第九話 『鬼路、再び』
新元学園、生徒たちから忌み嫌われている学校鬼路、今日アンジェリナは二回も訪れた。
電脳研究室の若い警察官に聞いたら、鬼路で死体が発見され、残りの警察とギャツビーは全部鬼路に行った。アンジェリナもすぐ、カイと諸葛夢を連れて、再び鬼路にたどり着く。
朝いちばんと違って、今の鬼路辺りに人がいっぱいいる。警察、法医、先生、そして特別入ってもらったパトカーや救急車、層々と鬼路の入り口を包囲した。さらに、鬼路の入り口には災前の刑事ドラマでよく見る、黄色のテープが張られている。
しかし、そんな厳重な包囲網があっても、いまだに鬼路の中から、恐怖の何かが噴き出そうとしている。
警察はみんな若い。ベテランの人はほとんど戦争時に亡くなったからだ。二、三年経験の人はすでに大先輩で、後輩たちを指揮して現場調査、事情聴取をやっている。
人群れの中に、ギャツビーはある中年の男性と話している。まだ暑いのに、トレンチコートを着ていて、手帳をもっていろいろ記録している。まるで顔に刑事か探偵と書いてある風貌だ。
男性は先にアンジェリナ一行を気づき、手を振った
「あ、古さん!こんにちは!」
カイは先にあいさつした。
「おお、カイ君か、こんにちわ。なんだ、夢も一緒か?」
「だれ?」
ギャツビーにあいさつしたアンジェリナは、こっそりカイに聞いた。
「あ、今朝警察局長が嬢様を探しにきたって言ったろう。あの時一緒に来た古さんだ。」
「古天仁と申します。以降お見知りおきを」
「アンジェリナって言います。よろしくお願いいたします。」
二人は軽く握手した。
「へえ、あなたがかの噂の天才美少女探偵か?」
「いやあ、天才美少女探偵だなんて……」
アンジェリナは照れそうに頭を掻く。
「天才美少女だけで結構です!」
「え?あ、ははははははは、面白い子だな。」
古天仁は笑った。
「まあ、でもこれは捜査に協力する気はないと読んでいいかな?」
「いや、そういうわけじゃないんですけど。でも、いったい何起ったんですか?殺人って……」
「ああ、火事現場調査しに来た部下に、鬼路で死体発見したっていう通報が来たんだ。通報したのは、確かにあっちの女子生徒だ。」
パトカーの近くで若い警察に事情聴取されている女子生徒一人いる。アンジェリナはこの人知っている。
名前はキム チェヨン、二年生。小太りで決して綺麗とは言えない顔つきで、おどろおどろしくて、常に何かを警戒しているような表情をしている。
こう見えても、彼女は現在新元学園ボルダリングロボット開発の中心だ。ネオシャンハイから出るには断崖絶壁の山を登る必要があるため、学校からも結構重要視している開発プロジェクトだ。ロボット関係だから、アンジェリナはよく研究室で彼女と会うが、会話はほとんどなかった。
そしてキム チェヨンはオカルト研究部の副部長でもある。この前撮った鬼路の写真なども、彼女の作品だ。今日も朝早く鬼路に取材しに行った時に、死体を発見してしまった。
「現場に行っていいですか?」
「いや、かなり刺激的な現場なので、未成年にあんまりおすすめできないな。」
古天仁は頭を振って、代わりに諸葛夢に向いて言い出す。
「夢、お前が先に行ってくれ。何か発見あるかもしれん。」
「え?古さんとムウは知り合いなんですか?」
「ああ、ダチ公だよ。」
「ほざけ……」
「なんだと?ぶん殴るぞ!」
「喧嘩で俺に勝てるとても?」
「いや、まあ、それは確かに……」
「弱気になってどうする……」
「ああ、もう、つべこべ言わずに早くいけ!ついでに、カイ君も連れていけ!」
「え?なんで俺も?」
急に自分のこと言い出されてカイはびっくりした。しかしアンジェリナはカイに頷く。
「わかった。行くぞ、青いの」
「青いのって俺のことか?ねえ、俺のことか?」
どうやら古天仁はアンジェリナと単独で話をしたいから、諸葛夢も仕方なく、カイを連れて鬼路に歩き出した。
入口の警察から手袋と懐中電灯を借りて、二人はうす暗い鬼路に入る。
数分歩いたら、警察と法医が一番固まっているところは死体の在りかだ。
外から入ってくる微かの太陽光と警察の照明で死体ははっきりと見える。身長の高い女性だ。服装から見るとまだ若い、たぶんここの生徒だ。うつ伏せで倒れているが、表情がはっきりと見える。
なぜなら、死体の頭は離れたところに転んでいた。
きわめて恐怖の表情で。




