第一章10〈王都ホ-プネス〉
「ここら辺って聞いてたんだけどなあ、」地図片手に俺は迷っていた。
革命軍第五支部第三アジトはここにあるはずだった。おかしいと思いながらも果てのない先を歩き始めた。
歩き続けると、一つの建物があった。「もしかしてこれが、……」とフウ……と息を吐いて、ドアを叩いた。
開けて、出てきたのは、最も会いたかった人だった。
「はい……どちらさまですか?」「……もしかして、」「……もしかして……りょう……くん」「……ランクス」なぜかわからなかったが、初対面で分かった。ランクスと出会えた事に興奮し大声をあげた俺に、懐かしい仲間達は、うるさいと一喝した。
「……お前ら生きてたんだな……」「まぁな、お前のおかげだよ、ほんと」と言いながら、照れるのだった。
「あれ……グリムは」いるはずの最強の男を探す、が見当たらず、言葉に出た。「……グリムは死んだよ」「……え?」「アイツは、そんな簡単に死ぬ男じゃ」「信じられないのはわかる……でも、死んだのは確かなんだよ″七大剣鬼″グリムは……」
「……そうか、守れなかったのか、俺は」「グリム君は、最後に言ってたよ、背負わないでって……」
「背負うな……か、あいつらしいな、でも無理な話だ俺は、仲間を守らないと……」今思えばこの時にもう蝕まれていたのだと思う。
自ら決めた掟に……
「……そう、そうだよね、じゃあ私も覚悟を決める。私、グリムの意思を継ぐよ……りょう手伝って、」
「あぁ……手伝うさ」その発言を聞いてグリムの彼女″七大剣鬼″・剣姫先田川玲音は笑顔になるのだった。
「話は終わったか?」フワァァァと大きなあくびをして、男は第三アジトの二階から降りてきた。
「……お前は?」「……あぁ俺?そうかお前知らんのか、革命軍・第五支部・第三アジト長、時神竜だ」「んで、どっちにするんだ?」「何が?」「その話してたんじゃないの?」「革命軍に入るか入らないか、そいつらに聞いたら、リーダーが来るまで決められないって言ってたから……」「俺でいいのか」と聞くと、仲間達はいいと話した。「……この世界で仲間を守るため……に帝国を倒すために、俺は、俺達は革命軍に入る。
この瞬間俺達、最前線の仲間達、九十七人は、革命軍に入った。
それは、向こうも同じようで……
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「彼、革命軍に入ったみたいだよ」「へぇ……そうなんだ、じゃあ私たちの敵なんだ。じゃあ殺せるね。あの偽善者をね、リーダー」「……嗚呼、今の私達ならアイツを簡単に殺せるはず。」
後にセブアイ帰還者と呼ばれる俺達はこの世界に変革をもたらした。俺達の存在がこの世界のパワーバランスを変えたのは確かだろう。
そんな生還者は様々な思惑の中、戦場へ身を投じる事となる。全員が……″強力な力″をもったまま
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<帝国・十区>
「彼は、とんでもない事をした。十年前、死んだと思ってた″悪魔の力″を持った六人が生きていただけじゃない、この世界のパワーバランス、環境を壊しかねない、″イレギュラー″がとんでもないペースで現れている。「革命軍につけば、我々はまけるぞ……」「……」その発言に、″七武帝″龍臥帝、アルベルト・ハーンは、一息ついて、「もし、そうなったら、僕は龍臥軍(第二支部)を連れてこの国を離れるよ、この国残る必要はない、でしょ……双覇帝「確かにな、俺も第五支部連れて離れるよ」と話した。
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「千年帝国の崩壊……なんてタイトルはどうかな、」「いいね、それ」神は、自分が創った″モノ″にそう話した。「……主人公は、彼かな……立石りょう……神すらも超える存在である君だね」
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後に、第三次天破戦争と呼ばれる、数十年に及ぶ戦いは、帝国との頂上戦争から始まる事となる。




