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サイゴヒーロー ~魔を狩る人~  作者: 古蘭佐
第六章 戦え猟魔人3!主役はやっぱり諸葛夢&アンジェリナ
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第百四話 『カイとの再会』

カイと再会したが、待っているのは?

 前回の続き、キースという別荘主人の妻女たちを救うため、諸葛夢は単身で怪人の屋敷に偵察しに行く。しかし、見つかったのはカイだった。


「何やっている?」


 ちょっとカイの肩を叩くが、全く無反応だ。もうちょっと押してみると、危険を感じたのか、諸葛夢はすぐバックジャンプする。二重の閃光、あっという間に天井と地下室の地面に大きな穴があいた。


 ドックビル事件後、諸葛夢とアンジェリナが一緒にちょっと修行した。あの時まだ全快してないカイも参加したので、暗雷剣はまたそれなりに強化された。しかし、おかげでパターンも把握して、先の一撃を回避できた。


 まだ着地していない諸葛夢に向かて、カイは二本の暗雷剣を持ち、体を回転しながら、空中で大きな二つの円を描きながら、彼に斬りかかる。


 これじゃ後退のスペースがないと思って、諸葛夢は着地の一瞬ですぐ再度跳び、体を横にして二個の円の隙間に入る。ついでに、片手でカイを掴んで地面に引っ張る。が、カイはすぐ片手の剣を支点として体を支え、もう片手の剣を諸葛夢に斬りかかる。仕方がなく、諸葛夢は手を離し、そして後退する。


 二人が再び距離を開けたら、カイは力を溜め、暗雷剣は巨大化して、そして地下室で乱舞し始める。剣を振るたび、青く光っている刀気が部屋中に跳びまわる。その一撃一撃が致命的で、諸葛夢は防戦一方。二三十回の攻撃で、地下室を含む、屋敷全体がバラバラになって、崩れてゆく。


 今がチャンスだと思って、諸葛夢はすぐハイジャンプし、二階の残骸に上がり、露出の鉄骨を引っ張り出す。これで、素手で戦うよりはマシ。


 下のにいるカイは、二本の暗雷剣を一本に纏まり、そしてランサーのような形に変形して、諸葛夢に突進する。諸葛夢はすぐマナで鉄骨を強化して、二人のチャンバラが始まった。


 しかし、今の諸葛夢には、扱えるマナの量は極めて少ない。数回鍔迫り合いしたら、すぐ元の鉄骨に戻り、カイの暗雷剣に千切られた。だが、これも諸葛夢の計算の内。斬られた鉄骨を飛び道具として、カイの手に蹴り飛ばす。そしてうまく命中し、暗雷剣を撃ち落した。


 新しい暗雷剣を生成する前に、諸葛夢はすぐカイの懐に入り、彼の両手を掴む。ちょっと怒って、


「貴様! 狂ったのか?」

「お前が、お前が嬢様を殺した!!」

「は?」


 何言ってるんだと思っているその時、両手がしびれ始める。まずい、カイはそのまま放電する気だと思って、電気びりびりで焦がされる前に、諸葛夢はカイを投げ飛ばす。


 操られているかどうかはわからないが、今の状況はまずい。マナ封印されて現在、カイの実力が上。しかし、チャンスならまだある。


 カイはすぐまた二本を暗雷剣を生成したが、諸葛夢は地面の千切られた鉄骨をもって、短剣感覚で扱い、カイにぶつかる。防御されてダメージは与えなかったが、二人は屋敷の廃墟から、別の古い建物に突入した。


 途中、カイは剣を振り、諸葛夢を振りほどく。二人が再度分かれた。体勢を整えたカイは、すぐ前の技を繰り出す。あれは修行期間で編み出した新技だ。名前もまだついていない。二本の暗雷剣で乱舞して、刀気で敵を切り刻む。攻撃スピードも密度も高く、よけ続けるのが困難な技だ。


 しかし、これこそ諸葛夢の狙い。カイはまだこの技をマスターしていなかった。自分に斬らないため、体の周りに微かの隙がある。普段ならこの隙に突くのが難しいが、狭い空間で繰り出すと、攻撃スピードも若干ダウンになって、今なら可能だ。


 諸葛夢は一瞬でカイの懐に入り、正拳突きでカイの胸に打ちぬく。カイの背後から、衝撃波が目に見えるように拡散し、そして手持ちの暗雷剣が小さくなって、やがて消える。


 これで戦闘力が失われたはずだと思って、諸葛夢は再度カイに近づく。しかし、数歩あるいたら、カイは急に手を上げ、雷の玉を諸葛夢に発射する。


 飛び道具を見て、無意識的に手で払おうとするが、手を挙げた瞬間まずいと思った。しかし時すでに遅し、拳にぶつかる雷の玉が、急に変形して巨大な電気ネットと化し、諸葛夢を覆う。これは地下墓地一戦で、カザキリと羽丸と戦ったときに使った技の完成形態だ。


 幸い電気ネットの威力は大したことがない。諸葛夢は頑張って解いたが、これでまた前の状態に逆戻り、五分五分、いや、六分四分の状況のほうが正しい。次の対策を考えているその時、諸葛夢は後ろから人の気配を感じる。振り返ろうとするが、急に後ろから何か奇妙な波動を感じ、そして次の瞬間、目の前が真っ暗になる。


 …………

 ……

 …


 目を開けると、自分は何もない真っ暗の空間にいる。手足を動かそうとしたが、びくともしない。前に、一筋の光があり、夜空に輝く、星のごとく。


 しばらくすると、手がやっと動かせるようになる。目の前の光もどんどん増え、今度こそ星空に見える。足はまだ動けないが、光がどんどんこっちに近づいてくる。


 よく見ると、迫ってくる光は星などではなく、人の顔だ。歪んで、獰猛な顔が、星の数のようにいっぱいあり、自分に向かって絶叫する。


 どんな化け物の前でも冷静沈着の諸葛夢が、子供のように、頭を抱えて、ぶるぶると震える。


 しばらくすると、光はやっと消えた。代わりに、一人の女性が現れる。メガネをかけていて、ボブヘアの知的な美人だ。女性は優しくて諸葛夢の頭を撫でる。


 諸葛夢は女性に捕まろうとするが、手は全く思い通りに動けない。それでも、先ほどの恐怖が消え、代わりに、穏やかな表情が、諸葛夢の顔に表す。


 しかし


 女性をしばらくみつめていると、急に変化が起こす。女性の目や口から血が流れ、そして優しく撫でている手も、諸葛夢の首を絞める。


 …………

 ……

 …


 太陽は沈んで登り、そして再度沈む。廃墟では、カイと諸葛夢が戦っている。しかし、猟魔人同志のハイレベルな戦いではなく、小学生並みな喧嘩だった。カイは諸葛夢の上に乗って、彼の首を絞める。そして諸葛夢は、適当に手足を動いているだけで、あれは抵抗なのか、反射的に動いているのかはわからない。


 すでに二日間続いている。このままだと、二人とも衰弱して死ぬかもしれない。しかし、急に空から巨大な円盤が落ちてきて、地面に重くぶつかったら再度上昇して飛んで行く。この激しい振動で、二人はやっと我に返ったが、一体何が起こったのかはさっぱりわからない。


 話は一旦遡って、諸葛夢が出発した直後に戻る。左騎はアンジェリナを案内して、ちょっと別荘を見物する。もし本当に報酬もらえるのなら、今回の旅に使えるようなものを物色する。多くの部屋では、生活用品が残っており、ほかにいいものがなければ、ティッシュや軍手でももらっていこうと、アンジェリナは思う。


 地下室に行ったら、いいものを発見した。数台の研究用中型コンピューターがある。持って帰ることはできないが、修理出来たら何かやつに立つかもしれないから、アンジェリナは工具箱を借りて、さらにボルダリングカーから新型メディアをもって、修復し始める。


 一心不乱に電子設備を修理しているアンジェリナを見て、左騎はこっそり地下室のドアをロックして、そして一階に戻る。戻ったところで、ちょうどキースも外から戻ってきた。二人はガーデンでお茶をおみながら、雑談し始める。


「うまくやったのかな? キースさん?」

「ああ、若造二人はすでにわしの幻術に嵌められ、今は同士討ちしておる。あの状況じゃ、解けるには二三日かかる。そのうちにわしらは小娘、いや、イヴ一号を攫ってランス様に献上するだけじゃ」


 キースはお茶を飲んで、


「ところで、イヴ一号は?」

「とりあえず地下室に閉じこんだ。でも、あとはどうする?」


 キースと左騎は、イオガンルブン教の教徒だ。出世のため、アンジェリナを捕まってランスに献上すると画策した。カイが先に別荘に到着したので、無神経な彼の口からいろんな情報獲得した。キースは人に幻覚を見せる力を持つ覚醒者で、能力を利用してうまく男二人を相打ちまで追い込んだ。


 しかし問題はアンジェリナだ。乱暴なやり方だと、傷ついたらランスからの評判は落ちるかもしれない。普通の人間にキースの能力を使ったら脳にダメージを与える危険性もある。


「まあ、水と食べ物を与えずにちょっと待ったら、衰弱になってから縛ればいいじゃない?」


 ちょっと考えた結果、左騎はこう提案した。


「そうじゃな。そうしよう。では、我々の昇進を祝って、お酒はないが、お茶で乾杯!」


 しかし、左騎は全然反応がなく、ぼーっとしていて、しばらくするとそのまま倒れる。ちょっとおかしいと思って確認しようとしたら、急に何かがすごい勢いで飛んできて、キースの顔面が直撃を受け、そして同じく気を失った。


 再度目が覚めたら、キースはすでに縛られている。隣の左騎も同じだ。


「あ、思ったより早く目が覚めたのね。」


 頭を上げると、アンジェリナは座って、お茶を飲んでいる。


「な、どうしたというのじゃ?」

「いやね。キースさん、アンジェリナを謀るなら、もうちょっと頑張らないと。男二人の屋敷なのに男の部屋がいっぱいあり、最愛の妻女といったくせに結婚指輪も、寝室に妻の写真や、化粧台もない。こりゃ一発でバレるよ。」

「フ、フフ、さすがイヴ一号。じゃが、我々覚醒者に、こんなボロクソの縄を使ったのは、甘いじゃぞ」


 すると、左騎は力を入れ、すぐ縄を千切る。そしてキースの縄も解いてあげた。これを見ると、アンジェリナはすぐテーブルに置いてあった簡易な銃をもって、二人に向かう。


「う、動かないで、このミニレールガンに威力は半端ないよ」

「フフフ、じゃから? こっちは二対一じゃぞ。それに、ちょいと脳に負担をかけるが、抵抗するのなら、仕方があるまい、ちょっと幻覚を見て、おとなしくしてもらおう」


 キースが手を挙げたら、アンジェリナの目の前に、巨大な影が現れる。


相打ちになった男二人、そしてアンジェリナは大ピンチ?

次回を待て!

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