表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第七章 スーパーヒロイン誕生
113/137

第百十話 『得体の知れない守護者』

毒の霧に入って、あそこに巨大な影と遭遇する。

 変なものに追われる夢なら、何度も見てきた。しかし、まさか現実になったとは、はわわ


 考えながら、アンジェリナは一生懸命逃げる。後ろにいる巨大な黒い影、巨大なロボットは、周りのものを破壊しながら、アンジェリナを追う。


 霧の外で待機している諸葛夢とカイは、すぐ構えて、ロボットと戦闘し始める。ロボットの動きは鈍い。林宇の鉄甲人ほどではないが、攻撃があの二人に命中することはまずない。しかし、防御力も高く、二人の攻撃も大した効果がないのようだ。


 激戦区になる可能性があるから、アンドレ達は先に帰らせ、しかもさらに東に移動することをお勧めした。途中の野盗なら心配する必要がなく、ほとんどは諸葛夢とカイが懲らしめて、しばらくは動けないはず。


 三分で校舎を平らに出来ると自称する諸葛夢、泰山で光剣を使って透明ロボットをやっつけたカイ。しかし、二人の攻撃は大した効果がなく、ロボットはよろめいたが、実際のダメージはほぼない。数ターン戦ったら、どういうわけか、ロボットまたすぐ霧の中に戻る。


「あ~あ、もうだめ、アンジェリナ、もう体力ないよ」


 ヘルメットを外し、アンジェリナは地べたに座って、ぜぇぜぇと喘息する。いくら体力があるとはいえ、すでに四往復したので、疾走距離は数キロにも及ぶ。しかも、機械のランドセルを背負って、ヘルメットか被っている状態だと、確かに苦しい状態だった。


 休憩しながら、ちょっと考えことをする。


 毒霧に入って、いきなり巨大なロボットが現れ、自分に襲い掛かった。あのロボットは一体だれが作ったんだろう。アンドレの話では、昔こんなロボットはなかったはずだ。性能的にかなり高く、アンジェリナの知っているところでは、現在人類が作れそうなロボットではないはず。泰山の時も確かに透明のハイテクロボットと遭遇したが、今回のはまた別の意味ですごいものだった。


 そして、なぜ自分を襲ったり、そしてちょっと戦ったらまだ霧に戻ったりするのか。


 可能性その一、高い知能を持っていて、ムウとカイやんに勝てないと判断し、一時退避した。しかし、四度自分を見て、四度追って、四度殴られた、高い判断力はないはず。

 可能性その二、霧の中に、何か大事なものを守っていて、侵入者を追い払いさえできれば、これ以上の追撃はしない。

 可能性その三、あの毒の霧自体は、あのロボットの動力源で、外に出たら長くは稼働できない。


 しかし、全部憶測しかなく。現在の先決は、人命と汚染源の確認、一人だけじゃ、ロボットを回避しながらやるのが至難の業。


「もう、最初からムウとカイやんのスーツまで作るべきだったね」

「もう作れないのか?」

「材料がないのよ」


 アンジェリナは腕に縛っている縄を解いて、


「こんな縄を作らなければね」

「俺のせいか?」


 これを聞いて、諸葛夢はちょっと不愉快になる。


「なら、俺はあのロボットを何とかする。今すぐ封印解除してくれ」


 すると、諸葛夢は無理やりアンジェリナの手を握る。前の修行で慣れたのか、アンジェリナも反射的に意識を集中して、彼の封印を解く。


 (じょ、冗談だよ。別に責めるつもりはないよ。むしろ、アンジェリナのために、あの縄を作ってくれて、胸がキュンとするよ)


 こう考えている時、諸葛夢は走って、毒霧の中に突進する。


「ちょ、ムウ、何するの?」


 アンジェリナはすぐ慌ててヘルメットをかぶって、諸葛夢を追う。カイだけは、外に残される。


 やっと追い詰めて、諸葛夢を止めようとするが、彼に一喝され、


「俺を触るな」

「もう、何怒ってるのよ」


 諸葛夢の腕を引っ張ろうとすると、何かの巨大な力に吹き飛ばされる。


「だから触るなって」

「いててててて、なによ、これは?」


 濃い霧の中で微かに見える。諸葛夢の周りに、何か透明なものが覆われている。


「魔法の障壁だ。得意な魔法じゃないが、封印解除が無効になっても、十分ぐらいなら持つ、俺はあのロボットを引き受ける。お前は早くやるべきことをやるんだ」

「それなら、もっと早く言ってよ」


 尻を揉みながら、アンジェリナは立ち上がる。


「つべこべいうな」


 すると、諸葛夢は数回のジャンプで、霧の奥に進む。しばらくしたら、奥から金属激突の音が聞こえて、どうやらロボットを発見したのようだ。


 今がチャンス。アンジェリナはすぐアンドレの教えた通りの場所に行き、先にテストシェルターを確認する。


 真っ先に通話機で中にコンタクトを取ってみる。テストシェルターには、糸電話と呼ばれて、電力も消耗せず、振動だけを利用する通話機がある。かけてみて、確かにシェルターの中に微かに人の声が聞こえる。しかし、すでに気力が感じられない。たぶん、アンドレの予想通りに、食料と水がなくなって、危機一髪の状態に陥ている。


 なら、一刻も早く、汚染源を見つけて、霧を何とかしないと。そう思うと、アンジェリナ次の目的地は化学工場だ。しかし、化学工場はかなりでかく、しかも、本当に長い時間廃棄されたのようで、毒洩れの可能性が低い。そして、ちょっと考えたら、アンドレは確かに爆発の音が聞こえたと、述べたはず。化学工場の辺りに、爆発の痕跡もなかった。


(可能性二、霧の中に、何か大事なものを守っていて、侵入者を追い払いさえできれば、これ以上の追撃はしない。)


 まさか、あのロボットは本当に汚染源と何かの関係があるのか? すぐ戦闘の音を追って、アンジェリナは諸葛夢とロボットのところに行く。


 霧に入って、すでに8分ぐらい経過した。諸葛夢の魔法障壁も、あと二分で切れるから、彼もそろそろ撤退の時間だ。なら、せめてロボットの在りかを確認したい、あっちなら絶対何かがある。


 プシュー


 何かの音が聞こえる。よく見たら、ランドセルとヘルメットと繋がっているパイプが壊れて、猛毒の霧が、どんどんアンジェリナのヘルメットに入ってくる。


パイプが壊れて、アンジェリナは毒に冒されるのか。

次回を待て!

よかったら、評価していただければ嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ