第百二十二話 『伝説の猟魔人』
激戦激闘、年内第一部完結を目指して頑張るぞ
諸葛夢、カイ、キョロロル、ペへスタ、四人はとあるデカい機械をもって、進軍している。目的はもちろん、アンジェリナと林宇の救出だ。
機械は警備ロボットの一部で、宇宙船の在りかを教えてくれる。そして警備ロボットの本体は、ある機械マニアに渡した。
その機械マニアは名前は馮軍、日本生まれのドイツ人で、今使っているのはもちろん新しい名前だ。このご時世で、拾ったものは自分の物は普通だから、別に悪意があってロボットを盗んだわけではない。しかし、人命にかかわっているのに、ロボットの本体、特にメインフレームを彼に渡せなければ、ロボとの在りかを教えないという交渉が来た。
彼の人間性をよく知っていたのか、長のアンドレも半ばあきらめたのような態度でちょっと説得してみたが、やはり無駄だった。その場の一行(カイ以外)も、厚かましい人だなと思いながら、馮軍からある種の執念を感じたので、ペへスタは信号追跡機およびクルス星にかかわるデータメディア、そして動力源を外し、残りの部品を馮軍に渡した。
「にしても、ちきっ、ここ辺りの信号悪いですね」
進軍しながら、ペへスタははやり不思議だとも思っている。彼が手に持っているのは、モニターは球体のレーダーだ。水晶玉に似ているので、機械に組まれていなければ、彼を占い師と間違われるかもしれない。
水晶玉の上に、光点が跳躍する。本来なら、安定して一か所に示し、あそこの宇宙船の在りかであるが、第三次世界大戦後、地球上の無線通信はほとんど使えなくなったのと同様、めちゃくちゃ動いていて、大体の方向しか判断できない。
「ねえ、ヘペスタ君、なんか、あの童謡を思い出せません?」
「童謡?」
「ほら、あれ、
ヅワック ヅワック、
虚空の彼方からやってくる
ヅワック ヅワック、
やってきたら設備は全部壊れて
親の通信も耳に入れぬ
ヅワック ヅワック、
悪い子を捕まって、
怪物に生まれ変わる」
これを聞いて、今までずっとレーダーから目を離さなかったヘペスタの表情をちょっと変わる。笑っているのように、怒っているのように、
「またその話か。あれは子供だましだろう。あと、女子たちの携帯信号が悪くなると、確かにヅワックのせいってよくいうな」
嘲笑いもあるが、ペへスタは同時にちょっと怒っている。ペへスタとキョロロルはいまだに友達以上恋人未満の関係でずっと進展がない理由は、二人の仕事にある。
キョロロルの仕事は地球で言うと、民俗学者、いろんな惑星文明の歴史や日常文化を発見し、研究して整理するのが彼女の仕事だ。こういう仕事だから、都市伝説や噂話もどうしても接触してしまい、彼女も結構楽しんでいた。ヅワックっていうのは、クルス星で流行った一種の伝説で、怖い異星人のことだ。
対して、ペへスタは宇宙飛行士兼宇宙環境研究者、彼もあちこち新しい宇宙文明を探していたが、現在の時点では、そのヅワックという異星文明の存在証拠はどこにもなかった。童謡や伝説を根拠で飛ばされるのは単に時間の無駄だと思い、彼の性に合わない。
そのせいで、両想いの二人も、口喧嘩が多く、結局恋人まではなれなかった。ペへスタ最近の宇宙飛行よくキョロロルを一緒に連れて行くのも、彼女に現実を見せ、あんな御伽噺の追究をあきらめさせるためであった。
地球を発見して、尚更だ。
「いいのか。ここの文化も見たのだろう。もしかして、クルス星も昔は小説や漫画など、存在する時期があったかもしれない。娯楽のため、僕たちのご先祖様も、嘘をついて物語を作り出した。
しかし、ザンボルガ・ラン星間連盟に参入してから、多くの惑星からの歴史物語や実際に行われたことが創作の主流素材になって、ここのいわゆるフィクションは舞台から消え去った。だから昔の作り話は童謡になったのさ。
そもそも、あんなでかい規模かつ強力な種族がこの宇宙に存在するのなら、ラン星連に全くコンタクトがないどころか、痕跡すら見つからないのがおかしいだろう? 人口は100億だぞ? クルス星どころか、ラン星連を軽く上回っている。だから、全部デタラメだ。パルタ・ヅワック星人も、ゾルド水晶も」
二人が小さい声で痴話喧嘩できるのも、前に歩いている男子二人は一心不乱にアンジェリナたち、そしてゴブリンの痕跡を捜しているからだ。
アンジェリナの安否だけを心配しているカイはもちろん、諸葛夢もいつもより緊張している。融合を繰り返し超強化したゴブリンたち、陽動作戦で目当ての物を盗む。異常だらけの事件、その背後には、何か巨大なものが隠していると、彼の勘は囁く。
男の勘は中てにならない
「ベテランの猟魔人の勘なら、か……」
「え? なんて?」
諸葛夢唐突の一言でびっくりするカイ。
「いや、何でもない。それに、まだ何も感じでないのか」
「ちょ、ちょっと待ってな」
遠いところのマナ渦巻を察知するのは結構疲れる。カイは再度精神集中して、両手を水平に上げ、レーダーの示した大まかな方向に向かう。
「そのポーズ、何とかならないのか?」
「う、うるせえよ。あ! なんかある! しかも、ゴブリンたちだけじゃないぞ。なんか、知ってるような、知らないような、ううううん、とにかく、大勢のマナ使いがいる! しかも、戦闘が起こってるみたい」
カイほどではないが、諸葛夢も確かにあの方向からマナを感じる。あの方向ならペへスタのレーダーの示した方向と大体一致する。アンジェリナ達は必ずそこにいるとは限らないが、一見する価値はある。それに、多数のゴブリンがあそこで戦闘しているなら、また陽動作戦とは考えにくいし、むしろ、こちらから漁夫の利を狙えるかもしれない。
四人は進軍速度を上げ、相手に見つからないように、なるべく茂や廃墟の間で、素早く、こっそりと進む。しばらく進んだら、目的地の到着した。
しかし、目の前にいるのは、一片の惨状だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※
時間をちょっと遡り、千刃丸はゴブリンたちを率いて、侵入者を迎撃しに行った。しかし、彼の期待を裏切って、やってきたのは、四人チームの猟魔人だった。
この猟魔人チームとは、かつて泰山で諸葛夢達を救った、ソニアチームである。
凛々しい金髪の女剣士、チームリーダのソニア、二丁のミニチェンソーンを使う小男陳宝云、一対の盾を武器にし大男ヒューイ、そして重装鎧を付けている魔術師ランケン。軍の正式パワードスーツはまだ未完成のせいか、今日は泰山の時と同じ鎧を着ていて、直接魔法で戦闘するつもりだ。
「何やつ?」
諸葛夢じゃなくても、やってきたのは猟魔人だ。千刃丸とゴブリンたちはすぐ構える。
「なんだ、またゴブリンか、探魔師もいい仕事してくれるぜ」
「気を付けなさいランケン、今回の相手は一味違うわ」
ほかの三人はすぐ武器を構え、臨戦態勢に入ることを見て、気に食わないが、ランケンも仕方なく、魔法を詠唱し、己の鎧を強化した。
「ディバインセイバー、猟魔人ソニアチーム、いざ参る!」
ソニアの一喝で、戦闘が開始した。開始したら間もなく、ランケンはソニアの言葉を理解した。泰山の戦いはまるで嘘のように、四人は苦戦した。
ゴブリンたちに勝てないわけではないが、本来なら一撃でバラバラできるソニアの剣と陳宝云のチェンソーン、全身骨折できるヒューイの円盾、現在は全部効果が薄い。そして、魔法で強化したはずの鎧も、一見普通の棍棒攻撃を受けても、かなり痛い。
しかし、四人にとって、一番脅威になるのは、後ろで控えているでかくて黒いやつだ。
「もういい、お前らは引っ込んでろ」
千刃丸から見れば、ゴブリンたちは苦戦している。部下を失いたくないのか、彼は自ら前に出る。
「千刃丸と申す。妖怪だ。」
(なんですって?)
「魔族ではないが、俺の可愛い部下たちに手を出したからには、見過ごすわけにはいかんな。今度は俺が相手だ。覚悟しろ!」
すると、千刃丸全身の棘がさらに長くなり、散弾のように、四人に向かって発射する。棘の速度が速い、回避するのはもう無理だと判断し、四人はすぐ全力で防御する。
ディーンディーンディーン
激しい金属音。やっと攻撃を防げたが、ソニアたちは明らかに手のしびれを感じる。しかし、気づいたら、千刃丸の再度姿が変化した。巨体が分裂し、無数の黒い玉になる。
一発一発、全部砲弾を遥か上回るパワーだ。しかも一直線で飛ぶのではなく、妙に追尾力が高く、四人はそれぞれ数発を受け、大ダメージを受けてしまった。
「他愛もない」
立ち上がってもうよろよろ状態の四人をみて、千刃丸は元の姿に戻り、余裕そうな態度で、自分の戦果を観賞する。
「た、確かに甘く見たわね。こちらもそろそろ本気を出させてもらうわ。いい? みんな! ソニアチーム真の力、見せて差し上げましょう」
「「「おお!」」」
掛け声をしたら、ランケンとヒューイは同時に魔法を詠唱し始め、ランケンはいつものように自分の鎧ではなく、仲間たちの武器を強化した。するとソニアの剣は蛇腹剣に変形し、陳宝云のミニチェンソーンが合体して大きなチェンソーンになり、ヒューイの円盾は展開し、二本の大きな盾になった。
「ほう、法宝現身の術か」
「ええ、よく知ってるわね」
一方ヒューイが使ったのは、回復魔法だ。おかげで、ソニアは再び余裕な態度で千刃丸と会話ができる。
「法宝現身の術にかけられた武具は、一時的にオリジナルの法宝に比肩するほどのパワーを持つと聞くが?」
「どうかしらね。本当かどうか、ちょっと試してみる? ではお待たせ、ラウンドツー、行くわよ」
ソニアの声は合図なのか、ヒューイは先に前に出る。千刃丸に負けないぐらいの巨体、そしてまた彼自身とほぼ同じサイズの盾、そのプレッシャーは半端なく、さらに、千刃丸の視野を遮る。
近づいたら、ヒューイの背後から、ソニアと陳宝云は両側から出て、一斉に襲い掛かる。
「小癪な!」
そんな子供だましにやられるかって思って、千刃丸はもちろん両側からの不意打ちを読んでいる。しかし、遠いから火の玉や氷柱が飛んできて、すぐには反撃できない。
やっとの思いで反撃したら、命中したのは陳宝云が作ったダミーだわ、せっかくのダメージがヒューイが回復してやったわ、かなりイライラする。
そう、これぞソニアチームの強み、チームワークだ。ヒューイとランケンの攻撃を放棄し、鉄壁の防御と万全な回復を手に入れ、そして強化した武具があるから、攻撃面はむしろ普段より強くなった。もしネオシャンハイ軍のパワードスーツが完成出来たら、ランケンは遠距離から強力な支援射撃もできてしまい。団体戦限定だが、ディバインセイバーではソニアチームの右に出るチームはいないといわれている。
が、だからといって、千刃丸は負けるかといえば、そんなこともない。彼の実力は、もう地下墓地の時の、カザキリと羽丸の比ではない。例えエリート猟魔人四人相手でも、全く後れを取ることはない。背後からさらにそれぞれ武器を持っている四本の腕を生み出し、三人の攻撃を捌く。
戦闘は泥沼化になりそうだが、対戦双方はその気はなかった。ソニアチームのメインターゲットはゴブリンたちだ。親玉とはいえ、魔族でない以上、千刃丸のところで過度な消耗は望ましくない。そして千刃丸も何かを心配している、あるいはおびえているのように、なるべく早く戦闘を終わらせたい。敵同士なのに考えは一致した。お互いも察知したのように、これで最後の一撃を仕掛け、雌雄を決す。
しかし、その時、大きな爆発音と衝撃とともに、また何かがやってきた。
舞い上がった埃が鎮まり、そこから現れたのは、包帯まみれの白いスーツ姿の男女だった。
「こ、こいつら何者? 人間なのか?」
「ま、まさか?」
顔は包帯に巻かれてはっきりと見えないが、あの特徴的な外見と組み合わせ、そしてその威圧感、ソニアは何となくわかる。
「で、伝説の猟魔人」
「なんだ、味方じゃねえか。でも、お手柄の横取りは感心できねぇな」
形勢逆転と思ったのか、ランケンは余裕そうな態度で、 “大先輩”達にちょっと“挨拶”しにいく。
「ま、まってランケン、彼らはとっくに死んだはずよ」
新しくやってきた伝説の猟魔人は敵か味方か、それに、彼らは確かにイオガンルブン教のところで……
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