの自信はやっとわかった。
「傷は?」
「うん、ほぼ治った。不思議な速さで」
手で傷口を触って、アンジェリナは急にクスっと笑う。
「?」
「本当にいたんだね。服の上に包帯まくのは」
「?……、ああ、今度はバイ○ハザードネタか。じゃあ、お前、服脱ぐか?」
「ぬ、脱げるわけないでしょ!」
アンジェリナは急に顔が赤くなる。
「い、いい?!二人きりになったからって、へ、変なこと考えないでよね。」
「誰がお前なんかに……」
「たとえこの星で生活することになっても、アンジェリナに手を出すには、に、二、三年ぐらい待って!」
「待てばいいのかよ」
「だって、アダムとイヴになるのでしょ。アンジェリナは新人類の母になるよだよ」
なぜか急にウキウキになったアンジェリナであった。
「へいへい、変な妄想はやめ、早く出発の仕度しろ」
「わかったわよ。アダム」
「だれがアダムだ」
アンジェリナは川辺で顔を洗って口を漱いだら、諸葛夢のほうはほぼ準備完了した。
「ムウ、これらは?」
「昨日の“恐竜”の残骸で作った武器や道具だ。」
皮で作った袋に水と干し肉、骨と石でできたハンマーとトンファー、さらに植物で作った縄数本。諸葛夢はこれらを片付けた。
ちょっと表情を曇ったアンジェリナだが、今は非常時と思って、すぐ気を取り直し、古天仁のトレンチコートとキムチェヨンのカメラも片付けた。
「よ~し、異星探検隊、隊長司馬アンジェリナ、副隊長、諸葛夢、いざしゅっっっぱつ!」
「肩書意味あるのか」
「じゃあ、ムウ副隊長、まずはどの店をお邪魔するのだろう?」
「店ってなんだ……まあ、お前の推測が正しければ、とりあえず高いところでここの地形を把握して、もしかして何か発見あるかも……」
「おお、珍しくまともなご意見をいただきました」
「ぶん殴るぞ」
「じゃあ、あの山はいかがでしょうか?」
アンジェリナを指したのは、ここからはっきり見える細高い山だ。てっぺんのさらに上に、大きな石が浮かれ、石から滝が流れ落ち、地球では絶対見られない景色だ。
形から見ると結構登りにくいが、行ってみる価値はある。細長い棒の上に支える大きな玉、形は災前シャンハイの東方明珠と似てるから、明珠山と名付けた。
いざ、明珠山へ!
果たして、二人はちゃんと明珠山にたどり着けるのか?