第百二十五話 『一匹の狼』
GW、結局あんまり書けませんでした。面目ない
諸葛夢、キョロロル、ペへスタ三人が現場に戻ったのは、すでに夜が明け、鶏鳴の時間だった。最も、今は鳥のさえずりを聞こえるのは、ネオシャンハイなどごく一部、鳥を保護した地域。飛べない鳥は、ただの食料だ。
現場っていうのは、陳宝云、カイ、林宇三人が、ソニアチーム残り三人のボディを組み立てる作業の場だ。真っ先に組み立てられたのは陳宝云で、あとは彼の自力で元の姿に戻れた。
陳宝云曰く、戻す魔法にかけられたら、ある程度パーツ離れても大丈夫だが、離れすぎたり、間で雑物や別のパーツが挿んだりすると、大変なことになる。臓器損失や、大きな傷口は大出血の危険性があるから、三人は徹夜で残りの三人を組み立てていた。
さらに、ゴブリンたちのパーツも運んできた。理由は簡単。どのパーツはソニアチームの物なのか、どれはゴブリンの物なのか、夜の荒野では、区別できない。
幸い、クロのアース・メイズ・ディメンションに切断された体の切口は、無規則的なものではなく、それぞれ特徴な線や直角が多く、組み立てる時、ある種の立体ジグソーパズルをやっている感覚で、よほどのことがなければ、組み間違いことはまずないだろう。
諸葛夢達の到来に気付き、林宇はまず愚痴る。
「おい! お前ら、どこ油売ってんだ? 早く手伝え、って、え?」
諸葛夢の姿を見たら、林宇達はちょっと驚く。体はあっちこっち繃帯まみれになって、顔にも絆創膏が大量貼っている。繃帯から、血の跡が見える。
「ひっひっひ、若いの、伝説の猟魔人の物真似かい?」
「おい、どうしたんだ? 夢」
「転んだだけだ。気にするな」
どんな転び方でそんな風になれるのか、と三人は同時につっこみを入れたいが、諸葛夢は無言で組み立て作業始める。キョロロルとペへスタも困りそうな顔で、今は聞けそうにない。
頭脳派三人の加入で、作業はさらに捗る。もうちょっと時間かかったら、ソニア、ヒューイ、ランケン三人の土像が完成した。(カイがいなければもっと早く完成できるかもしれない)
念のため再三チェックして、陳宝云は魔法を使い、三人はやっと元に戻った。
落ち着いて作業会議を開いたのは、すでに昼だった。ソニアたちは猟魔人であり、魔族退治は本業だが、今回はアンジェリナの救出を手伝うことにした。
(女性をなんだと思ってるの? あのイオガンルブンの大教主、許さないわ。
それに、あの教の動きも気になる。確かに何度もうちに布教活動してきたけど、あれは単純な布教じゃなくて、覚醒者を欲しがってたのよね。上層部は強く断ったから、DSとの仲は結構険悪。
しかし、最近になって、イオガンルブン教の強力覚醒者は結構増えた気がする。一体どこから入手した人材なの?
そして、あの妖怪……妖怪って、御伽噺にしか存在しないはずなのに……)
「隊長、本当にこんなくだらないケースに突っ込むんですか?」
ランケンの一言が、ソニアの思慮を中断させる。
「え、ええ……こちらのできる限り協力するわ。DSは単純な猟魔人組織だけでなく、正義の味方であることも忘れないで。今回の救出作戦はもちろん参加させていただくわ。
では、まずは、あの四人組の在りか、かしら?」
確かに、これは一番の問題だ。カイが頑張ってマナを探ってみたが、遠くないところにDSとイオガンルブン教の本拠地があるからか、うすうす感知できる覚醒者が大量いる。例の人たちはやはり特定できない。
「ゴブリンを復元すればいい」
「はぁ? 何を言いだすかと思えば、頭壊れたか?
九流猟魔人」
「まってランケン、諸葛君、何か考えがあるの?」
諸葛夢の考えは至って簡単だ。ゴブリンは価値のあるものを感応する特性がある。一宗教の大物が狙っている天才少女、そしてその少女は今宝石と化した。これ以上値打ちの物はなかなかないはず。
「なるほど、やってみる価値あるわ」
「た、隊長、魔族だぞ」
「今は仕方ないのよ。それに、ゴブリンと言えど、昨日はちょっと共闘したじゃない? 彼らの親分もあの者たちにやられたわ。きっと力を貸してくれるはず」
ゴブリンの生命力は強い、特に組み立てる必要もなく、陳宝云の魔法で全員回復した。ソニアの読み通り、それなりに協力な姿勢を見せた。しかし、実際の探索作業は結構難航した。幼馴染がくれた他人から見れば一文の価値もない貝殻をもすぐ見つけるのに、諸葛夢の曰く至高のお宝を感じ取るにはほぼ一日を使った。
誰もがちょっと疑問と思うが、宝石、マナの持ち主四人、そしてイオガンルブン教のメイン活動拠点に向かっている。どうやら疑う余地はないようだ。
「じゃあ、間違いがないなら、早く嬢様救出に向かおうよ」
「待ってよ、バカ面! あっちには伝説の猟魔人がいるんだぜ! 俺たち全員かかっても勝てない相手だ。迂闊に出りゃ、返り討ちをくらうだけだ。そんなこともわからねぇのか? さすがは九流猟魔人の仲間だ。これも、類は友を呼ぶってやつか?」
「な、なんだとぉ?!」
ランケンの話の意味は完全理解したわけじゃないが、悪口言われただけはちゃんと知っている。青い髪の毛の若者二人、危うく喧嘩になりそうなところで、ソニアは仲裁に入る。
「本部から、人てを借りるのは、ダメか?」
ヒューイの提案に、ソニアは頭を振る。
「仲が悪いとはいえ、本部はまだイオガンルブン教に全面的に敵を回す気はないわ。たぶん、今回は……あ、そうだ、林宇君、あなたなら……」
「俺が?」
「そうよ。軍よ。あなたは軍に入ったでしょう。この近くにも……」
ネオシャンハイの防衛隊、いわば軍はかなり勢力を広がっていて、今はあっちこっちに部隊を駐屯している。入ってる期間は短いとはいえ、林宇はもちろんそれなりの情報を知っている。しかし、ソニアの話を聞くと、彼は急に顔色が悪くなり、
「ネオシャンハイ軍の情報知りたければ、まず親父の大剣を返せよ! この泥棒女!!」
また喧嘩になりそうな雰囲気になって、ソニアはすぐランケンと陳宝云を止め、
「ごめんなさい。すべてはあたしの責任だわ。あの剣はあなたにとって大事なものね。心配しないで、アンジェリナさんの救出後、必ずあなたを剣も元に案内する。あの剣なら、今DSの本部で、大事に扱っているわ」
「案内? 返す気はねぇのかよ」
「ごめんなさい。あの剣は、特別よ。詳しいことはまだ言えないが、安心して、破壊したり、紛失したりはしないわ。研究が終わったら、あたしは頑張って上層部を説得する」
チッてちょっと舌打ちし、林宇もこれ以上のことは言えなくなる。ネオシャンハイ軍の在りかを教え、おおむねの方針は決めた。
「では、二組に分かれましょう。林宇君、キョロロルさん、ペへスタ君、ランケン、そしてあたしは軍のところに行って、救援を呼ぶわ。諸葛君、カイ君、宝云さん、ヒューイ、あなたたちはあの者たちを追いなさい。ただし、あたしたちが合流するまで、相手と戦わないで、いいわね」
ソニアの話が終わると、諸葛夢は立ち上げ、外に出ようとする。
「ちょっと、諸葛君?」
「俺は一人行動する。伝説の猟魔人、あの二人なら俺が倒す。お前たちは手を出すな」
諸葛夢一人で白い男女を倒せるのか、彼は何考えているのだろう
次回を待て!
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